2003年12月19日
◯2番(井坂信彦君)
出資・貸し出しのリスク管理について,先日のヴィッセル神戸の件と
関連してお伺いいたします。
午前中に新東京銀行構想のお話もありましたけれども,
あの構想で肝になるのは,融資先の見きわめであるというふうに言われております。
昔の銀行のように,過去の実績を見て貸し出しを行い,万が一倒産しても,
貸したお金は土地などの担保によって回収できるというのであれば,
融資先の見きわめは大して気を使わなくても済みます。
しかし,新東京銀行のように,
中小企業の将来性を見て無担保で融資するとなれば,
貸し倒れリスクをあらかじめ厳しく見きわめて,予想デフォルト率,格付などの
数値を設定する必要が出てくるかというふうに言われています。
同様のことが,
今回のヴィッセル神戸のような出資や融資に対しても言えるのではないでしょうか。
確かに予算書にもヴィッセル神戸に15億円貸し出しと書いてありますし,
外郭団体であれば,外郭団体特別委員会で夏に1団体ずつ審議をしております。
チェックシステムはそれで十分だとお答えになるかもしれませんが,
今回のヴィッセルの件では,それがうまく機能しなかったわけです。
今回の事件を反省するとともに,
同じようなことが次は起こらないような対策が必要だと考えます。
つまり貸し倒れリスクをきちんと把握した上で
融資・投資する必要があるのではないかと考えています。
ここで申し上げたいのは,
別に市役所は金を貸す仕事ではないですから,
貸し倒れのリスクが高いからすぐ利率を上げるとか,
すぐに貸しはがしをするであるとか,そういう必要はないと思っています。
返してもらえない可能性が高いけれども,それでも支援の意味合いで融資をするんだと,そういう判断も営利企業である銀行と異なる政治の役割であるでしょう。
ただ,貸し倒れリスクをきちんと把握した上で,
腹をくくって支援的な意味で融資をすることと,
リスク情報もないまま,返してもらえると漠然と思っていた
融資,融資した税金が返ってこないことは,似ているようで,
全く次元の違う話であるというふうに考えます。
そこで,質問ですけれども,
出資・融資の主体としての神戸市は,出資先・融資先の財務状況や
経営見通しなどをより詳しく調査して,その情報をわかりやすく議会や
納税者に開示すべきだと考えますが,いかがでしょうか。
◯助役(梶本日出夫君)
井坂議員のご質問のうち,外郭団体への出資あるいは貸し付けの件につきまして,
お答えを申し上げたいと思います。
今回のヴィッセル神戸の件を踏まえて,
外郭団体等の財務状況等について情報開示を一層進めるべきだと,
こういったようなご質問かと思いますけれども,ヴィッセル神戸につきましては,
震災によるメーンスポンサー企業の撤退,あるいは長引く不況の影響を受けまして,
広告料あるいは入場料収入の低迷により厳しい経営状況が続いていたわけですけれども,このたびチームの存続と発展のための抜本的な経営改善策として,
民事再生の手続の中で営業譲渡を行うことになりました。
その過程で,現在の運営会社が清算手続を行うに当たりまして,
市の出資金あるいは貸付金の回収ができないおそれがあることにつきましては,
まことに残念であり,申しわけなく思っております。
ヴィッセル神戸につきましては,
市の出資比率が3.22%, 7,000万円でございますけれども,
外郭団体という位置づけはされておりませんが,
運転資金のご指摘の貸し付け,短期の貸し付けを15億 2,000万,
あるいは職員を4名派遣しておる,
こういったようなことで本市からの支援を強めてきておりまして,
一般の外郭団体以上にその経営状況の把握あるいは
経営改善に努めてきたところでございます。
ご指摘のとおり,外郭団体等の適正な運営を図るためには,
情報の開示は大変重要だと考えておりまして,まずそういった点では
出資・補助・貸し付けなどの財政的関与や支援を行う場合は,
必ず毎年の予算編成を通じまして財政負担や公共・公益性などを厳しく検討した上で,
議会の審査・議決をいただいて実施をし,決算として報告をいたしておるところでございます。
また,執行段階におきましても,請求に基づきまして,
市の支援に関する情報につきましては公開をいたしております。
ヴィッセル神戸につきましても,支援は毎年度ごとの短期貸し付けとし,
毎年度経営状況や経営改善の取り組みを検討・議論しながら予算計上し,
議会の審査をいただいてきたところでございます。
さらに,外郭団体等の財政状況につきましても,
これまでも外郭団体に関する特別委員会への市の出資比率が
50%以上の団体につきまして,報告なり資料の公開,
あるいは法人の経営状況の報告書の提出,
さらに外郭団体組織図への経営情報また市の関与等の掲載,
さらに経営情報等の市政情報コーナーでの公開,
あるいはホームページへの掲載を
全外郭団体にわたりましていたしておるところでございます。
また,外郭団体以外の団体の出資状況につきましては,
全出資団体に関しまして,財産に関する調書また公有財産表への掲載・公表を
図っておりまして,情報公開・情報提供に努めておるところでございます。
さらに,請求に基づく情報公開につきましても,市の情報公開制度に準じまして,
各団体で自主的に規定を設けまして情報公開を実施してきておるところでございます。
現在は,市の出資50%以上の外郭団体につきましては,
こういった規定をつくっておるところでございます。
今後ともご指摘の趣旨を踏まえまして,
情報開示の一層の拡充に努めてまいりたいと思っております。
また,このたびのヴィッセル神戸の措置につきましては,
経営改善の努力が足りず,出資・貸し付けの回収が困難となった点につきましては,
厳しく受けとめ,当然繰り返してはならないものと肝に銘じておるところでございます。
しかし,一方で以前から外郭団体の経営改善を進める上で,
特に経営環境の厳しい団体につきまして,この各団体の経営上の
いろんな問題がございますけれども,そういった問題を先送りすることなく,
抜本的な対策を断行するように求めてきております。
また,厳しい市の財政状況の中で,安易に市の支援に頼ることは許されないと,
こういうことを各団体にも伝えているところでございます。
そのため,これまでも外郭団体の中でマリンルートの運航休止を行いまして,
またフルーツ・フラワーパークの資産買い取りやマリンホテルズの抜本改善など,
各団体の経営改善の徹底とあわせまして,痛みを伴う思い切った対策・対応にも
取り組んできたところでございます。
ヴィッセル神戸につきましても,こうした点で問題を先送りせず,
市の支援の安易な拡大を許さず,さらには抜本的な対策を講じるという
改革方針に沿うものでございまして,このたびの措置も,まことに残念ではございますが,やむを得ない決断だと,このように考えております。
今後とも外郭団体等につきましては,
情報開示に努めまして,議会のご意見を踏まえて一層の経営改善を求めるとともに,
特に厳しい経営状況にあります団体につきましては,
先ほど申し上げましたように問題を先送りすることなく,
抜本的な対策を勇気を持って取り組んでまいりたい,このように思っております。
以上でございます。