予算編成の分権化(総括質疑予算)

2005年03月16日

◯委員(井坂信彦) 
予算編成の分権化についてお伺いします。
予算委員会に先立ちます3月3日の本会議代表質問で高山議員に対する市長答弁は,
まとめると以下の3点であったと思います。
分権化をすると部局を超えて横断的に施策間の連携を図る調整機能が弱まるのではないか,
それから三位一体は地方財政計画の影響額を織り込む前に配分しなければならないデメリットがあるのである,
それから多額の借金に苦しむ神戸市では市長がやはり一元的に査定して
規律を保つべきではないかということでした。

部局を超えた横断的な仕事がもし多いのであれば,
それは施策ごとに枠配分をしてもよいというふうに考えます。
あるいは,枠配分をした後に国の都合で歳入総額が減らされるという昨今の状況には,
それに応じて枠を削ればよいのではないか。あらかじめ年末に枠を削る可能性があるということを
各部局に伝えておいて,各部局は自分たちの枠内で事業の
優先順位をつけておけば済むのではないかと考えております。
財政計画とそれから枠の総額さえしっかりしていれば,財政規律は乱れることはないというふうに思っております。

市長が本会議で答弁された分権化のデメリットというのは,
すべて先進自治体で解決済みのことではないかというふうに見ております。
神戸市の予算編成は確かに枠配分をしておりますが,行財政局に査定権が残されたままであります。
分権化はされておらず,見方によっては従来の予算要求方式に
要求額の上限枠が最初にはめられているだけという見方もできるのではないか。
分権化のメリットは,市長が答弁でおっしゃったように,各局が主体的に効率的・効果的な施策を展開し,
市民サービスが向上することが期待できる点であると思っております。

以上のことを踏まえまして総括で改めてお聞きしますが,
やはりさらなる予算編成の分権化ができないだろうかということについて
簡明にお答えをいただきたいと思います。

◯梶本助役 
包括予算制度についてお答えを申し上げます。
分権型の包括予算制度を導入することによって市民サービスの向上につなげたらどうか,
こういうご質問でございますけれども,
本市の財政は震災に伴う多額の市債発行による公債費の負担増などによりまして,
極めて厳しい状況にございます。

こういった中で限られた財源をどう有効に活用するか,また選択と集中によっての施策の立案,
さらには多岐にわたる市政課題への対応なり,行政経営方針に基づく抜本的な市政改革の推進,
こういった点について総力を挙げて進めていかなければならない,このように考えております。

こういった状況の中では施策の予算化や見直しにおける施策間の連携と整合性の確保,
また部局を超えた横断的な調整が必要でございまして,そういった中で市長の指示のもとに,
管理部局が査定権等を根拠として一元的に行うことはより有効である,このように考えております。

また,予算編成の時期の関連でございますけれども,この制度を導入した他都市の実例では,
6月ごろに全体の予算要求枠を配分しておるために,年末に確定します政府予算案,
例えば最近ですと三位一体の改革なりあるいは地方財政計画等,こういった政府予算案による影響,
あるいはまたこの間の経済情勢の変化に伴う市税収入の急激な減少など,
財政状況の大きな変動があった場合の対応に苦慮している状況にございます。

そのため他都市に比べまして財源対策手段が極めて限られている本市では,
年末等に大きな財政変動が生じた場合,体系だった予算編成ができなくなるおそれがあり,
大変その際に市民生活へ大きな影響を与えられることにならないか,
こういった点で大変危惧するところでございます。

全国的に包括予算制度を導入しているということをお聞きいたしておりますけれども,
これは今のはやりでございまして,導入した各都市へヒアリングをした結果におきましては,
対外的に効果なり,言われておりますような広報されているほどの
効果が上がっているかどうか疑問だということで,実態的には試行錯誤を繰り返しているんではないか,
こういった感もございまして,かえってこれを導入した都市におきましては,
予算編成の際等におきまして残業時間が増加したところもございますし,
また特に事務事業評価等との連携も手探りといった状況にあるということをお聞きいたしております。
 
ご指摘のように確かに予算編成手法につきましては普遍的なものはございませんで,
また決してこの包括予算制度の意義なり効果を否定しているものではございませんけれども,
本市の現状におきましては現行の予算手法,これも一種の包括予算制度と考えてもいいんかもわかりませんが,
枠配分と一件査定の併用,こういった形の予算編成手法が一番適しているんではないかと思っておりまして,
そういったことで今後とも本市のこういった現状に即した最善の
予算編成手法につきまして常に模索をしてまいりたい,このように考えております。
 
◯委員(井坂信彦)
予算編成についてなんですけれども,
助役,多分3月3日の市長の答弁書をまたそのまま読まれたん違うかと思うぐらい,
私が先ほど申し上げた反論に一切答えておられませんが,要は先ほどおっしゃった3つのことは,
他都市でいろいろ工夫してそれなりに解決しているということなんです。
それを踏まえて,なお分権しないのか。
包括配分はしていても最後の決定権をだれが持っているのかというのが分権の一番根っこのところですから,
どういう分け方をしようが,最後に現場が責任を持って決めるのか,
それとも市長がやはりある程度査定権を持つのかというところは,そこは大きな違いがあると思います。
 
というのは,私,3年前の予算の本会議で,
やる気についてというテーマで全く同じような趣旨の質問を本会議でさせていただいております。
やっぱり政策立案部局と事業部局をしっかり分けて事業部局に決定権を移していくべきじゃないか,
立案部局はこれこれの課題を設定して,そしてそれができたかどうかの評価をしていく,
そういうあり方がやる気を引き出すのではないかというふうに私はそのときから思っておりますので,
やる気を引き出す,そういう観点で分権──決定権を最後どこが持つのかということについて,
ちょっともう1度お考えをお聞かせいただきたい。現状の制度がすべてあかんとは言わないですよ。

分権化に進んでいる過程であるというふうにも私は見ておりますけれども,
さらに進められないかという観点で質問をしておりますので,お答えいただきたいと思います。


◯矢田市長
これはもうご案内でございますけれども,実は震災後──震災前からもそうでございますけれども,
非常に財政的に逼迫をしております状況の中ではやはり政策の選択,
あるいは事業そのものの選択というものが非常に重要でございます。
そういう意味で,私は就任後すぐに実は経常予算という──
本来これは政策予算の分野でございますけれども,
手法的に経常という位置づけでしておったわけでございますけれども,
この予算をすべて総洗いするということでやりました。この結果,
実は大きなシーリングを行ったわけでございます。それから,
臨時の事業等についても,そういった点ではすべて点検をするということで政策懇談会等を催しまして,
その中で政策方向を絞り込むという作業もやってございます。
 
そして,もう1つは手法,まさにテクニックでございますけれども,
財源充当というふうな考え方──各局に配分した場合に財源充当という考え方も出てまいります。
ということは事業として組み立てをする場合に自己の局の中で財源を生み出すんで,
それに対して事業を構成したいというふうな要求が出てきましたときに,
これについてはやはり相当判断を加えないことには全市的な対応ができないという点もございます。
 
それから,もう1つ申し上げておきたいと思いますのは,
さっき政策部局と事業部局とおっしゃいましたが,
そういう部分だけではございませんで,
実は私は地域主体のまちづくりが大変重要だというふうに申し上げまして,
就任以来区の予算を倍にするということをまずやらせていただきました。

区の予算を倍にするということは市民の皆さんのいろんな話し合いをしていただく中から,
区の中でそういう区長と市民との話し合いをしていただく中で
組み立てを図っていくという1つの個性また特性を出していただく
内容もその中に含んでおるわけでございまして,
そういう点から私はやはりこういう1つの例として申し上げますと,
区の予算なんかはいわば包括予算というふうにむしろ
位置づけた方がいいんかなというふうに思っておりますが,
その場合でもそれはやはり査定が入っておるんじゃないかというふうに言われると思います。
 
しかし,私は今の段階で区の予算を編成していく際の作業としましては,
本当に区の方の自主性を尊重して,そしてその中から区の予算としての
位置づけというものをやっておるわけでありますけれども,
これはまさに地域地域の特性をどのように反映していくのか,
そしてまた区と各事業主体──事業体との局とどう連携をさせていくのかということも
含めてやっていただいてますんで,それは我々が別に指示をしておりません。

むしろそういう提案があればそれに対して,それは非常にいい方向でございますんで,
口を挟む余地というものはないというふうにお考えいただいたらと思います。

ただ,財政が非常に厳しいわけでございますんで,例えば重点政策枠というものを 176,
ことしは組みました。
事業費にして大体 175億ほどでございますけれども,
財源は60億別枠で,本当に絞り出してやっておりまして,
そこからまた不足の財源対策をしておるわけでありますけれども,
そういう政策重点枠をやっぱり考えていくとすれば,
これは各局にすべてを任してしまったんではできません。
そういう中でやはり何が今は大事かということを重点的に考えていく場が必要だという点から,
私はこういう今のやり方が必要だというふうに考えておりまして,神戸は前も申し上げましたけれども,
実は枠配分ということは全国に先駆けて,昭和40年代の前半に既にこの発想を取り入れております。
その中から,営々とこういった作業を今までしておったのをやめまして,
自主性のある配分方式に変えてきた,そういう経緯もございますんで,
そういった点もあわせてご理解をいただけたらというふうに思います。

 
◯委員(井坂信彦) 
予算案の編成の方針についてなんですけれども,市長は各区に対して今やっておられることを,
私はもっと庁内にも広げられないかというふうに思うわけです。
それは区長を一定信頼して,区で住民と一緒に話し合われた,
そういう方針をある種信頼してやっておられることだと思いますので,
それは庁内でやってできないことではないのではないかというのが私の質問の趣旨なんですね。

もし仮にそういうことができないと市長が思われるんであれば,
それはやっぱり庁内のトップにそういう能力がないということにもなってしまうのではないか。
もしそんなことはないんだということなんであれば,
やはりこれは分権したっていけるんではないかというふうに思うわけです。
 
市長の本当の仕事というのは,やっぱり本当に能力のある人材を見出し,
あるいは育てて,そしてそこに一定の権限と責任を与えていく,
そしてやる気と主体性を引き出して,トータルとして組織全体の成果──
パフォーマンスを上げていくというのが市長の仕事だと思いますので,
庁内のことに関してもやはり事業や施策レベルの査定権を市長が握り続けることが
本当にいいことなのかどうかというふうな,その点だけ最後お聞きしたいと思います。


◯矢田市長 
まず,私は今の財政状況のもとで現状のやり方というものは
やむを得ないというふうに実は思っておりますし,
ただそういう中で今おっしゃいました庁内トップにそれだけの
信頼を置いてないんかという話でございますが,とんでもございません。
これはもう大変な能力のある人材をそろえて今やっておるわけでございますんで,
そういうことは考えもしていませんし,またそんなことも思いもしません。

そういう中でやはり今のこの時期を乗り越えていくのにどうかという点に関して言えば,
今の予算のやり方が一番いいんではないかというふうに思っておるということを
申し上げておるわけでございます。


◯委員(井坂信彦) 
西武グループの堤さんの生い立ちをテレビでやっていたんですけれども,あの方は完全なワンマン経営者で新しいリゾートホテルができると,売店の棚の位置までチェックしに行く。私は,やっぱりそれは何かリーダーの仕事としてどうなんかなと思っておりまして,人が育たないじゃないかというふうに思うんです。人を育てる,そのために権限と責任を譲っていくという,そういう観点でやはり分権化に取り組んでいただきたいということだけ申し上げて,終わりにいたします。

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