福祉で戦略的な予防を実施する(第4回定例市会)

2005年11月30日

◯2番(井坂信彦君) 
決算審議,毎年話題に上ってまいりますのが,市税収入が減る一方である,
それに対して例えば医療・介護そして生活保護などの福祉の義務的な経費は,
高齢化社会の進展とともにウナギ登りであるというお話をお伺いします。

これは一見もっともな話のように聞こえるんですけれども,これを何とか解決し,
回避しない限り,医療も介護も生活保護の制度もすべて行く行く
破綻が見えているのが現状ではないでしょうか。
 
この福祉の義務的経費,もちろん医療費が必要な状態の方がおられた,
あるいは介護が必要な状態の方がおられた,生活保護が必要な状態の方がおられた,
そういうときには出し惜しみをせずに,きちんと法律にのっとって使っていただくものであります。
 
しかし,そもそも医療や介護や生活保護を必要とする市民をもっと
本気で減らしていこうと,そういう取り組みに今福祉の方向性を
大きく変えていくことはできないでしょうか。
 
福祉というと,やはり困っている人を税金で救っていく,
そういうイメージでこれまで日本じゅうの政治が運営されてきましたけれども,
本当は予防を戦略的に福祉が行うことで,そういう困った人を可能な限り
事前に防いで減らしていく,そういったところにもっと知恵や税金やそして
人員を使っていくことはできないでしょうか,お伺いいたします。


当日のブログはこちら→「役所の“成果”とは何か?

◯助役(梶本日出夫君) 
井坂議員のご質問のうち,福祉における戦略的予防,ごみの減量等数点にわたりまして,
私の方からご答弁申し上げます。
 
まず,福祉における戦略的予防ということで,医療・介護・生活保護を必要とする
人自体を減らしていく,こういった視点で福祉施策を組みかえていくことが必要ではないか,
こういったご指摘でございますけれども,急速な高齢化の進展や家族形態の変化などに伴いまして,
保健・福祉ニーズは増大・多様化をいたしておりますけれども,
一方で本市財政は危機的な状況にございまして,時代の変化を踏まえた事務事業の
再構築を行いながら,各種のセーフティーネットに係る
事業運営に心がけているところでございます。
 
この平成16年度の決算におきまして,ご指摘の生活保護,国民健康保険事業,
老人保健医療事業費さらには介護保険事業費を合わせますと,
一般会計及び特別会計の全市決算合計額に占めるこれらの割合は
24%に及んでおりまして,年々増加傾向にございます。
 
そのため,これまでも各種の予防的な施策に
取り組んでまいったところでございまして,例えば生活保護につきましては,
当然2万人雇用の推進など全体としての雇用機会をふやし就労促進を図ることで,
生活保護を受給しなくてもよいケースをふやすように努めてまいっております。

また,生活保護受給者の方に対しましても,平成15年度から新たに
就労支援員を配置いたしまして,ハローワークと連携を図り,
できるだけ早く自立につながるように努めているところでございます。
 
また,健康づくりにつきましても,健康寿命の延伸は市民の願いでございまして,
健康こうべ21によりまして市民啓発に努めております一方,生活習慣病の
予防と早期発見のために,35歳の基本健診それから40歳の総合健診,
これらは無料で実施をしておりますけれども,低廉な価格でのがん検診などを実施いたしております。
 
また,健康こうべ21におきましては,ライフステージごとの肥満割合,喫煙率,
朝食欠食者割合の引き下げなど,さまざまな目標と推進すべき施策を盛り込んでおりまして,
今後ともこういった評価指標の見直しなり事業の重点化,具体的な推進体制のあり方,
こういったことの検討を進めることによりまして,積極的な
事業展開に努めてまいりたいと考えております。
 
また,介護予防に関しましては,これまでもあんしんすこやかプランを策定いたしまして,
要支援・要介護でなくても,生きがい対応型のデイサービスあるいは介護予防教室,
さらには機能訓練教室などの事業をご利用いただきまして予防に努めてきたところでございます。
 
今後は,今回の介護保険制度の改正によりまして,
保険事業として対応することになりますけれども,看護師や理学療法士・栄養士などの
専門職の力も加えまして,さらに予防の効果を高めた形で事業を
実施してまいりたいと思っております。
 
一般的に予防施策は,効果が直接的にまた即座にあらわれにくい,
さらには個人の意識づけなどに左右される面も大きい,こういうことがありまして,
できるだけ生活保護や医療給付・介護給付を受けなくても済むように,
市民の生活の豊かさ──クオリティー・オブ・ライフの視点に立ったさまざまな
施策を推進してまいりたい,このように思っております。


◯2番(井坂信彦君)
福祉に関してなんですけれども,よく言われる話で,高齢化社会で
特にこの間の介護保険の料金改定のときにもそういう議論があったんですけれども,
神戸市で75歳以上の後期高齢者がふえてきている,
医療費も格段にふえてくるという話がありますけれども,
これは私は,ここの部分も必ずしもそうではないというふうに思っております。
 
その一番いい例が,長寿県として有名な長野県で,
こちらは平均寿命が日本一で,当然ということは後期高齢者が多い県ということなんですが,
1人当たりの老人医療費が全国平均の75万円に対して長野県が61万円と,
全国で最も老人医療費を抑えている県ということになっています。
 
長野県はどこが特徴があるかというと,仕事をしている高齢者の率が非常に多い。
全国一であると。あるいは公民館が全国一多い。市民10万人あたりの公民館の数が多い。
これは公民館が多いからお年寄りが倒れないということではなくて,
長野県が老人大学ですとか,あるいは生涯学習講座ということを
非常に盛んにやっているということだというふうにお聞きしました。

あと,保健師さんが地元の地域の民生委員さんとか,あと保健補導員さんというところと
連携して,保健という取り組みを地道に昔から地域に根差してやっている
成果が今出ているというふうにも言われています。
 
ですから,高齢化ということと医療費あるいは介護費用の増大ということは
必ずしもリンクしない。そのリンクを断ち切るための手だてが主に保健の分野で
明確にあるのではないかと私は思っておりますし,神戸市も保健所があって保健の施策,
いろいろやってはいるんですけれども,これまでは私が拝見するには,
やっぱりあれもやってます,これもやってますと,いわゆるアウトプットレベルの
羅列ではなかったかなと。やはり私が先ほど申し上げたような医療費・介護費
あるいは生活保護費を下げるという,そこに明確に目標を持って,
そのために──それは別に財政的な意味ではなくて,
要は医療・介護・生活保護が必要な状態というのが,
助役が先ほどおっしゃったようにクオリティー・オブ・ライフの
低い状態であるというふうに私は思いますので,
そうならないように保健でもっていくということを,
今回本当に中心に据えてやっていただきたいなというふうに思っておりますが,
そういう,より1歩踏み込んだ戦略的──あれもやってます,これもやってますではなくて,
ここの数値を下げるために,それに集中して保健の施策をすべて組んでいくという
考え方について,お考えをお聞きをしたいと思います。
 
それから,あと生活保護者の就労対策もワーク・ネットワークの中で,
例えば数値目標として定められないかどうかといったことについてもお聞きしたいと思います


◯助役(梶本日出夫君) 
ご答弁申し上げましたように,介護保険とか医療保険とかできるだけ使わない
予防を重視するご意見につきましては,私どももそのように思っております。
 
そういうことで,今現在健康こうべ21をベースにいたしまして,
さまざまな取り組みをやっておるわけでございますが,あれこれではなく
集中というお話ですけれども,あれこれも大事でございまして,
あれこれを取り組みながら,いろんな重点的な点での集中をするということが
大事だと思っておりますけれども,いずれにいたしましても,
この健康こうべ21の取り組みというのは,目標は健康寿命を伸ばすということが
大事でございまして,このいわゆる年齢的な平均寿命でなしに,
これからの健康寿命を伸ばす,これを目的にしてこの健康こうべ21の成果によって,
1人1人の市民の方の健康寿命を伸ばすことが大事だと。
 
しかしながら,この健康寿命を伸ばすための取り組みというのは行政だけではできませんで,
当然お一人お一人の市民の方の健康に対する意識が変わってこなければこの成果が
得られないわけでございまして,そういった点で,これからも繰り返しそういった点での
保健所を含めまして全庁的に健康こうべ21を中心にした取り組みをさらに強めてまいりたい,
このように思っております。
 
医療の問題1つとりましても,体によくないとわかっておっても,たばこを吸うとか,
いわゆるお酒を飲み過ぎるとか──自分のことを言っておるようですけれども,
そういうようなこともありますんで,どうしてもしかし介護とか医療というのは,
年をとりますと,やっぱりどうしてもそういうような形での対策が必要でございます。
そういったことでなしに,健康に寿命をとっていくということが
大事だというふうに思っております。こういった取り組みを引き続き進めてまいりたい,
このように思っております。

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