環境保全資金融資の活用(環境局)

2005年12月05日

◯分科員(井坂信彦) 
 ESCO事業のさらなる普及についてです。
市役所内部ではESCO事業が広まり,大企業も取り組む兆しが出てまいりました。
しかし,私が提案させていただいた当初に想定していたESCO事業とは異なり,
現在広まっているギャランティー方式と呼ばれるESCO事業は,
多額の初期投資を必要とする事業形態であります。ESCO事業の最大のメリットは,
初期投資がゼロで済むシェアード方式にあると私は考えております。

省エネ工事の資金はESCO会社が調達して立てかえてくれると。
そのおかげで,ユーザー側は初期投資はゼロ,月々あるいは年ごとに後払いローンで払う,
これがシェアード方式ですが,毎月,毎年の支払額は省エネ工事によって
浮いた水道光熱費の範囲内なので,ESCO工事を行う前よりユーザー側の
負担がふえることはない仕組みになっています。
 
そこで質問なのですが,多額の初期投資を必要とする,
いわゆる普通の省エネ工事になってしまっている現在のギャランティー方式のESCO事業を,
初期投資ゼロのシェアード方式のESCO事業に疑似的に変えるために,
環境保全資金融資などの活用は考えられないでしょうか。

ESCO事業とセットで融資を行うことによって,ユーザー側は実質的に
初期投資を負担せずに省エネ工事を行うことが可能になります。
ただで省エネができて,後払いも浮いた水道光熱費の中からとなれば,
ESCO事業に取り組む心理的,財政的なハードルは一気に下がり,
市内民間企業にESCO事業が爆発的に広がる可能性があるのではないでしょうか。
 
それから,追加の質問ですが,ESCOと同じ発想に基づく政策に
PIUS(ピウス)というものがあるそうです──P,I,U,Sと書いて,
これはプロダクツ・インテグレート何やら何やらというドイツ語なんですけれども,
日本語に訳しますと,製造過程における環境保全という訳になるそうです。
ドイツのある小さな州政府が中小製造業向けに始めて,
成功している政策で,材料やエネルギーの製造過程におけるむだをなくすために,
その製造過程を州が派遣した専門家がチェックして,
改善のために必要な資金も政府が融資や補助金の段取りをしてあげる仕組みとなっております。

企業側は製造コストを下げることができ,政府は資源やエネルギーのむだを防ぐことができ,
そして結果的には地域の中小企業全体が競争力を持つようになる,
一石三鳥の政策というふうに聞いております。

ここ数年,この州政府が日本の名古屋や九州に,
その政策ノウハウを売り込みに来ているそうですが,
先ほどのESCO事業はやはり規模が大きいため,
主に大企業をターゲットにした工事であるのに対して,このPIUSは,
最初から中小企業をターゲットにした政策であります。このPIUSの導入の
可能性あるいは検討についてお聞かせいただきたいと思います。


当日のブログはこちら→「イベントのゴミをどう減らすか?

◯熊取谷環境局長 
ESCO事業でございますが,ギャランティードか
シェアードかということでありますけれども,今,私ども市役所の関係,
市役所の本庁舎も,今その最中でありますけれども,
これはギャランティード型という形でやっております。

市の場合は,どうしても会計年度との関係等もございまして,
そういうふうな形にならざるを得ないかというふうに思いますが,
民間の施設がおやりになる場合,確かに委員ご指摘のように,
いわゆるイニシャルのかからない方式というのは
導入しやすいということになろうかというふうに思います。
 
実は,現在,私どもの方で,環境保全設備導入資金という融資制度を持っておりますけれども,
この中では,施工される事業者──いわゆる建物の場合でしたら所有者の方へ
融資をするという制度になってございますが,
先ほどの委員のご提案のような形でいきますと,建物の所有者ではなしに,
むしろESCO事業者に対する資金融資というようなことになろうかというふうに思いますが,
この点については,現在の導入資金の対象範囲を,そういったものまで
広げていくかどうかということについて検討させていただきたいと,このように思っております。


◯西尾環境局次長 
先ほど委員からPIUSという,これはドイツだということでございましたけれども,
ドイツのある州で,効率化エージェンシーという,
こういうものがコンサルティング会社と協力いたしまして,
企業の技術指導を行って,特に中小企業に対しまして,製品,生産工程,
双方の環境保全を同時に実行する,そして,なおかつ採算性を高めていく手法,
これがあるようでございます。まさに経済的な採算性と環境負荷の削減を
両立させていこうというものと承知しております。
 
現在,神戸市におきましては,拡大生産者責任が厳しく課せられております
ドイツとは,若干,社会的背景が異なっているんではないかということで,
我が国全体といたしましても,PIUSの手法がそのまま受け入れられ,
また普及していくかについては,まだまだ研究が必要ではないかと
考えておりますけれども,実は類似の発想といたしまして,
KEMS──神戸環境マネジメント,午前中にもご説明させていただきましたけれども,
その中にもあるのではないかと,私ども考えてございます。

PIUSのように製造現場ばかりではございません。
事務所,ビル,建設現場,いろいろございますので,
必ずしもその生産工程と製品にターゲットを絞ってということではございませんけれども,
いろんな取り組みをやっていただく中に,実際にコスト削減につながっていったということでの
報告をこれまで聞いておりますのと,今後もKEMSについても
普及していきたいと思っているところでございます。
中小企業の取り組みを促進し,循環型社会の構築につなげていくというそこにつきましては,
全く同様ということでございますので,本市といたしましては,
まずは中小企業を中心に広がりつつある,このKEMSの一層の普及促進を通じまして,
中小企業者が行います環境活動の促進を果たしていきたいと,このように考えております。
 

◯分科員(井坂信彦) 
ESCOに関しては,ぜひ融資の対象範囲を柔軟に考えていただきまして,
もちろん現状でもユーザー側が融資を受けて,そのお金を丸ごと
ESCO会社へ払うという形で,可能は可能なんですけれども,
非常にハードルが高いのではないかというふうに思いますので,
もうユーザー側の気持ちとしては,ただで工事ができるというふうに,
うまく見えるような,そういう組み方を神戸市は一遍考えていただければというふうに思います。
 
それから,その後に続くPIUSの話は,これは急に申し上げた話で,
一生懸命調べていただいたと思うんですけれども,PIUSは確かにドイツの仕組みで,
日本にすぐ適用できる話でもありませんけれども,ただ,今までやっぱり神戸市としては,
発生するごみに対する規制,監督ということが強かったのに対して,
ドイツのこの発想が非常にすばらしいと思ったのは,つくっているときに,
そもそもごみを出さない,それからごみにならないつくり方をする,
あるいはむだな廃液を出さないという,つくっているところに集中して目をつけているあたりが,
非常にすばらしいと思いましたので,それは別にPIUSでなくても,
KEMSの中でも結構なんですけれども,KEMSで結果的にそういう
企業も出てきていますというとこから,もう一歩進めていただいて,
神戸市として今後,中小企業のつくっている現場を,もう少しそういう見方で
ケアしていきますというお答えだったのか,どうだったのか。
それでもKEMSでもできてますから,とりたてて何も変えませんということなのか,
その点についてだけもう1回お願いいたします。


◯熊取谷環境局長 
実際に昨年からスタートしておりますKEMSの効果,
成果といったものをいろいろお聞きしておりますと,単に環境に優しい行動をしようというだけ,
あるいは電気・ガスの消費量を抑えていこうというだけではなくて,
やはり中には生産途中のごみを少なくしよう。
つまり,別の言い方でしますとゼロエミッションというような言葉がございますが,
生産活動に伴って出てくるごみを,可能な限りゼロに近づけていこうと,
そういうふうな取り組みをしてらっしゃるところがございます。

それは,まさしく委員ご指摘の生産過程の中での原料あるいは材料の選定といったもの,
あるいは実際の工作といいましょうか,製作の作業そのものを見直しながら,
くずを出さないというふうなことでございますので,
PIUS自体が日本の土壌に合うのかどうかというのは,先ほど次長の方が答弁しましたように,
かなり社会的背景が違うという中では,まだまだ日本型のPIUSに変化をさせるには
時間がかかるんではないかというふうに思いますので,当分の間と申しましょうか,
それまでの間は現在のKEMSを,少なくともステップ1のところはステップ2に上げていただいて,
グレードアップしていただく中で,今おっしゃるようなことも,
実質的に取り組んでいただくようなことを考えていきたいと思っております。


◯分科員(井坂信彦)
私いつも環境局にここで質疑させていただいているときには,
もう申し上げたいことはたった1つで,要は環境を守ると得をするという,
そういう仕組みをいかにつくれるかという,その信念だけに従って,
いろんな質問をさせていただいているんです。
ずっとここで言い続けてきた,環境会計もESCOも,それからごみの従量料金制も,
やっぱりすべてそういう流れの中で質問させていただいておりまして,
これは別に絵そらごとでもきれいごとでもなくて,
実際にそういう時代がもうすぐそこまで来ているというふうに思っております。

それは,排出権取引というのは,もうヨーロッパで始まっておりまして,
CO2をあなたの企業はここまで出していいですよと,みんな割り当てられて,
達成できなかったとこは,余分に達成したところから,その排出権をお金で買うという,
株式市場みたいなものが2002年に既にイギリスでできておりまして,
要は,CO2排出削減が,もうイコールそのまま金銭的なメリットであると。

排出した分は,イコール金銭的なコストであるという時代に完全になってきますので,
ぜひそういった思想で今後の施策を組んでいただければということを申し上げて,
質問を終わりにしたいと思います。

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いさか議事録

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