2005年03月11日
◯分科員(井坂信彦)
今回,いわば二の足を踏んでいた環境局をしり目に,フライングぎみで水道局が作成した環境会計です。
担当の職員さんは,手本も相談相手もなかなか乏しい中で大変な努力をされたというふうに思います。
こういうフライングは,
私は大歓迎でして,やってみればいろいろと課題や思わぬメリットが見えてくるものだと思っております。
まず,最初にお聞きしたいのは,
環境会計という1つの手法を実際に新しくつくり上げてみる中でわかった課題とその解決の方向性,
それと意外な発見などがあれば,まず,その点についてお聞きしたいと思います。
◯石井水道局長
環境会計のその意義といいますのが,一般的にこういう本を読みますと書いてあるんですが,
内部効果・外部効果というようなことで,事業体の内部のこの環境に対する取り組みをいろいろして,
環境保全のためのコストと,それによる効果を把握するということで,
効率的・効果的な事業運営ということでの内部効果がございますし,
環境保全に対する取り組みを,私どもですとお客様に対してお知らせするということで,
その外部的な効果,この2点があろうかと思います。私ども環境会計について,
いろいろ議論があったわけでございますが,とにかく1遍やってみようということで,
作成することをまず第一ということで取り組んだわけでございまして,
そのベースになりますものにつきましては,平成15年度の決算のものを用いて,
1遍それを環境会計に照らしたらどうなるのかなということをいたしました。
これは朝からお話ししております新たな経営目標の中にも,
環境保全に努めますという目標を掲げておりますし,
その中で環境会計にも取り組みますということをうたっておりますので,
そういう中での1つの仕事ということでやらせていただきました。
取り組んでいった中で,環境省から環境会計の導入のマニュアルといいますか,
ガイドブックがあるわけでございますが,その内容といいますのは,
一般的に民間企業を中心にいろんな事業に適応するように,
そのガイドラインが大変大まかなもので定められております。
私ども水道事業ということに特定して,この作業をするに当たっても,
その実例が示されておりませんので,それで苦労したということでございます。
例えば,マニュアルの内容が非常に抽象的であるということで,具体的な項目の選定においてもそうですし,
コストや効果の積算方法というものを示したものもございません。
また,貨幣単位や物量単位に換算するわけでございます。
このコストがお金に換算すれば何ぼの価値がある,また,物量──炭酸ガスに換算すれば幾らというような,
そういう換算する方法についてもなかなかないということで,
全国的に見ても,水道事業の中でも確立したものがないというようなことでございます。
したがいまして,その積み上げを会計として処理をしていく中の──1つずつ積み上げていく中でも,
1つ1つの項目につきまして,他都市に照会を行ったり,
私どもの方での判断,意思決定ということで作成したという,
いわば四苦八苦しながらつくったというのが現状でございます。
環境会計という手法をとることによりまして,同じ水道事業者同士で比較ができるようになって,
それによって私どもの方の内部効果も高まるし,また,お客様への外部効果も,
より明確にできるという1つの思いはございますが,
既に作成した都市がございまして,そういうところの状況を見てみますと,
例えば換算値──具体の話で言いますと,
電力量1キロワットを環境保全の効果に上げるようなところにおきましても,窒素酸化物に換算するのも,
場所によって横浜ですと,これが係数で具体に言いますと0.08,
大阪では0.03,広島では0.34というように異なります。
これは,電気の発電の仕方等のいろいろなものがあるんで,その地域の数字が出てるようでございます。
あるいは,保全の取り組み項目の選定や,保全コストや経済効果の積算方法についても,
いろいろの都市で不統一というような課題なりがございました。
一概に,これ,そういう趣旨で他都市とも比較ができるなということでやったんですが,
結果のものを見ますと,いろいろな状況が違うので,一概になかなか比較はできないなと。
それとつくりました中では,いろいろ勉強する中で理解をしながらやったわけでございますが,
環境会計のその中身,内容についても,やはり専門的な用語や数値が出てくると。
果たして本当にお客様にわかってもらえるのかなと,難しい形になってしまったなという思いもございます。
現在,環境省の方で,このガイドラインというのの見直し作業が進められているというふうに聞いております。
国の検討の状況や,私ども同じように水道事業をやって──の事業体の方でも,
こういうのに取り組んでおられますので,情報交換や調整を重ねまして,
水道事業でこういう取り組みをしておることをとにかくわかりやすくお伝えし,
今後の事業に活用していけるもの,よりよいものをつくっていかないといけないなという思いでございます。
◯分科員(井坂信彦)
最初にお答えいただいた環境会計からなんですけれども,今回作成された環境会計が,納税者への,
いわゆる説明のツールとしてわかりにくいのではないかということは──
私はこのパンフレットは比較的わかりやすいのかなというふうに思っているんです。
実際に,何か計算の過程は非常に複雑やと思うんですけれども,書いてあることは非常にシンプルなことで,
1億9,500万円使って,CO2排出量年間3,700トン削減しました,
経済的コストも9億8,500万円削減しましたということで,ああなるほど,
こういうことに税金が使われているんだなという資料にはなっていると思うんです。
納税者への説明というツールを超えて,次のステップで,
局長がおっしゃった他都市の水道との比較の道具であるという,
そういう方向性もあると思いますし,私が今思っておりますのは,やはり政策選択に活用できる,
そういう物差しにしたい。そういうふうな方向性で活用できないかというふうなことを考えているわけです。
やっぱり今,主に財政上の問題で,たとえ環境保全のためとはいっても,
環境によさそうだからあれもやります,これもやりますという,
そういう新しい投資にかけられるお金が限られております。
神戸市全体の新環境基本計画に基づいて,目標の数値を達成するために,あとCO2何トンと,
あるいはNOxが何キロ,廃棄物が何トンという,そういうのがあとどれぐらいせなあかんと。
だから,それをやるために,じゃ,この政策でCO2,一番効き目があるから,
これでCO2をどれだけ削減しようとか,
これで廃棄物──それこそ水道管浅く埋めるあのやり方で,廃棄物さらに削減していこうとか。
そういう何をやって,
何をやらないかということを決める1つの重要な材料に
環境会計は今後なっていくのかなというふうに思っているわけです。
そういう政策選択のツールとして,環境会計は,今後活用していくべきではないかという考え方について,
局長はどうお考えになっておられるかと。
それから,先ほど課題の中で,環境省が抽象的なというか,
大まかなガイドラインしかつくっておられないところに難しさがあったとおっしゃいましたけれども,
私は,むしろ,この環境会計の話は,もう先行して,各政令指定都市が水道で,
あるいは下水道でやってるのですから,その政令指定都市の中でも,
今後いろいろ協力してスタンダードをまとめていくことは可能なのではないかというふうに思っております。
そういったことで,そういった方向性について,局長はどう考えておられるか,
環境会計については2点,再質問いたします。
◯石井水道局長
環境会計につきまして,政策決定にこれを使ったらというお話がまずございました。
環境ということに対して,いろんな手法でやられておると思います。
私どもも太陽光発電とか,そういうようなシステムを採用するときにも,いろんなことを考えながら,
その費用対効果等も考えながら,いろいろ当然やっていくわけでございます。
その辺は今回の検討の中では,とにかく電気代を下げるという──私ども大体電気代いいますか,
ポンプが95%電気代を占めておるということですので,
そのポンプ運用を上手にすれば効果が上がるんだなということもわかりました。
そういうことで,水需要においても内部効果をこれから高めていけたらなと思っております。
それと,各都市で先導してやっていけというお話でございます。
ガイドライン──私ども実は,13政令市のあるうちのほかの都市いろいろやられてまして,
後ろから3番目でございますんで,いろいろお聞きした中で,いろいろの事情があるようでございます。
合わすことによって効果が下がってしまうとかいうこともありますので,
この辺はこれからいろいろ調整していきたいと思っております。