2006年03月16日
◯委員(井坂信彦)
私は,保育所の民営化は,政策として今の神戸市に必要であるとの信念を持ち,
この1年間保護者の方々と接してまいりました。
しかし,3月16日の現在においてなおこの問題を取り上げざるを得ないほど,
保育所民営化は結果としてうまくいっていないというのが私の認識です。
保健福祉局との局別審査で,民営化の進め方について何を反省し,
何を変えていくのかと問いかけましたところ,
民営化の話を切り出すのが遅かったので19年度分は告知を早めた,
あるいは保護者説明会に臨む心構えも少し間違っていた
部分があるように思うとの答弁でありました。
確かに4月に何も知らされずに公立保育所に入った保護者が,
4月末に突然民営化の話を聞いて驚き怒るような今年度は異常な進め方であった。
これを改善するのは当然であります。
また,保護者会の進め方も,具体的に改善が可能であればぜひするべきであります。
しかし,この最低限の2点を改めるだけで,本当に19年度以降の民営化が,
今年のような混乱なく進むと市長は思っておられるのかどうか質問させていただきますが,
総論賛成・各論反対という言葉があります。
神戸市の保育所民営化の進め方で最大の問題は,総論ということについて,
広く納税者,子育て世代の合意を得ずに進めているからではないでしょうか。
もっと厳しく申し上げれば,
保育所民営化の進め方や保育所行政における公と民の役割分担などについての総論が,
そもそも広く納税者,子育て世代に示されてすらいないのではないか。
総論を,もっと言えばまだはっきりお持ちではないのではないかというふうに思うわけですが,
その点についてお聞きしたいと思います。
◯矢田市長
保育所の点については,後ほど助役が答弁させていただきますが,
私自身のちょっと考えを申し上げておきたいんですが,
現在までに神戸市で1万 5,000人保育をずっとやり続けておって,
それを2万人保育に変えていった段階がございますけれども,
実は1万 5,000人保育を達成する過程において,
これは最初に福祉法人等で手が挙がりませんでした。
ですから,そういった中でとにかく保育のニーズに対応しなければいけないということで,
公立保育所を建設してきた経過がございますけれども,
実は昭和57年以降,公立保育所の建設はもうストップをしておるわけでございまして,
それ以後つくっております保育所は全部民間でございます。
ですから,民間保育所と公立保育所の間に何か格差があるというふうな形で声があるようにも
聞かんことはないわけでありますけれども,大いなる誤解があると私は思っております。
むしろ民間の保育の中身そのものにも特色のある形態もございますし,
また公立保育所が持っておる中身でいいものもあることも確かでございますけれども,
そこにその基本的な格差というものがあるというふうには私は考えられないと思ってございます。
現在,既にもう民間保育所の方が実は公立保育所の数を
上回っておる状態になっておるわけでございまして,
さらに2万人保育を超えて,次の段階に向けて,
まさに子育て支援の保育所の待機児童解消ということを進めていかなければいけませんので,
そういったことを考えますときに,やはり手法は一番多様なものを備えながら,
そして本当のニーズにこたえていく,
そういったことを多面的にやっていくことが私は基本であるというふうに考えてございますので,
ちょっと私の考えを述べさせていただきました。
◯梶本助役
神戸っ子すこやかプラン21に基づきまして子育て施策全体を総合的に進めていく,
こういった観点から,今回の公立保育所の民間移管を進めてまいっているところでございまして,
そういうことでの提案だということでご理解をいただきたい,このように思っております。
今回の4月の移管を進めるに当たりまして,これまでに,
先ほどもご答弁申し上げましたように保護者説明会なり個別相談会,
こういったものを通じまして保護者の方々のご意見を伺い,話し合ってまいったところでございます。
また,法人選定におきましても,保護者意見の公募条件への反映でありますとか,
あるいは選定委員会への保護者意見の提出でありますとか,選定委員会への保護者の参加,
いろんな可能な限りの保護者の参画を図ってまいったところでございまして,
今後とも引き続きこの入所児童の健全育成,こういったことを第一義にしながら,
情報公開を徹底して情報提供に努めてまいりたい,このように思っております。
また,積極的に今申し上げましたような個別相談会を行うことによりまして,
できるだけ保護者の方のご意見・ご要望を伺いながら,
保育にかかわる者が一丸となって今回の民間移管を進めてまいりたい,このように思っております。
今申し上げましたように,いずれにいたしましても,この神戸っ子すこやかプラン21,
こういったものの総合的な施策を推進していく,こういった観点で進めておりますので,
この移管についてのご理解をいただきますとともに,市といたしましても,
子供たちのことを第一に考え,
また保護者が安心して子供たちを預けることができるよう今後とも最大限の努力をしてまいりたい,
このように思っております。
◯委員(井坂信彦)
保育所の民営化についてなんですけれども,
神戸っ子すこやかプランの話がいつも総論で出てくるんですけれども,
私が今日お聞きしているのは,
保育のいわゆる将来像としての神戸っ子すこやかプランではなくて,
保育所行政,いわゆる民営化をじゃあ一体どこまで進めていくのか。
公立保育所と民間保育所,保育内容に差がないと市長はおっしゃいましたけど,
そういうことではなくて,役割には絶対差があるはずなので,
その役割の違いを神戸市はどう見ておられて,
だから公立保育所がやっぱり幾つ必要だ,各区にどれだけ必要やとか,
何かそういう総論があるべきだというふうに私は思うんですけれども,
単に公立を昔つくってて,昭和57年以降は民間をつくってますと,
公・民の比率はたったそれだけの理由ですというのでは,私は全く納得ができないので,
公立と民間の役割分担の差をどういうふうにとらえておられるのか,
そういった中でこの5カ年の20カ所という計画であるという話が
私はしかるべき話だというふうに思うわけですが,
その点もう1度総論──保育全体の総論ではなくて,
保育所行政の総論,一体将来像としてどういう割合で公・民を目指しておられるのか,
そういったことについてあればお聞きしたい。
◯矢田市長
例えば延長保育とか遠距離保育とか一時保育とかというふうなものに対して,
最初に取り組みをどんどん進めていったのは実は民間の保育所でございます。
それが後に公立保育所もそういった状況に合わせていただきました。
そういったことを考えましたときに,本当に子供たちの将来にとってどうかとか,
あるいは保護者の方たちにとってどうかとかというふうに考えますと,
公・民の差というようなものは,それは運営上の
特色を出していらっしゃるところはございますけれども,
しかしその基本的なところに差はないと私は思っております。
ですから,そういった点が,例えば一時保育をことしふやしたというのも,
結局子育て支援という中で,今の社会情勢に合わすと,
やはり在宅の子供たちに対する施策が必要になってきた,
だから地域でいろんな人たちが取り組んでいただいていらっしゃる,
またそういうところで一緒になってやらなければいけないというところが
出てきておるわけでございまして,ですからそういうあらゆる面を踏まえて,
この保育所の問題だけじゃございませんで,
まさに子供に対する施策のトータルをやはりきちっとやっていくためにどうすべきか。
そうすると財源は限られておりますんで,
そういう中でどういう工夫ができるのかということが問われておるわけでございます。
ですから,こういった点は,
日本の中でいろんな地域で問題になっておるようなことであろうかどうかということになりますと,
私はそんなにたくさんのところでそういうことが起こっておると思っておりません。
例えばかつてから民間でずっとやっていらっしゃるところがございますし,
公立なんて一切ないよとおっしゃるところもございます。
ですから,そういう点で,こういう点の差,役割の違いとおっしゃいましたが,
それはないんではないかと私はむしろ思っております。
◯委員(井坂信彦)
それから,民営化の,要は民間移管の1年間のプロセスそのものが,
やっぱり対象となった保育所の保護者にとっては迷惑きわまりないことであるということが,
生活実感として本当にわかっておられるのかなというのが,最近ちょっと思うところでありまして,
保健福祉局の仕事としては,それは説明会から法人選び,条件交渉から引き継ぎ保育まで,
保健福祉局の仕事としては1年もあれば十分できるだろうということなんですけれども,
保護者の側は,やっぱりもともと昼間仕事をして,
夕方急いで職場から保育所に引き取りに行って,
それで子供をご飯食べさせて,おふろに入れて9時に寝かしつけるまで,
本当に毎日慌ただしい時間を送っているわけですね──
別に私,自分の愚痴を言っているわけではありませんで。
それで,そういった中で,
保育所民営化みたいな本当に厄介な問題が非常にタイトな
スケジュールで入ってくること自体が,もうその時点で政策のよしあし以前に,
保護者にとって非常に迷惑きわまりないことであるという,
その辺が何か本当にわかっていただいているのかなという気がしますし,
それでそういう理由で結局,11カ月なんていうのは論外ですけれども,
1年3カ月が本当にそれでいいのかというたら,
私はそれは全然不足だというふうに思っておりまして,
初年度のことは今はもう申し上げませんけれども,
大体世田谷区でガイドラインつくったって2年半ぐらい必要ですよねと,
あるいは市民の人がつくった有名な最低条件10カ条というガイドラインでも,
民営化計画は2年以上前から公開すべきというふうにされていたり,
私なんかは極端な話,5年前に民営化対象園を例えば発表すれば,
反対意見というのはイデオロギー的な内容を除いてほとんど
現れないのではないかというふうにすら思うわけです。
初年度に──民営化対象となった2年目以降も,
1年3カ月前にしか対象園を発表しないということを2年目,3年目,4年目と
本当に続けていかれるんであれば,それはこの1年の混乱からやっぱり本当に
何か学んでいただいたのかなというふうに大変に疑問に思うわけです。
早目に発表するべきだと,早ければ早いほどいいというふうに私は思うわけです。
ここで質問なんですけれども,できれば本当に5年で20カ所,
今から対象園を決定し公表すべきだと思いますし,その民営化の進め方のルールも,
対象園だけじゃなくて,幅広い保護者を巻き込んでルールそのものを
議論すべきだというふうに思いますが,いかがでしょうか。
◯矢田市長
それから,早い方がいいなというのは,これはもうおっしゃるとおりでございまして,
早くそういうことをお伝えするということが大事だというふうに思っております。