2006年11月27日
◯委員(井坂信彦)
今の医師不足の問題で,私もこの秋4人くらいお医者さんに,
いろいろ公私ともにお会いして,1人は泉佐野の大きい病院の事務長さんで,
この春もう辞めるんだということで,かなり本音でいろいろ教えてくださりました。
2人目は東北大の医学部で医者をやっている友人で,
日本の医療に大変腹を立てて,もう今カナダに行ってしまったんですけど,
去り際にいろいろ教えてくれました。
3人目は,この委員会で視察に行った亀田病院というところの,
そこでもやっぱりいろいろドラスティックな改革を見せていただいて。
4人目は,私この間,ちょっと健康診断で何か妙に数値が悪かったんで,
中央市民病院に行って,結果何ともなかったんですけども,
市民病院のお医者さんにじかにいろいろお聞きすることができました。
やっぱり皆さんも共通しておっしゃるのは,
日本の医師不足はもう手おくれであると。
さっきおっしゃった免血や産婦人科といった,
そういう数の少ないお医者さんだけの不足でなくて,
今後もう内科の医師が不足する時代が来るだろうと。
お医者さんを育てるのは,もうこれ10年以上かかりますから,
今さら手おくれなんだという話なんですね。
さっきの答弁の中では,限られたお医者さんをどう回していくか,
あるいは集約していくかというお話でしたけども,
やっぱり今後はもう限られたお医者さんを広い市場の中からどれだけ
力ずくでも集めてくるかという時代に私はなると思うんです,よしあしは別として。
そういった中で経済的なメリット,それから体力的な先ほどの問題,
そしてもう1つは,お医者さんが自己実現できる職場かどうかということも
ひとつ大きく問われてくると思うんですけれども。
医局制度がもう崩壊して,人脈や政治力ではなくて,
もう広い医師の労働市場の中で,職場環境をきちんとして医師を集める,
そういう時代に神戸市が医師の自己実現,特にお金の面,体力的な面,
これも大事ですけども,医師の自己実現を支援するといった観点で,
神戸市の公立病院を今後どういったことを考えていくのかを,聞きしたいと思います。
◯井口保健福祉局参与
医師不足が対策的には手おくれじゃないかというご指摘は,
私もそういう危惧を持っています。
といいますのは,もともと僻地とか離島で
医者が足らなかった時代があったわけですね。
都市部では特定の診療科が不足しているということで,
産婦人科と小児科と麻酔科が例に挙げられておったんですが,
実態を調べますと実は違っておりまして,
一番大きく不足しているのは内科,次は外科なんですね。
というのはそういう非常にプライマリーな部分での対応の診療科に
医者がほとんどいなくなっていると。これは非常に危機的状況になっています。
その辺の原因がなぜ起こってきたのかということはいろいろ言われます。
ただ,変な例えなんですが,医者というのはある意味で
筋肉労働者でもありますし,頭脳労働者でもあります。
ですから,当直で40時間をこなすような体力がなくてはいけませんし,
かといって新しい医療に対する知識も
どん欲に吸収していただかなくてはいけない。
その辺で筋肉労働者的な立場からいくと
経済的な保障はきちっとしてあげないといけませんし,
体力的にも余りにきつい労働条件にしないように工夫しないといかん。
ただこれだけをカバーしたら,医者が雇えるかというとそうじゃないんですね。
やはり知的な刺激がないと来ないという。
そのあたりのところが,やはり自己実現がいかにできるかというところの,
委員ご指摘のところではないかと私は思っています。
おっしゃるとおり大学の医局がもう既に崩壊しかかってまして,
従来大学の医局だけに依存しておれば医者が確保できた
時代ではないわけですから,広い労働市場の中から
いい医者を集めてくるためには,今委員ご指摘の経済的にも少しましで,
なおかつ体力的には余りきつくなくて,なおかつ知的刺激がある職場と,
この三位一体みたいな職場を実現しないと
医者が確保できないではないかというふうに思っています。
市民病院群ではそのために若手の医者にとって
一番非常に希望が多いのは,まず経済的な問題以上に彼らはやはり教育研修,
それと症例がいかに豊富かというふうな病院を主に選んで来ますので,
そこのところは中央市民病院等が実現できる場であると思っています。
問題は中堅どころでありまして,中堅どころの知的刺激を
いかに確保できるような職場にしていくかということが大事でありまして,
そのためには中堅どころは,例えばネイチャーですとかサイエンスのような
国際的な雑誌に投稿できるような研究活動を
一定保障してあげるような制度づくりが
要るのではないかというふうに思っています。
非常に欲張った話なんですが,現在神戸市における
いわゆる勤務医の経済的条件は大都市の中で多分最低です。
地震以降給与カットしたときに,医者も合わせて
給与カットしてしまいましたので,非常に低レベルに推移していますので,
その辺あたりを何とかしてほしいということで,
今,財政当局にお願いしていますけれども,
今後はそれとあわせまして委員ご指摘の,
いかに医師が求める自己実現ができるかという職場づくりを
今後心がけていきたいと。
非常に抽象的で申しわけないんですが,
そういうことを考えていきたいというふうに思っています。