自殺問題を政策課題に(第1回定例市会)

2004年03月04日

◯2番(井坂信彦君)
予算方針にクオリティー・オブ・ライフ──人生の質,
命の質という言葉が出てまいりますけれども,
まだまだ今の神戸にはそれ以前の問題が幾つか残っているのではないでしょうか。
 
自殺の問題についてです。
警察白書では,平成14年に全国で3万 2,143人が自殺と,
神戸市保健所のホームページでは平成13年度の自殺者は 310人,
うち50代の自殺者が 101人,そのうち50代男性は71人,
平成14年度の自殺者は 327人とふえているということです。
 
さらに,去年の夏の神戸新聞ですけれども,
1997年から2001年までの5年間の平均自殺率について,
全国平均は人口10万人当たり23.3人ですが,
特に震災の被害の大きかった灘区では人口10万人当たり31.1人,
兵庫区では36.4人,長田区でも27.7人と,
全国平均を大きく上回っているという記事が掲載されていました。
 
自殺は果たして個人的な問題だろうかということで,こんなデータがあります。
国立社会保障・人口問題研究所の試算では,
自殺者の生涯所得損失額というのが出ておりました。

1998年から2000年の年平均でその損失額が2兆 5,400億円,
自殺で失われたと予想される名目GDPが年 8,309億円に上るというデータです。
 
人の命をお金ではかるような品のない話と思われるかもしれませんけれども,
個人の自殺が社会全体に悪影響を与えているんだということを
初めて数字で示した研究として一部で評価をされているようです。
 
この中で国や自治体が自殺問題になかなか積極的にかかわっていないために,
NGOやボランティア団体が電話相談事業などを行っていますが,
やはり活動規模や時間の制約があって,
例えばある団体では実際の相談者の1%しか電話をとれていない。

あとは,かけてもこっちの電話が埋まっているので,
話中になってしまっているというデータをいただきました。
 
最近国がやっと重い腰を上げたようで,
平成14年の12月に自殺防止対策有識者懇談会の報告書が出されました。
また,この1月には厚生労働省の地域における
うつ対策検討会の報告書が出されました。

日本医師会も一般のお医者さん向け自殺防止マニュアルというのを作成して,
この春配るということであります。
 
そこで,質問ですが,神戸市の健康こうべ21では,
自殺のことについて実は余り触れられていないように思うわけですが,
政策課題としてきちんと認識し,
数値目標を掲げて自殺者を減らしていくべきではないでしょうか,
お伺いいたします。

◯助役(梶本日出夫君)
自殺者対策でございますが,健康こうべ21で自殺者対策について
数値目標を掲げてこれを減らしていくべきだ,
こういうご指摘だと思いますけれども,
ご指摘のように神戸市あるいは全国とも自殺死亡者につきましては,
その時代の社会情勢などを反映しながら,
全国的には平成10年から3万人台で推移をいたしております。
 
先ほどご指摘ございましたように,15年に警察庁が発表いたしました
平成14年中における自殺概要資料によりますと,
自殺の動機といたしまして健康問題また経済・生活の問題等々が挙げられております。
 
年代別に見ますと,男女とも80歳以上の高齢者により高い率を
示しておるといったような状況でございますし,
近年では特に男性の55歳から59歳といったところで大きな山を形成している,
こういったことで言われております。
 
確かにご指摘のように健康こうべ21では,
国レベルの健康日本21に掲げられているような自殺者の減少という数値目標,
現状では今申し上げましたように平成10年で3万 1,755人を,
2010年には国の健康日本21では2万 2,000人以下に減少させる,
こういった数値目標を掲げておりますけれども,
健康こうべ21ではそこまで数値目標は掲げておりません。
 
しかしながら,健康こうべ21の中では40歳代後半から60歳代前半のいわゆる
壮年後期の健康課題といたしまして,3点挙げております。
 
1つは,とりわけ50歳代の男性の自殺が一番多い世代であること,
また仕事の悩みや肉親の喪失などの環境の変化に対応できずに
ストレスがたまりやすいこと,
さらに3点目は,そのため早めの休養や周囲の人の正しい理解と
見守りが必要であること,
こういった視点が盛り込まれておるわけでございます。
 
いろんな事情があるとはいえ,みずから命を断たざるを得ないという
痛ましい事態に至る原因は単純ではございませんで,
さまざまな要因が影響していると思われますけれども,
その過程で適切なアドバイスや援助があれば
未然に防止できるケースもあると考えております。
 
また,ストレスによる軽いうつ病から自殺にまで発展する可能性もあることから,
一歩手前での心の健康づくりが何よりも重要ではないかと思っておりまして,
これまでも職場・学校をはじめ各関係機関だけではなくて,
神戸こころの健康センターではこころの悩みホットライン,
またうつ病ハンドブックを配布いたしましたり,
神戸いのちの電話と連携を図ってきたところでございます。
 
今後ともこういった全国の取り組み事例,本人だけではなく,
残された家族へのメンタルケアなども十分に参考にしながら,
こころの健康づくりに取り組んでまいりたいと思っております。
 


◯2番(井坂信彦君) 
いろいろな国内や海外の例を調べてみましたところ,
神戸市で今やったらいいなと思うことを幾つか申し上げます。
 
まず,統計資料ですとか住民の意識調査から地域の実態を把握することだろうと。
自殺・うつ病対策検討協議会というような名前のものをちゃんと設置して,
老人健診ですとかあるいはお母さんの産後の健診など,
そういう接触のあるときにスクリーニングという
簡単なアンケート調査のようなもので,
うつの予備軍をきちんと見つけ出ししていく。

かかりつけのお医者さんにもきちんと,こういうことを言っていたら,
この人ちょっと危ないですよという研修をしていく,
それで職場ですとか産業医へもアプローチして,
今既にやっているNGOですとか各種の相談窓口とも情報交換をして,
うつ病患者あるいは自殺予備軍へ個別に精神科医が対処していく,
こういう流れでいいかと思うんですけれども,
やはり自殺という切り口を1つ持って,
明確な目的意識を持ってこれらを実行すべきだというふうに考えますが,
いかがでしょうか。

◯助役(梶本日出夫君) 
今の健康こうべ21の中では健康課題として
盛り込んでおる程度にとどまっております。
この点につきましては,ご指摘のいろんなアンケートでありますとか
統計資料の把握でありますとか,ご指摘の点ございますけれども,
実は健康こうべ21につきましては10カ年の計画になっておりますけれども,
平成14年度から18年度までの,
10カ年のうちの前期の計画を18年度に見直していこう,
こういうことで予定いたしておりますので,
この18年度の後期に至る健康こうべ21の見直しの際に,
ご指摘の点を踏まえて検討してまいりたいと思っております。

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いさか議事録

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