地下鉄海岸線の需要予測のまずさ(地下鉄予算)

2004年03月15日

◯分科員(井坂信彦)
地下鉄海岸線の需要予測のことについてお伺いいたします。
 
なぜ,開業して2年半たった今こんな質問かというふうにも思われるかもしれないのですが,
実は私は2001年12月の開業直後の本会議でも同じ趣旨の質問をさせていただきまして,
なぜ予測がこんなに外れてしまったのかと,何でこんな予測になったのかという,
そういう質問をさせていただいたのですが,そのときの局長さんのご答弁というのが,
インナー対策の起爆剤として需要を喚起していくと,新たにお客様をつくっていくような,
そういう地下鉄なのだというお話で,定期の利用者も順調に増えているしと,
あるいは浜山地区ですとか新長田地区がどんどん住宅が今後ふえていって,
ウイングスタジアムもできてと,これから増えていくのだというお話で,
当時は余り明快なお答えをされなかったものですから。

しかし,開業から2年半たった今ですね,未だにやはり乗客が4万人にも達しないという
現状を素直に見るときに,これは沿線のプロジェクトやあるいは今の交通局の皆さんが
乗客をふやす対策が足りないとか,そういう問題ではなくて,
やはりあの需要予測計算そのものに非常に大きな問題があったと考えるのが
自然ではないかと思うわけですが,あの需要予測計算が一体どうだったのかということについて,
お伺いいたしたいと思います

◯松田交通局長
これにつきまして先ほどちょっとご指摘ございましたが,
当初平成4年度の需要予測の前提でございます平成13年度の常住人口というのが,
阪神大震災の影響によりまして12年の見直し時点では 149万人ということで,
当初想定をいたしておりました 160万人を下回ってございました。また,
従業人口も70万人ということで,当初想定をしました76万人を下回っておったと,
こういうことでございます。

その他,当初,海岸線の開業時に,ほぼ完成予定でありました沿線プロジェクトが,
現実に大半が開業時においては未完成であったと。
そういうふうに,今申しました当初想定をしておりました
需要予測の前提条件が変化をしてきたという中で,
平成12年に海岸線開業時の需要予測を再度行ったと,こういうことでございます。
 
で,見直し時点では,景気の動向指数とか鉱工業の生産額が増加をすると,
平成11年から12年にかけましては,全国・兵庫県とも,
例えば鉱工業の生産額の推移を見ていきますと,
逆にプラス傾向を示しておったというふうな状況が当時ございました。

長期化していた平成不況の終えんを予測されるような,そういう明るいと申しますか,
一定の上向きの傾向材料が見られたと,そういう状況でございました。
そのために,当時といたしましては,免許時に採用いたしましたモデルとか
プログラムをつくりましてですね,常住人口などの最新のデータに置きかえて
需要予測を行ったということの結果といたしまして,8万人という予測になったという状況でございます。
 
ご承知のように,その後,景気の動向等,ご承知のような状況が現在まで続いてきており,
不況も一層深刻になってきたという状況が今に至る状況でございます。
地価の状況もそうでございますし,付近の地域の,
いわゆる土地の利用のされ方というふうな状況についてもご承知のとおりでございまして,
一方,他の鉄道事業者もやはり──関東方面では最近乗客動向はプラス傾向,
若干持ち直しの傾向が非常に出てきておるというふうに聞いておりますが,
関西も下げ幅はとまっておる事業者はあると聞いてございますが,
なかなかまだプラスという上向きのところまで出ておるのはごく限られた
一部の鉄道事業者のみに限られるというふうなことでございまして,我々としましては,
不況あるいはその当時予定をしておりましたプロジェクト等の進捗の状況,
その他,いわゆる地下鉄を取り巻く状況以外の一般的な日本全国の中の厳しい状況等,
いずれも当時,予測値を上回るような,そういう事情があったということで,
結果的に予測時と乖離している原因というふうに考えてございます。
 
いずれにしましても,さっき申しましたように,海岸線の乗客増対策というのは,
今後とも力を緩めることなく,努力を我々としてもやっていくべき
大きな課題であろうという認識もやってございますし,当然そういう取り組みもしてまいりたいと,
このように思ってございます。

◯分科員(井坂信彦)
海岸線の需要予測で工業生産額が上向きになるだろうという,当時の数字を入れたとかですね,
確かにいろいろ理由はあると思うのですけれども,それにしても当初の13万人はいいですけれども,
開業直前に8万人になるだろうとやった予測が私は非常に問題だと思っておりまして,
それが多少の読み違いとか景気の動向で,何ぼ当てが外れるといってもですね,
8万人と言ったのが例えば6万 8,000人とか,そういうことならわかるのですよ。

それで,この間2年半に 5,000人ふえましたということならまだわかるのですが,
たった1年やそこら先の予測が,何で8万と言っていたのが当初3万 4,000人だったのかと,
そしてその後伸びると言ったって,そんなの2年半で 5,000人ですから,
これがもし順調に伸びているとおっしゃるのであれば,これは本当に8万人になるのには,
あと20年ぐらいかかるわけですよね,今が順調だとするならば。

やっぱり私は今の乗客増対策がいけないとか言っているのではなくて,
当初の,特に8万人と出した予測が根本から間違っていたのではないかという観点でお聞きしているのです。
 
だから,今,乗客増対策は一生懸命やってくださっていると思いますし,
私はそれは全然否定しないでやっていただきたいと思いますけれども,
ただ,むしろ気の毒だなと思うのは,8万人という間違った予測のツケというか,
しりぬぐいを今の職員さんがさせられているのではないかというふうにも私には見えますので,
その需要予測そのものを,きちんと何が根本的に間違っていたのかということを内部で検討して,
次に交通局あるいはほかの局でそういう需要予測するときに同じ間違いをしないようにと,
将来に役立てていただかないといけないというふうに思うわけですが,
一体何で8万人と思っていたのが3万 4,000人だったのか,それを別に謝罪しろとか,
そういうことを言っているわけじゃないですから,どう分析しておられるのか,理由を。
そのことについてお聞きしたいと思います。

◯松田交通局長
ご指摘のように乖離が,現実に8万人が──若干昨年の10月等イベントがありましたときは,
月平均が4万数千人を超えた月もございました──あったわけでございますが,
トータルやはりまだ3万人台でございました。先週の土曜日のサッカーがございましたが,
ああいうイベントがございますと,やはりご利用のお客様の数はふえるわけでございますが,
なかなか当初の想定に追いつくまでには至っていないという状況でございます。
 
で,この辺の乖離の条件が間違っていたのではないかということでございますが,
先ほど申しましたようにですね,私どもといたしましては,当初想定,
それからそのときの状況に応じてのいわゆる開業時点での見直しというのは,
一定の基準を設けてのルールの中での1つの適切な見直しではなかったかと,こう思ってございます。
 
ただ,結果といたしましてこれだけ差が出てきておりますので,
我々としてはやはりこれをどうしていくかというのが一番の課題でございますし,
これは単に我々交通局だけの問題ではなしにですね,
全市的にも庁内プロジェクトをつくっていただきまして,
トータルとしてこの海岸線沿線の活性化も含めました,
いわゆる需要予測に応じた対応を図るいろんな努力を
やはり各局を挙げてやっていただいておるというふうにも思っておりますので,
我々としても引き続いての努力をしていきたいと,このように思ってございます。

◯分科員(井坂信彦)
地下鉄海岸線,やっぱり今,交通局の赤字が77億円のうちに,
結局海岸線の赤字が88億円あるわけです。だから,いろいろリストラされていますけれども,
私やっぱり主な原因はここだというふうに思っていますから,
何か妥当であったと言われると非常に違和感がありますね。
今後また同じことが起こってしまうのではないかという心配をしております。

カテゴリー:

いさか議事録

テーマ:

関連記事




このページの上へ