2005年03月08日
◯分科員(井坂信彦)
予算の説明を当局から受けますと,もう二言目には扶助費の増大と。
つまり,高齢化と不況で生活保護費がふえる一方なんですという説明を,
ここ数年,毎年受けております。ただ,神戸市は,平成15年度より就労支援という形で,
実際,生活保護から抜け出していただくための政策を始めており,
私は実績も上がっているというふうに見ております。数字を上げますと,
平成15年度のこの就労支援の実績──
指導対象者を1,172人ピックアップして,そして実際に就労した人がそのうち974人で,
それが仕事が続いて最終的に生活保護から抜けることまでできた人が422人ということです。
質問なんですが,この就労支援策について,
事業を実施している保健福祉局として費用対効果をどう見ておられるのか。
効果が上がっているとすれば,なぜより多くの予算や人員を投入しないのか。
こちらも事業の現状の説明は十分受けておりますので,費用対効果ということ,
そして事業拡大についてのお考えに絞ってお答えをお願いいたします。
◯中村保健福祉局長
ご質問の中でも言っていただきましたように,自立支援選定ケース,
あるいは助長ケースなんかをケースとして取り上げて15年から取り組んできたというのは,
もうおっしゃるとおりでございまして,
これは特に生活保護を受けられている方の半分弱はもう高齢者世帯でございます。
これはもう過去からそういうことなんですが,最近は特にその他世帯ということで,
いわゆる働こうと思ったら働ける世代みたいなことですけれども,
そこらが非常にふえていると。そこを何とかしないといけないということでやっているわけでございます。
それも漫然とやっとったんではいけないんで,何か目標管理のようなものをやろうということで,
各区にも保護担当者に年度初めにそういうケースについて出してこいということで出させて,
それを年間通じて就職活動に向けていく,ひいては保護から脱却していただくように指導していくと,
こういう取り組みを15年度からやってきたということでございまして,
数字はおっしゃっていただいたとおりでございます。
ただ,金目ベースでいきましたら,
結局は今言っていただきましたように1,172ケースで974ケースが就労を開始し,
そのうち422ケースが最終的に保護から脱却されたということで,
お金ベースでいきましたら10億ないし11億弱の保護費の削減というんでしょうか,
いうことになってこようかと思います。
費用の方は何かということでございますけれども,1つは就労支援員──嘱託の方ですけれども,
15年に5人,16年に3人ということで,今8人いらっしゃるわけですけれども,
それの直接人件費は当然費用としてかかってございます。
あと,もちろん保護ですからたくさんの職員がそれの仕事に従事しておりまして,
そこらの評価をどうするかというのがあるんですけれども,そこらは評価してません,正直言って。
ただ,保護費ベースでは11億ぐらいの抑制効果が出たと,このように考えているわけでございまして,
就労支援員は本当にきめ細かな,もちろんハローワークとの仕事のつなぎということもあるんですが,
履歴書の書き方とか,あるいは面接の受け方──
模擬面接みたいなこともやって支援をしていっているということでございます。
今後もこれを続けてまいりたいと思ってますし,ハローワークはハローワークの方で,
その生活保護の皆さんに対する専用窓口のようなものを来年度は設けようと,
こういうお取り組みをしていただいているわけでございますんで,
その辺と両々相まって,自立に向けての支援をしてまいりたいと,このように考えております。
◯分科員(井坂信彦)
11億円の保護費の削減効果があったと。
コストの方は特に算定していないけれどもということでありました。
コストの算定は確かに厳密に出すのは難しいと思うんですけれども,
3人ないし8人の就労支援員さん,これは国費は国費ですけども,
就労支援員さんと,ケースワーカーさんがこれまでのお仕事に乗せて幾つかやってらっしゃるといったことで,
これ費用対効果が悪い政策では決してないというふうに私は思っております。
1回目にお聞きして,余りはっきりお答えいただけなかったのは,
何でもっと費用や人員を投入できないのか。もっとやれば,
もっと効果があるのではないかというふうに思うわけです。
それとも,もうこういったことをやる対象の人がもう頭打ちで,
これ以上,人やお金をつぎ込んでもこれ以上効果が上がらないのかどうか。
なぜこれ以上事業を拡大できないのかということですね。
生活保護のような,こういったセーフティーネットというのは,
落ちてきた人──表現は悪いですけど,落ちてきた人すべてを救うものであるべきだとは思う一方で,
そのネット,網にいつまでもその人をからめ捕ってていいと私は思わないんです。
やっぱり一休みしたら上に上れる人は,やっぱり上に送り返していくというのも,
セーフティーネットの重要な役割ではないかと思っておりまして,
生活保護受給者を今みたいにどんどんふやしていくことが本当の福祉なのかというふうに思うわけです。
やっぱり,働ける人──働ける人に限定しますけども,
働ける人は仕事についていただいて,それでお客さんに,ありがとうと言ってお金をもらう,
そういう暮らしに戻ってもらうというのだって,
それは本当の福祉なんじゃないかというふうに私は思っております。
だから,受給者がふえるのが嫌だといって間口を狭めるなんていうのは,本当に論外なんで,
そんなことは絶対にしたらいけないですけども,ただやっぱりその人生が山あり谷ありで,
ピンチにだれでも陥るときに,ちゃんとそこにネットがあって,
それでちゃんとだれでも生活保護が受けられると。同時に,出口政策という,
どうやってまた戻っていくのかという部分にも,
本当は私は入り口の部分と同じぐらい費用や人員をかけていただきたいと思う,
そういう思いで質問をしておりますので,なぜ拡大できないのかということについて,
もう少しお答えいただきたいと思います。
◯中村保健福祉局長
生活保護の問題につきましては,1,172件に対して100%ができているわけじゃないんです,
まだ残念ながら。ですから,現場のケースの中で,
頑張ったらいけそうなケースみたいなことで吸い上げていく。
もうどうにもならない人を目標管理してみてもちょっとしょうがないところもありますんで,
そういう中の選別でやっていってますんで,そういう目で見て,もっともっと数があるんであれば,
それについての取り組みというのは当然していくべきだと思ってまして,
そのことで支援員が要るようであれば,これも国の方にもお願いをして増員することについては,
全然やぶさかではないわけでございます。
生活保護の役割というものはおっしゃるとおりでございまして,
セーフティーネット──ただそのセーフーティーネットに安住して,
モラルハザードを起こすことのないように,やっぱり適正に運用していかなくちゃいけないと,
このように考えているわけでございます。
就労支援という意味ではそういうことでございますが,部長もご答弁申し上げましたように,
例えば長期入院患者の方についての退院支援といいますか,
そういうようなことにもやっぱり取り組んでいかなくちゃいけないと思っていまして,
保護費の中の半分強ですけど,医療の扶助でございまして,
しかも医療の中では多いのは精神障害の方が多いわけですけれども,
そういいながらも一般障害で1年以上も入院されているような方も結構おられるわけですね。
ちょっとよくわからないんですね,1年以上も一般障害で入院するというようなことが。
そういうところはやっぱりきちっと洗いながら,医療機関等と相談しながら,
退院する方がおっしゃるとおり社会で生きていっていただくのがいいわけですから,
そういうこともやっていく必要があろうかと思いますし,
入り口のところの対策云々というお話ですけれども,例えば年金受給の資格があるのに,
いろいろ長い人生を歩んできたら,いろんな場面で職場を変わったり何やして,
知らん間にも年金受給の問題がどっかに飛んでいっているみたいな話があるわけでございまして,
そこらもきっちりと調べるみたいなご支援の体制なんかもつくっていきたいと,
そういうことで頑張っていきたいと思っています。
◯分科員(井坂信彦)
前の予算委員会では抜ける際にあらゆる減免措置が外されて,
結果的に生活が苦しくなる実態があるじゃないかという議論をさせていただいたんですが,
やっぱり入りやすくて抜けやすい制度にしていかなければ,
その制度そのものがもたないのではないかというふうに私は思っておりますし,
今回,三位一体で国からああいう話が出たのも,
やっぱり財政的に支え切れないという1つの見通しがあるのではないかと思っておりますので,
ぜひ出口政策は制度を支える重要な柱だと思っておりますので,
きちんと取り組んでいただきたいと思います。