長期見通しで計画策定(第1回定例市会)

2004年03月04日

◯2番(井坂信彦君) 
神戸市の人口それから財政の長期見通しについてです。
 
昨年末に突然出されました行政経営方針では,
2010年までに職員数を 3,000人削減,
そして市債を 5,000億円減らすと書いております。

神戸市が現状持っている財政の見通しは,
実は平成17年までのものしかないわけで, 3,000人や 5,000億円という数字は,
私はこれは根拠があるのだろうかと──
これだけやれば将来にわたって神戸市の財政は安定しますよという数字よりは,
出来そうな範囲の数字をとりあえず
宣言したというものではないかというふうに感じております。
 
一方神戸市の将来人口についてですけれども,
マスタープランでは2010年に 170万人ということになっています。
一方昨年の12月に発表されました国立社会保障・人口問題研究所の
市区町村別将来推計人口というデータを見ますと,
神戸市の場合は2010年に 151万人,そして2030年には 141万人と,
これが国の推計です。
 
既に人口減少が始まっている自治体も多いわけですが,
神戸市でもいよいよあと数年で人口減少が始まることが予想されております。
 
そこで,質問なのですが,やはりこういう現実的な人口将来推計と,
そしてもちろん国の財政の状態もありますが,そういった現状を踏まえつつ,
20年先までの財政見通しを今立てるべきではないか,
そして現実的な長期見通しで明らかになる右肩下がりの時代を直視して,
財政規模・職員規模そして市債の残高をどう収束させていくのかについて
お伺いしたいと思います。

◯市長(矢田立郎君) 
行政経営方針で申し上げております
3,000人の削減という点につきましてでありますが,
これにつきましては昨日にもご答弁で申し上げておりますけれども,
市民のサービスを低下することなく,
そしてその中で今までに市の中でやってきた業務について,
これが地域あるいはNPOまた民間というふうな形で民営化等ができないか,
あるいは民間委託ができないか等々の対策を考えながら,
2010年までに対応を考えていきたいということで,
現在それらについての取り組みについて各局で今作業をしておる,
そしてそれを計画として早い時期に策定をいたしたいというふうに
申し上げておるわけでございます。
 
また,公債の 5,000億の残高につきましては,これも再度申し上げますと,
この中身でございますけれども,このうち 3,000億は復興基金の
借り入れ分でございます。

平成17年には復興基金の借り入れた分は返還をするという
前提で来ておるわけでございますから,それに対しての対応と,
そして残ります 5,000億から 3,000億を引いた 2,000億,
これを2010年までに残高を減らしていくことによって
起債制限団体からの枠を取り外していきたい,
そうしないことには長期にわたって神戸のまちの状況というものがなかなか,
足かせが絡むことによって十分な対応ができないということも考えられますので,
そういうことでない足に,
将来においてやはりまちづくりというものに結びつけていけるような
体制をとっていくべきだという点からも申し上げておる次第でございます。
 
そういった点もご理解いただきながら,ただいまの質問に対して
ご答弁を申し上げたいと思います。
 
財政の収支見通しにつきましては,過去にこういった推計を行ってきておりますが,
20年というふうな長期にわたるものはやってございません。

例えば平成14年に3カ年の推計をいたしまして発表させていただきましたが,
これは平成17年までの3カ年ということでございました。
これは単年度約 400億円の不足というものが考えられる,
そして3カ年で約 1,200億円収支不足が発生するだろう,
こういうことをお示ししたわけでございます。
 
しかし,現状のような経済の状況あるいは
地価の動向というようなものを考えましたときに,
非常にこのあたりの見きわめが難しい点もございます。
 
そういうことから,20年先までの長期収支の見通しを
推計するということになりますと,
要因として先ほどご指摘がありましたような
人口問題研究所の人口の変化というふうなもの,
あるいは高齢化の状況とかさまざまな要素が出てくることは確かでございますが,
そういった指数を使いながらやりましても,
そういったデータだけで果たして処理ができるのか,
この10年間眺めただけでも日本の国の経済そのものが果たして
それ以前の状態のときに,このような状態というものが本当に
推定されておったのか,
例えば神戸の場合にはああいった大震災というものが
想定できたのかというようなこともあろうかと思います。
 
そういうようなことを考えましたときに,
やはり20年という状況の中で財政需要とかあるいは
市税収入を見積もるということにつきましては,
大変現状困難ではないかなと思っております。
 
国がこの5年間で構造改革と経済財政の中期展望ということで
言っておりますが,これにつきましては,
将来展望には種々の不確実性を伴うために相当の幅を持って
理解されるべきであるというふうに言われております。

そして,さらに長期の景気動向を予測することは困難だ,
こういうふうに言われております。
 
そういう中で地方財政につきましては,国の税制改正の問題とか,
あるいは地方制度の改革であるとか,あるいは国庫補助制度の変更──
これは三位一体改革等でもそういう中身があるわけでございますが,
そのほかに地方分権の推進ということから事務移譲などが起こってくる場合,
大変大きな影響が出てくるというふうに言わざるを得ないと思います。
 
そういった点等を踏まえて勘案しますと,20年先までのかなり
確実性の高い長期収支見通しということを推計することは
大変困難ではないかというふうに思います。
 
しかし,そのようなことを──20年先を言っておるわけじゃございませんが,
短期の取り組みについてどうなのかという点については,
常にやはり考えておかなければいけない状況であろうと思っております。
 
そういう点で短期的な時点における財政収支の見通しというものを,
可能な範囲で検証しながら進んでいく,そしてそれが実際にどのように
取り組んでいくのかということが必要であると思っております。
 
今回のように突然の──いわば突然という言葉が適切かどうかあれでございますが,
まさに予算の編成に入った段階で,三位一体改革の中で地方交付税の変更,
そして臨時財政対策債の対応というようなものが出てまいりましたというふうに
申し上げております。
 
そういうようなことが起こってまいりますと,
なかなかやはりこれに対する対応というものがもう神戸市の場合には,
あの大震災以降ぎりぎりの中で行財政改善を立て続けに取り組み,
そしてその中でスリムな形態にしていくことを1つの
目標としながらやってきたという経緯がございますが,
そういうような状態を今後どう続けていくのかということが
問われておる時期でもあろうかと思っております。
 
そういう中で財政再建団体への転落というものは
私は何としても避けなければいけないと思っております。

そういう意味でこの対策をどうとらえていくのかという点が
重要な時期であろうと思っております。
 
そして,財政の問題につきましては,やはりこれからの
義務的経費比率の低減ということも重要な要素であると私は思っております。
硬直的財政構造から脱却をし,そしてやはり次の世代に引き継ぐ
神戸のまちをどうつくっていくのか,
常にまた市民の暮らしを維持するためにどのようにまちを
形づくるのかということが必要でございますんで,
そういう点からも今は行政経営方針に言っておりますような点を
重点に取り組みながら,将来の展望を開きたい,このように考えてございます。
 


◯2番(井坂信彦君) 
確かに国が突然何をするかわからないというのはあるんですけれども,
しかし国の地方財政収支ですとか一般会計収支というものを見ていけば,
今後も国の財政再建のプロセスで,神戸市に来る交付税ですとか
補助金が相当削減されるというのは,
予想のつくことではないかというふうに思っているんです。
 
大体予測されて,神戸市も前回平成14年にやられたときにケースA,
ケースBと分けてやられてましたけれども,
将来予測というのは別に1本である必要はないので,
これは別に無理なことではないかなというふうに思っているんです。
 
埼玉県の志木市というところへ行ってきたんですけれども,
ここは実際に20年先までの人口ですとか収入・支出の変化を試算していて,
かなりいろいろ考えた上で税収がこれぐらい減るとか,
交付税これぐらい減るとか,老人保健これぐらいふえるとかいろいろやった上で,
20年後はこうなりますと,だから職員数を例えば半減します,
かわりに市民パートナーという形で時給 700円の
市民ボランティアをかわりに入れていくんだという,
そういう流れで財政再建のプランがつくられているわけですね。
 
神戸市の場合,毎年毎年自転車操業でできることをできる範囲でやって,
20年後はどうなっているかわかりませんというのが果たして
財政再建と言えるのかどうか,20年後は無理とおっしゃるなら,
行政経営方針で言っておられる6年後の2010年,
市長のおっしゃる行政経営方針を達成したときに
神戸市の財政状況はどうなっているのかをお伺いしたいのと,
それからもう1点,神戸市の将来人口についてもお聞きしておきたいと思います。

◯市長(矢田立郎君) 
まず,復興の総括・検証をやったわけでありますが,
その中で復興の総仕上げに対しての取り組みとともに,
今後の重点的な内容として見守り体制の充実とか,
あるいは耐震の問題とかいうのは非常に重要なものとして
位置づけられておりますんで,今予算のご提案に当たりましてそれを
重点施策として織り込んできておるという点もございますんで,
そういう点を踏まえながらやはり市民の皆さんの
意識の啓発を図っていく必要がある,こういうことも考えて
予算を編成しておるつもりでもございます。
 
それから,長期の見通しの点でありますが,
志木市の方で20年ぐらいのそういう見通しをつくっておるという
お話でございますが,過去にこういうマスタープランをつくるときに,
人口比率とか高齢化の状況の推移とかいうようなものを
推定しながら計画をつくるということはございますが,
財政の問題についてということになりますと,
やはり20年の長期の見通しというのが本当にどういう意味を持つのかという点が
若干気になります。そういう点では高齢化の状況がどういうふうに
推移するかという指標は出てこようと思います。
 
その際に人口の減少形態というものも,
これは一般的に言われておるわけでございますけれども,
そういう中で2007年から減少に転ずると言われておるわけでございますが,
今の神戸の震災復興の状況の中における人口推移というものを見てまいりますと,
特に市内の東部地域の人口の構成というものが
相当大きく変化をしたなというふうに見ております。
 
そうしますと,地域によりまして少子傾向というものが一律でない状況の中で,
どういった新しい行政需要が生まれてくるかということは,
当然その中から発生するわけでございますし,
またそれによって将来そういう中から地域の経済に対して
どんな効果があらわれるんかということも予測しなければいけないと思っております。
 
そういう点を踏まえて考えましたときに,私は20年というんじゃなしに,
やはり2010年というところを1つの点に置いておるわけでございまして,
そういう中で先ほど申し上げましたように市債の残高,
現在約1兆 5,000億ございますけれども,これを 5,000億減らして,
2010年に次のまちづくりに向けての取り組みができるような体制をとりたい。
 
例えばことしの公債費の支出は 1,648億になっておるわけです。
そのうち元金の償還分に充てておるものが 1,133億ございます。

一方で震災復興等の総仕上げということで発行しております起債額が
612億ございますんで 521億,元金ベースの方で言うと
減っておるわけでございますが,他に利子があるということで
1,648億というのが現在の公債費でございます。
 
これが今ピークを迎えておるということでございまして,
その中で先ほども申し上げましたように,
非常に硬直的な財政構造になってきておるということの
大きい要素がそこにもございますんで,
それに対してどう対応するかということを取り組むべきだというところから,
行政経営方針というものを立てて,
その中で基本計画を今策定しておるというふうに申し上げておりますので,
そのようにご理解いただきたい,こう思っております。

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