2004年07月02日
◯2番(井坂信彦君)
見守り推進員の給与の実態についてです。
この件は,私に情報提供をしてくださった社会福祉法人の
事務職員さんがたまたま証拠として持ってこられたのが,
見守り推進員の給与明細その他内部書類だったというだけでありまして,
見守り推進員に限らず多くの福祉職がこのような
実態にあるのではないかと考えております。
市内77名の見守り推進員に対して,
神戸市は1人当たり 400万円の予算を計上し,社会福祉協議会──
いわゆる社協を通じてそれぞれの社会福祉法人に支払っています。
神戸市と社協との間で交わされた事業委託契約書を見れば,
400万円のうち人件費 350万円,活動費50万円と明記されています。
ところが,実際の現場で働く見守り推進員が受け取っている
給与の額面は 350万円に満たないどころか,
その半額程度に抑えられているケースが多いようです。
これを民間企業としての社会福祉法人の経営努力であると,
黙認するには予算の数字及び契約書の数字と賃金実態が
余りにもかけ離れ過ぎているのではないでしょうか。
そもそも神戸市が予算に1人 400万円と計上したのには根拠があったはずです。
1月当たり50件の仕事を抱えるケアマネジャーと同等の給与として
400万円という数字がはじき出され, 400万円に見合うだけの
知識・経験・熱意を持った人材を見守り推進員として雇うという趣旨だと,
市役所の担当者の方にお聞きしました。
400万円ないし 350万円で見守り推進員を雇ってサービスを
提供しようという神戸市側の政策的なねらいが,
現場では全く実現されていないのではないでしょうか。
質問ですけれども,神戸市が人件費という名目で投入した金額と,
現場で実際に支払われる賃金に大きな開きがある現状,
社会福祉法人が結果的に──言葉は悪いですが,
ピンはねというような現状についてどう考えておられるのか,
お聞きをいたします。
◯保健福祉局長(中村三郎君)
見守り推進員は,平成13年度から地域で見守りができる
コミュニティづくりの支援をするために,
全市のあんすこセンターに配置をしてきたわけでございます。
見守り推進員の主たる業務でございますけれども,
友愛訪問グループの結成支援などいわゆる地域で見守りの
受け皿づくりを行うとともに,定期的な小地域見守り連絡会の開催,
単身高齢者の実態把握,ふれあい給食や高齢者生活情報の提供などの
地域見守り活動の支援を行っておりまして,
訪問活動は痴呆をお持ちの方あるいはアルコール依存症などのために,
地域の住民による見守りが困難な世帯に対して行っているところでございます。
なお,これら見守り推進業務につきましては,
見守り推進員のみで行っているものではなく,
あんしんすこやかセンターのスタッフと一体となって
行っているものでございまして,委託料 400万円はこれらの
一連の業務に対しての委託料である,このように考えているところでございます。
具体の見守り推進員の人件費につきましては,各法人それぞれの給与規程や配置されている推進員の経験年数等で異なるので,一律の単価とはならないわけでございます。
委託は,神戸市から区の社協の方に一括して委託をしておりまして,各区社協から各あんしんすこやかセンターを受託しております法人に再委託をしている,こういう形で進めさせていただいております。
それぞれの法人からの実績でございますけれども,
毎年度末に区社協に実績を報告されております。その内容は,
人件費・活動費についてその内訳及び見守り推進員の
活動状況が報告されておりまして,
区社協でその実態を把握していると考えております。
区社協では報告の内容をチェックした上で,
委託の実績額 400万円以下の場合はその残余額を
精算として返していただいている,
また 400万円を超えている場合につきましては 400万円でもって打ち切りと,
こういう形でやらせていただいているということでございます。
◯2番(井坂信彦君)
人件費の設定は社会福祉法人さんの自由であるということなんですけれども,
そうなると私は矛盾を感じるのは,
予算計上した 400万円という金額の根拠はどこへ飛んでしまうのかということ,
あるいは社協との契約書にはっきりと明記されている
350万円の人件費と50万円の活動費とわざわざ線引きしてある,
あれは何なのかという疑問を感じますので,人件費の設定──
確かに民間に委託するということで余り使い道をぎちぎちに縛ってしまうと,
民間委託の自由度が失われてよさがなくなるという面はあるんですが,
かといって今みたいにほとんどノールールということであると,
やはり補助金・委託料の出し方として問題ではないかというふうに感じるわけです。
それから,あともう1点,
報告書は社協がチェックしているというふうにおっしゃいましたけれども,
私はやはりそれでは甘いのではないかと。
ある施設ですと,神戸市がやっている定例監査の前になると,
あらかじめ日にちがわかっていますから,
事務員さんが総出で書類をつくり直しているという
法人もあるように聞いておりますし,
監査が形骸化をして意味をなしていないのではないかと,
あるいは報告書も本当に払っている賃金と同じ金額が
社協に上がる報告書に書かれているのかどうかという
数々の疑問がありますので,抜き打ち監査をふやすとか,
活動費の領収書添付や源泉徴収票チェック,
それから委託料が神戸市のねらいどおりにちゃんと
使われているかどうかという確認が,私はやはり神戸市としても必要だと考えます。
その点についてお答えをいただきたいと思います。
◯保健福祉局長(中村三郎君)
委託契約書によりますと,
推進員の資格としては次のような要件を備える方を推進員として
雇ってほしいというふうにして仕様書で規定してございまして,
見守り推進員は看護や福祉の専門的な知識・経験を有し,
見守り活動に熱意のある者で,次の要件に該当するものを選任してください。
次の要件といいますのは,
1つは看護師・保健師・介護福祉士・社会福祉士等の有資格者であること,
または高齢者福祉の現場等を経験した者で,
上記に──上記にというのは看護師等ですが,
相当すると認められる実務経験を有する者,
こういう方を推進員として雇っていただきたい,
こういうことで委託をお願いしているわけでございまして,
確かにお金で 400万で人件費が 350万,一応概算人件費 350万,
活動費50万と,こういう感じで規定はしておりますけれども,
最初のご答弁で申し上げましたように,
具体の推進員の人件費等につきましては,
それぞれの法人の給与規程ですとか経験年数ですとか,
そういうものによって違ってくる,
こういうものはもう否めないんではないか,このように考えております。
あと,そこいらの執行管理につきまして,
市の方でも抜き打ち的な監査のようなことをやるべきでないかという
ご質問・ご意見でございますけれども,
もともとこういう委託業務と申しますのは,
議員も今少しおっしゃいましたように,
もともと事務の性質というのが客観的な数値ですとか,
いろんな客観的な基準でもってなかなか定めにくいような場合について,
相手方の知識ですとか経験ですとかあるいは才能ですとか,
そういうものを一定の信頼の前提に置いた上で業務をお願いしている,
こういうことだろうと理解をしているわけでございます。
本件の業務の執行に当たりましては,毎月各区社協の方が
区内の推進員さんを集めていただきまして,
連絡会議なんかを開催しながら1カ月の事業の報告ですとか
進捗状況の管理,あるいはお互いの情報交換,
そういうものを毎月のようにやりながら進めているということでございますんで,
きちっとしたこれの執行につきましての把握も区社協の方で
十分行われているんではないか,このように理解をしているところでございます。
以上です。
◯2番(井坂信彦君)
今回見守り推進員の給与実態という個別案件のようにも見える問題を
本会議で取り上げましたのは,これからまさに指定管理者制度という形で
施設運営の委託が爆発的にふえるわけですね。
人件費以外にもし多額の間接経費が施設運営上必要になるということが
予想されるのであれば,最初からそのような配分で
委託契約を結ぶべきではないかというふうに思いますし,
逆に性能発注というような最終的なサービスレベルを
細かく規定してというやり方もあるわけですから,
信頼ベースで社協がチェックしているから大丈夫だとか,
そういう話では,私は内部告発があったからここでお話ししているわけであって,
大丈夫だろうなんて言ってそこから先調べないんだったら,
委託料を出している側の責任を全うしていないと私は思いますので,
これは──それがやっぱりこれからいろいろなことを委託していった後に
役所として残る仕事ではないかなと思っております。
きっちりやっていただきたいと思います。