人材マーケットに神戸の声は届いているか(決算特別委員会)

2007年03月02日

◯副主査(井坂信彦) 
冒頭にちょっと申し上げたいことなのですけど,
私,まるで役所じゃないみたいというふうに
何件か言われたことがあるのですね。
産業振興局のビジネスマンに対する応対について,
そういう評価を最近立て続けに何回か聞いたのです。
てきぱきしていて,本当にすばらしいと。
民間の社員さんかと思ったというような声を聞いておりまして,
これは本当に大切なことだというふうに思っておりますから,
何かいろいろ工夫をしてはると思うので,
ぜひそれを産業振興局でひとり占めになさらずに,
その工夫とモチベーションを神戸市全体に,
市役所全体に広めていただけたらなというふうに思いますので,
冒頭に申し上げます。よいしょはこれぐらいにいたします。
 
きょう質問したいのは,たった1点でございます。
この1点で,時間のある限り,議論を深めたいと思っております。
テーマは創造的人材の誘致ということです。

◯副主査(井坂信彦)
2010ビジョンの12本ある柱の8本目ですが,
価値を創造する元気な産業のまちプランというものがあります。
その中の大項目として,新たな活力を生み出す人,
企業の誘致というふうに書いてあります。
企業誘致だけでなく,人の誘致という言葉が,
明解に2010ビジョンには掲げてあるわけです。

ところが,ビジョンの平成17年度検証評価報告書を拝見いたしますと,
書いてあるのは,企業誘致の進みぐあいばかりが報告されている。
人の誘致ということについては記述が見られない。
まとめも,今後も目標達成に向けて企業誘致のさらなる推進を
目指しますというふうなまとめになっていると。
企業が来れば,もちろん人も神戸に入ってくるわけですけれども,
しかし,企業が来れば人もついてくるという考えは,
それは少し古い発想ではないかというふうに考えております。

先月出された神戸市中小企業活性化プログラムの素案にも,
人財──これは「人」に財産の「財」と書いてありました──
人財という柱が掲げてありますが,
人材の登用と育成という観点では書いてありましたが,
人材の誘致という観点では,やや足りないようにも感じました。
 
今,ヨーロッパの都市に続いて,日本でも,横浜,金沢,そして仙台,大阪など,
先進的な都市がクリエーティブシティ,創造都市というビジョンを掲げ,
創造的人材の誘致を始めているという現状があります。
創造都市とは,芸術家,デザイナー,クリエーター,
プログラマー,研究者,技術者,ベンチャー起業家などが,
好んで住み働く環境をまず都市が提供する,そして彼らが集まってきて,
互いに刺激し合いながら,例えばアートプロジェクトやビジネス,
NPOなどをどんどん立ち上げ,その創造性そのものが,既存の企業や市民の,
さっき局長もおっしゃったような意識改革にもつながっていく,
そういう都市のことをクリエーティブシティと呼んでいます。
 
まず,その大前提となる人材誘致について,きょうは質問したいと思いますが。
全国の人材市場,人材のマーケットにおける神戸という
都市のポジションをどう見ておられるか。
そして,同じくその人材市場に向けた神戸市役所のアクションは,
今どういうことを考えておられるか。
 
それから,追加なのですけども,平成17年に産振局で行った
産業振興研究会という3回か4回の専門の研究会ありましたが,
そこで最後の方に,SWOT分析,自社の強みと弱み,
それから市場の機会と脅威を分析しましょうという指摘がされていましたが,
これをきょう申し上げる人材誘致という側面から,
一遍取り組んでいただいてはどうかというふうに思います。


◯坂本産業振興局長 
まず冒頭,お褒めいただきましたこと,お礼申し上げます。
 
本当に目まぐるしく変化する今日の社会でございますけども,
ますます激化する都市間競争に勝ち残っていくためには,
やはり従来の常識とか,慣例にとらわれず,
未知の世界や新たな分野に果敢にチャレンジする人材というのが
一番大きな役割を果たすというふうに私は思っています。
よく人,物,金,情報など多くの資源がありますけども,
やはりその中でもすべての基本になるのは,人,人材であり,
今のお話,中小企業活性プログラムでも
「人財」の「財」を「財産」の「財」という言葉を入れました。
 
午前中にも少し申し上げましたけども,
神戸という地が世界に開かれた港町ということで
発展してきたということで,進取の気風あるいは
挑戦の風土に富んだまちといったことで,
こういった都市のイメージが神戸らしさ,
あるいは神戸の強みに私はなっているのがあるというふうに思います。
 
これも,午前中,ドリームキャッチプロジェクト,申し上げましたけども,
そういったことから,神戸を舞台にベンチャー企業とか,第二創業に取り組む,
果敢にチャレンジする,そういった人を何とか応援したい。
ある意味では徹底的に応援したいということで,
その企業が出してきたビジネスプランを専門家に目ききをしてもらって,
そして,これはいけると思うものについては,
インキュベーション施設を提供したり,広報したり,
マーケティングあるいはコンサル派遣をしたり,ブラッシュアップをしたり,
ファンドをはじめ資金融資もして,とりあえず成功事例を1つでも2つでも出す。

そういった企業に引っ張り上げてもらう。
波及効果で全体の相乗効果をねらうと。
そういった取り組みを我々は今一番大事にしております。
 
それと,今の経済社会での重要なキーワードになっております,
付加価値を高める,いわゆる高付加価値化,これを実現するために,
神戸にもいろんな人材がおります。いわゆるすぐれた感性を持っている,
午前中,変わりもんと言いましたけども,
いろんな特異な才能を持っておられる方もいらっしゃいますし,
そして非常にたくみの技をお持ちの方もおられる。
そういった方々にできるだけ集まり,交流してもらって,
次の新たな人材を育てていく,
そういったことが非常に私は大事だというふうに思っています。
 
そういったことで,今,例えば物づくりの分野ですね,
これにつきましては,震災復興工場,これは,
今,ものづくり復興工場ということにしておりますけども,
これを物づくりクラスターの支援センターということで,
産学官民が入って,今,神戸大学も非常に熱心にやってくれていますし,
NIROのチームいうのは,これまで大手企業で,
そういったことを経験された方がおられますので,
そういった連携のもとで,こういう場で関係者が集い,
交流し,新たに価値を創造していく。学ぶ場にもしていきたいというふうに思っています。
 
ものづくり職人大学,これはなかなか,
今,そこで育った方がすぐ就職できるのが難しいのですけども,
やはりたくみの技を次の時代に継承していくといったことで,
ここの生徒さんいうのは,学校を卒業してすぐ来るのじゃなくて,
一たん民間で仕事しておったけれども,
やはり何か自分でこういったことをやりたいといった方も,
かなり来られておるように思います。
 
ファッション部門につきまして,今おっしゃいましたように,
クリエーターとか,デザイナー,
そういったすぐれた感性とかを育てていこうということで,
ファッションコンテストをやったり,
いわゆるドラフトが新たなクリエーターをつくるようになっているといったことで,
シューズ部門でもシューズドラフト!というようなことをしている。
デジタルコンテンツ,こういったものは,アニメーション神戸を用意したり,
神戸フィルムオフィス,こういったものを利用して,
映像プロジェクトの誘致なんかを図っているというようなこと。
そして,神戸マイスターと言われる方もおられます。
要するに全国に通用するたくみの技を持った人を神戸マイスターの賞を与えて,
その方々が,今,小学校なんかにも行かれて,要するに技術を実際に見せる。

子供さんなんか,いろいろアンケートなんかもしておりますけども,
やはり知識だけを教えるのじゃなくて,やってみせるということも
非常に大きな要素だというふうに思っています。
我々そういった観点から,今,取り組んでおりますけども,
こういった仕掛けを行う。
こういったことが新しい未知の分野,
これが先生おっしゃる創造的な産業ということではないかというように
私は思っておりますけども,そういった分野に挑戦する人材あるいは
高度な技術・技能,すぐれた感性を有する人材,
こういった人に集まってもらって,
これを高めていきたいというふうに実は思っています。
 
あと,全体的に神戸のそういった魅力というのは,
そういったことに取り組んでいると。
一生懸命取り組んでいるということが
1つの魅力ではないかなというふうに思っております。
一番初めにSWOTでしたか,これはですね,
実は中小企業活性化プログラムをつくる前に,
本当にこれから我々どういったスタンスで
産業振興施策を進めていったらいいのかといったことで,
いわゆる学識経験者の知恵をかりたいといったことで,勉強会をやりました。
その中で,ちょうどマーケティング専門の教授がおられまして,
やはりこれから施策を進めていくには,いわゆる神戸が,
神戸経済とか神戸の中小企業全体がどういった強みや弱み,
そして,今どういうふうな状況に置かれているのか,
そういった環境を分析した上で,
新たな施策をやっていく必要もあるのじゃないかなといったご意見がございました。
 
いわゆる学問的にいうSWOT分析がやれているとは思っていません。
しかし,私は,職員に常に現場に行って
生の声を聞けというふうに言っていますけども,そういった中で,
いわゆる中小企業を生かし得る強みとか抱えている課題,現状,
今後のいわゆる展望などの外的な要因,
そういったものを現場に行った者がつかみながら,
今の中小企業活性化プログラムの策定委員会の方に
庁を挙げてやっているということで,そういった気持ちで取り組んでおります。


◯副主査(井坂信彦) 
局長から,人材の発掘,育成でありますとか,
そういうお話があったのですけども,
それは,私,今,産振局が取り組んでおられることを
いろいろ見せていただいていますし,否定はしないのです。

ただ,きょう限られた時間の中で議論したいのは,
発掘・育成ではなくて,あくまで誘致について議論をさせていただきたいと。
しかも,神戸市内で何をやっていただいているかではなくて,
広く全国あるいはもっと言えば,全世界のそういう人たちの市場,
マーケットがあるわけですよ。
どこで会社を起こそうかなと,あるいはどこでラボを開こうかなという,
そういうマーケット,神戸市の外に対して,
神戸市が一体何をできているのかという
議論を今からさせていただきたいというふうに思います。
 
11月27日の日経産業新聞の記事なのですけども,
シンガポール政府が創造的産業の育成に取り組み始めたと。
アート,デザイン,メディアに関するフォーラムや展示会など,
一連のイベント,クリエーティブ2006を11月丸1カ月かけて開催して,
シンガポールというのは,もう創造的産業が経済成長に役立つと判断し,
人材・企業の誘致を急いでいる。
シンガポールはもともと,貿易,製造,金融が産業の中心だが,
創造的産業の国内総生産に占める割合を
現状の3.88%から6%まで伸ばす目標を国として掲げている
というような記事でありました。
 
神戸市の2010ビジョンにも,12本柱の3本目に,
文化創生都市推進プランというのがあります。
その平成17年度検証・評価によると,創造的産業従事者,
いわゆる創造的人材が,平成13年に比べて,
神戸市は10%も減ってしまったなど,
チャレンジ指標の低下もあり,
文化・芸術を生かした産業やにぎわいの創出という
2010ビジョンの項目ではC評価,
目標達成に向けて余り順調に推移していないという判定になってしまっています。
 
私,先ほど人材の誘致というタイトルでお話しいたしましたけども,
特に誘致ターゲットをやはり創造的人材というところに
絞ってはどうかというふうに考えます。
先ほど,SWOT分析,もちろん,
これやってないじゃないかというふうに文句を言いたいわけではなくて,
むしろやっていただきたいと,今から。

やっていただく中で,創造的人材が都市に望むニーズというのは
一体何なのだろうかと。
そのSWOT分析とつき合わせて,一体足りないのは何かと,
あるいは生かしていけるのは何か。
今後,人材のマーケットに対して,神戸市産振局が創造的人材に来てもらうために,
どういったアクションがとれるか,
そういう段取りで一遍考えていただきたいなというふうに思うわけですけども,
その点についてご見解をお聞きしたいと思います。


◯坂本産業振興局長 
今,医療産業都市構想なんかを進めておりますけどね,
その中で,非常に世界的にも実績のあられる方が集まってこられたり,
いわゆるどんどん,そういった人もいるということで集まってこられております。

どういう人材か,ある人にターゲットを当てて,
その人を引っ張ってくるというやり方もあると思いますけども,
私は,やはりこれから神戸が元気になっていく,
そして都市間競争を勝ち抜いていくために,どういったことが必要か,
今ずっと各分野申し上げましたけども,
私は,少なくともそういった分野で,
外におる人が一度神戸に行ってやってみたいなと。
人に焦点を当てるのではなくて,そういうことをやろうと思っている
人が集まってくるようなそういった仕掛けでいのじゃないかなと思います。
 
今,私,SWOT調査いうのが,
具体的にどうしたらいいのかよくわかりませんから,
お答えいたしませんが,そういった特定の人材を引っ張ってくるというよりも,
そういう環境整備といいますか,条件づくりといったことが,
確かに必要ではないかなと私は思っています。


◯副主査(井坂信彦) 
おっしゃるとおり,私も条件整備,
環境整備という観点で申し上げたいのですけれども。

今回の決算委員会でも,ほぼすべての政党が,
神戸の神戸らしい景観を守れというような議論をしていらっしゃるのです。
あるいは来年には,総合芸術祭のビエンナーレという大きなイベントが行われると。
これらというのは,どちらも,私が考えるに,
創造的人材の誘致に非常に大きな影響を与える
政策だというふうに考えるわけですけれども。
この人材誘致というテーマで,都市計画総局や生活文化観光局とも
やはり連携して,まさに,今,局長がおっしゃった
創造的人材が好んで集まるような神戸をどうつくっていくのかと。

そういう1点で,
一遍連携を考えていただくべきだというふうに思うのですけれども,
それについて,まず1点お聞きしたいのと,
それから国内では,やっぱり横浜市,いろいろ調べていくと,
やっぱりこの点では横浜市に非常に先見の明があると思っています。
5年も前から創造都市というコンセプトを掲げてやってきていると。
ただ,私が見るには,横浜の場合は,これアート,芸術方面にやや重きを置いた
政策展開になっているのかなというふうに思っています。
 
一方,金沢市は,これ豊かな歴史と文化を生かす方向で考えていると。
仙台市は,学校の集積と産学官連携プロジェクトによる知的拠点というような,
そういう方向性で考えていると。
一番直近ですと,大阪市がこの7月に関市長がプレゼンテーションされて,
そのタイトルが,まさに「創造的な人材の集まるまち大阪の実現を目指して」
というタイトルで言っておられると。
大学の集積と,それから松下,三洋,シャープなどの
世界的企業を生み出してきた,歴史,風土を生かして,
大阪の場合は,ITやロボットなど
知的産業の集積という方向性で考えておられると。
同じ創造都市クリエーティブシティでも,
これ,まちによって重きを置いているところが
いろいろ違うふうになっているわけですね。
 
神戸市にも,先ほど申し上げた2010ビジョンの中に,
文化創生都市推進プランというのが既にあるわけですけれども,
こちらだけを見ていると,これ,やっぱり文化・芸術支援という
色彩が濃いものになっている。

私が,今日,なぜこれを産業振興局に対して申し上げているかというと,
創造都市のコンセプト,これ,やっぱり文化・芸術面に偏らずに,
むしろきちんと本当に産業振興につなげてほしいという思いがあるわけです。
もっとも,芸術と経済は別物というのは,これ過去の考えのようでして,
きょうも雑誌持ってきているのですけど,最近の雑誌には,
今一番熱い投資先は現代アートだというような特集が
多く組まれているわけですね。
5年で値段が10倍に上がって1億円を突破した村上 隆さんという
アーティストの話であるとか,アートマーケットには
世界中から投資家がビジネスジェットに乗って
集まってきているというような話であるとか,
実は現代芸術と産業,エコノミーというのが,
非常にまた強く結びつき出していると。

そういった中で,2つ目の質問なのですけども,
やっぱり創造的人材というのが,私,特定の個人を誘致するとか,
そういう意味じゃないですけども,
まずそういう環境を都市計画局や文化振興局と連携して,
そういう環境をつくると。
そういったところに創造的人材が入ってくることをきちんと
産業振興に結びつけてほしいという私の申し上げた考えに対して,
局長のご見解をお伺いしたいと思います。

◯坂本産業振興局長 
やはり市民の暮らしを守るというベースというのは,
非常に経済・産業の振興に負うところが多いですから,
これもいろんな面で絡んでくると思います。

例えば集客・観光にしましても,やはり,そのまちの文化とか,
まちづくりがどうなっているとかということは影響してくると思いますし,
今,企業誘致をやっている場合でも,例えば外資系企業の誘致をするときに,
奥さんなんかが神戸にどういう印象を持っているか,そこへ住むときに。
一般的に言われているのは,住みやすいところであるとか,
いろんなイメージ,大阪をけなすわけやないけど,
大阪行くんやったら神戸やと,まあまあそういった声も出る場合もあります。
 
そういったことですから,
当然,我々,企業誘致という切り口を今持っていますけども,
当然,その中では産業振興局だけでできるわけではありませんから,
いろんな局と一緒になっております。
そして,その中で,まちのイメージを高めていく中で,
いろんな製品でも,今,デザインというのが非常に大きな意味を持っていますが,
都市そのもののデザインが要るのではないかということで,
今,企画調整局が一緒になって,そういったチームを立ち上げております。
 
今,先生おっしゃったような切り口で,
また別にチームをつくるのかどうかいうのはともかくとしまして,
いずれにしましても,それぞれがその局として進めているものが,
これは当然,お互いに連携してきて,
トータルで考えていかなければならないことですから,
十分これからの進め方というのは,
各局と連携をとりながらやっていきたいというふうに思っています。


◯副主査(井坂信彦) 
さっき大阪の話がありまして,実は,本当におっしゃったように,
大阪の関市長のプレゼンテーションでは,大阪の弱みということで,
きちんとその辺自己分析しておられて,まさにおっしゃったイメージが悪い,
マナーが悪い,ここを何とかせなあかんというのは,はっきり書いてあるのですよ。

その点に関しては,神戸は間違いなくクリエーティブシティにという観点では,
1歩も2歩も大阪よりは先に行っているというわけで,
これは1つの強みだというふうにもちろん思っています。
 
まだ時間がありますので,もう少し突っ込んで深めたいと思うのですけども,
2030年を目標とする日本21世紀ビジョンという,
去年かな,内閣が正式に考えて打ち出した
日本の2030年のビジョンというのがあるのです。
私も,これ,あるのを最近まで知らなかったのですけれども,
これが非常に明解な3本柱になっていまして,その3本柱の1番目が,
まさに開かれた文化創造国家というふうに掲げてあります。

あとの2つの柱は,時間にゆとりのある国家とか,
小さな政府とか,そういうことなので,
要は産業振興に関するビジョンというのは,
日本政府としては文化創造国家の1本に絞られているという現状です。
 
この内容をもう少し具体的に読んでみますと,
プロフェッショナルが働き,価値,創造を支え,
年齢,性別,国籍にとらわれず,世界じゅうから日本に集まる
優秀な人材が触発し合う多様多彩社会というイメージ,
世界の知的開発拠点となり,世界のフロントランナーがふえ,
イノベーションやグローバルスタンダードづくりを主導するというイメージ,
それから,アニメ,映画などのコンテンツ市場の国内総生産に占める割合が,
現在の2%から,2030年には米国並みの5%規模へと,
そういうイメージがビジョンとして語られています。
 
情報やノウハウを売る,いわゆる第4次産業と呼ばれるもの,
それから最近は感性とか感動とか情緒にかかわる
第5次産業といったものが言われ出しています。
農地を開墾して第1次産業を発展させてきた。
工業用地ですとか,あるいは港のバースを整備して第2次産業を発展させてきた。
第3次産業は,ショッピングセンターや箱の整備,
そういったことで振興することができたわけです。
そういった流れで考えると,第4次産業,第5次産業を発展させるためには,
これは,もうその根本である創造的な人材を集めるしかないというふうに
私は確信しておりますから,第1次産業から第3次産業を,
これもまた高度化していく。

これも一方で大切なことですけれども,
同時に,第4次産業,第5次産業にやはり重心を移していかなければ,
これは,やはり神戸もじり貧になるのではないかというふうに私も思っております。
 
神戸市,これまでファッション都市とか,キメック,
国際マルチメディア文化都市というのをやってきましたし,
今もおしゃれなファッション産業あるいは映像関連産業,
一生懸命支援しておられますけれども,どうか,これを単に流行だからとか,
神戸の強みだから,神戸のイメージに合っているからというような段階ではなくて,
第1次産業から始まる大きな文脈の中でとらえて,
確信を持って産業振興策の中に折り込んでいっていただきたいなという思いから,
今日こういう質問をさせていただいておりますので,
前例のない都市問題に対して,政策を考えなければいけない皆さん,
これは間違いなく,創造的人材であるというふうに私は思っておりますから,
ぜひこういったことを簡単に,方法の見出せる問題ではないですけれども,
創造的な問題解決に期待させていただきたいと思います。
 最後に,情報産業とか感性・感情産業と言われる,いわゆる創造産業の将来性ということについて,そして,そこに向けて,戦略的に産業振興局の仕事を組み立てていく必要性について,局長のご意見を伺って,終わりにしたいと思います。


◯坂本産業振興局長 
1次産業,2次産業が全部そっちの方に行ってしまうということは,それはない。
1次産業の農業にしたって,いろんな今新しい手法を取り入れながら,
若い次代を担うメンバーがいろんな努力しています。
そういったことで,これから,
やはり経営という観点も頭に置きながらの農業が要る。
工業についても,従来のやり方では,今,通用しないといったことで,
これがどんどん高度化しております。
そういった中で,今,神戸の強みとして,今,強みであっても,
あすにはもう強みでなくなっているかもわかりません。
それは我々十分認識しております。
ただ,今のところでの我々力入れていますのは,
やはり医療産業でやっていますから,そういった形で,
神戸へ行ったら元気になれるといった,そういうふうな中で,
先端医療をベースに,これをいかにすそ野の広い,
さらに広げていくかどうか。
その中で,いろんな今の関連する分野で,
4次,5次という産業の部分が出てくると思います。
 
そして,もう1つは,きょう午前中に申し上げました,
要するに新たにチャレンジしようという人間が,
神戸へ行ったら何とかなると。
神戸で起業したいといった気持ちになるような,
そういった環境づくり,条件整備を私はしたいと思っています。


◯副主査(井坂信彦) 
局長の最後のご発言が,
きちんと人材のマーケットに届くことを期待して,終わりにしたいと思います。

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