2004年10月01日
◯委員(井坂信彦)
新中央市民病院基本構想の中に,新築・移転の場合と,
それから現地で改修する場合の神戸市が行ったシミュレーションが載っています。
建設工事や医療機器を含めて新築の場合は 387億円,土地代を除いてかかる。改修の場合も 346億円もかかる。
ここに書いてある改修のプランは利用するすべての床面積を改修するという前提でお金が計算されています。
構造体,いわば外枠だけ残して,すべての床を改修するという話であれば,
それはもう新築・移転に近い費用がかかるのは,私は当然ではないかというふうに感じたわけです。
市民病院にも実際足を運びまして,縦に各階を貫いている配管スペースですとか,
あるいは地下の機械室,それから中2階・中4階のいわゆる設備階というものを見せていただきました。
確かに配管全体が老朽化しており,
これを全面的に取りかえたいという設備担当者の方のご意見にはうなずけるものがありました。
ここからが問題なんですけれども,土地代を入れれば恐らく 500億円かかる新築・移転でありますとか,
あるいは神戸市がシミュレーションをした,
350億円もかけて現地ですべての床を改修するという改修プランだけでなく,
150億円から 200億円程度で,配管設備の総取りかえと,そして優先順位をつけた幾つかの機能転換,
そういうふうに絞ったプランはこれはなぜ検討をしなかったのかどうか。
それから,財政状況や他の政策とのバランスを考えても,
こうした現実的なプランは十分検討に値すると思うわけですが,
どうだったのかということについてお聞きしたいと思います。
◯梶本助役
基本構想案の検討に当たりましては,将来の医療の姿を踏まえた医療機能の具体化・明確化が重要である,
こういった懇話会の報告書の指摘を踏まえまして,
21世紀の基幹病院に必要な機能を第一として検討を行ったところでございます。
地域の中核病院の整備が進んだこともありまして,中央市民病院は近年外来患者数の減少,
あるいは病床利用率の低下傾向が続いております。
21世紀においても,中央市民病院が市内の基幹病院であり続けるためには,
地域の医療機関では提供できないような質の高い医療を提供し続けていくことが大切でございますし,
また患者が病院を選ぶ時代にありまして,
患者に選ばれる新たな魅力を備えた病院であることが必要不可欠だと,このように認識をいたしております。
ご指摘のような現地改修ということになりますと,移転・新築との比較におきましては,
部分改修では機能改善あるいは効率的配置に限界がある,
こういったようなことから全面改修が妥当であると判断したところでございます。
また,加えましてこの一部改修案では,改修後引き続き劣化をした設備類等への再投資が必要になりまして,
一定の期間での投資額から見てまいりますと,かえって非効率になるんではないか,
このように認識をいたしております。
また,懇話会の報告書でも,投資額の多寡を論じるに当たっては,
一時期に生ずる額に着目するのではなく,一定の時間軸においてその期間中に生じる全体経費を見ること,
また現施設を活用する場合には診療行為の制限による収益の減少なり,
あるいは収支への影響なども総合的に見て判断していく必要がある,
こういった報告をいただいておるところでございます。
このような前提に立ちまして,移転・新築案か現地改修案か比較・検討するに当たりまして,
1つはこういった財政的な問題だけではなくて,医療機能の改善をどう図っていくか,
また先端医療センターとの連携をどう図っていけるか,さらには患者の利便性を大きく損なわないか,
こういった観点から総合的に判断をいたしまして,
ポートアイランド2期の先端医療センター北側隣接地へ移転・新築することが妥当である,
このように考えた次第でございます。
中央市民病院は,24時間・ 365日,市民の生命と健康を守る最後のとりででございまして,
財政状況が厳しいとは言いましても,必要な整備を先送りするわけにはいかないと考えております。
現病院開院後30年となります平成22年度の開院を目標に,
21世紀にふさわしい機能を備えた病院を実現できるように努めてまいりたい,このように思っております。
◯委員(井坂信彦)
中央市民病院のことに関しましては,配管設備を取りかえなければいけないとか,
新しいニーズに対応するために機能転換が必要だというのはわかるんですけれども,
それがなぜ一足飛びに 100点満点の病院をゼロから新しくつくるという,
そういう話になってしまうのかというのが私が思っていることなんです。
コストダウンの努力というのは全く見られないですし──神戸市が今お金持ちだったら,
こういうことをやったらいいと思うんですよ。
このプラン自体,私は別に否定しないですけれども,
やはりお金があるときとないときに応じて,それは今やりたいことをやれてない神戸市の状況で,
福祉のいろんな補助金とかもどんどん切っていっている。
私は,それはこういうときに選択していかなければ仕方ないなという立場で反対しないことが多いですよ。
それなのに何でこの病院に関してはお金満額突っ込んで, 100%やりたいことは全部満たせる,
満足度アンケートの答えを全部満たすような,そういう病院をつくろうという話になるのか。
病院の,保健福祉局長とお話ししていて思ったのは,これは結局価値観の問題だろうと,
どこにお金を突っ込んで,どこを絞るかという政策選択の問題であろうと思ったから,
市長のそういう価値観をお聞きしたいと思って,きょうこの場に持ってきたんですけれども,
それはやっぱりそういうことなのかと,病院を新しくゼロから満額お金突っ込んでつくるのが,
これが今の矢田市長の価値観ということかということです。
ほかの福祉のいろんな補助金の見直しを私は必要だと思うけれども,
それはぎちぎちやっていって,
あるいは職員さんの手当の削減とかぎしぎしやっていって一方でこっちには満額突っ込むという,
そういう価値観なのかということについてお聞きしたいと思います。
◯矢田市長
今病院の建てかえという状況になっておる背景に,実は私が保健福祉局長をしておりましたときに,
既に病院の配管系統の大きな問題がございました。
その時点で既に何度も何度も,
現地建てかえ改修というようなものがもし必要であればどんなことが想定できるのか,
当時の笹山市長からいろんな案を一遍検討しろと言われて,検討したことがございます。
それを検討していく中で非常に大きなネックになりましたのは,
まず大規模な仮設の病舎・病棟が必要である,
それに伴いまして工事をしていく際の患者の環境という問題も非常に大きな障害が出てくる,
そして実際にそこで 1,000床の病院としての機能というものが
全部発揮できないという状態もあるということもいろいろ出てまいりました。
特にそういう中で,しかし何かいい方法はないかということまで詰めていったわけでございますけれども,
この経費等を比較していきますと,
その当時でその場所にもし新築をした場合とそれから
改修した場合というようなことまで実は検討いたしましたが,
本当にこれは額的には大変だし期間も長いということで,
市民の命とか健康という問題に対して対応できるのかなというふうな経緯が実はございました。
そんなことを踏まえながら,今回におけるこういった提言をいただく中で,
やはり新しい21世紀の病院の形態として,
あらゆる機能を持ちながら基幹病院としての機能も果たしていくということが
重要だということをもって提言もいただきましたんで,
そういう方向でやはり今やっておかなければ,
今後の大きな禍根を残すことにならないかということが1つの大きな要素でございます。