2003年12月19日
◯2番(井坂信彦君)
ひったくり犯罪をなくすための懸賞金制度についてお伺いいたします。
先月,親しい友人がひったくりの被害に遭いました。
2年前にも別の友人がひったくりに遭っており,
今やひったくり犯罪は決して他人事ではない,
明日、誰の身にも起こるかわからないような日常的な犯罪になったと感じております。
ちょうど昨日の神戸新聞をコピーしてきたんですが,
ひったくり件数ことし最悪と,秋以降東部で多発という記事が載っておりました。
さらに,詳しくデータを調べてみますと,
兵庫県警の神戸ブロックでひったくり犯罪を警察が認知した件数は,
平成13年が 936件,平成14年が 1,085件,平成15年が11月末までに
793件ということで,ことしも最終的には 900件前後の件数になることが予想されます。毎年コンスタントに 900件から 1,000件のひったくりが
神戸ブロックで起こっているということになります。
ところが,このうち犯人が特定できた事件は,
平成13年が 189件,平成14年は 296件,平成15年は11月末まででわずか 119件と,
約8割の事件は犯人がわからないままに終わっているというのが実態です。
このような街頭犯罪に対して,神戸市もいろいろ考えてやっているということは,
10月の本会議でも詳しくご説明をいただきました。
確かに長い目で見れば,あいさつ運動や地域見回りなどの
コミュニティづくりが防犯対策の王道であると,私も思っております。
しかし,もっと即効性のある政策はないだろうか。
夜道のひとり歩きはやめましょう,
かばんを自転車の前かごに入れるのはやめましょうという,
被害者側の自衛も大切だということはわかっておりますが,
加害者側,つまり犯人を直接減らしていくということはできないんだろうか。
警察はもちろん兵庫県の仕事ですが,神戸市にも何かできることはないだろうか。
先日,ある方にこの件を相談いたしました。
その方は,今は真っ当な仕事をしているけれども,
若いころは悪いこともしたよというような方でした。
いろいろ話をする中で,犯人逮捕につながる情報を
提供してくれた人に懸賞金を出すのが効果的ではないかという結論になりました。
その方いわく,ひったくりのような軽犯罪の場合は,大体友達同士,仲間うちでは,
誰々がやったらしい,誰それが怪しいというのが何となくわかっている。
それでは,なぜ警察に情報提供しないのかと言えば,
別に通報するメリットがない,通報する理由もない,面倒くさい,
通報したのが仲間にばれたら面倒だなどなど,ささいな理由が多いのではないか。
そこにたとえ数万円,数十万円でも懸賞金があれば,
警察への情報提供は飛躍的にふえるのではないかというのが,
その方のお話でありました。
そこで,懸賞金制度について調べてみますと,
海外では,アメリカ国務省がオサマ・ビン・ラディン氏に 2,500万ドルの懸賞金を
かけているのが有名ですが,国内でも,時効直前に逮捕されたあの福田和子被告や,
オウム真理教の指名手配犯,
最近では,岐阜県御嵩町の町長襲撃事件から7年が経過した今も
犯人がつかまらないことに対して,10月末に町民約60名が資金を出し合い,
犯人逮捕につながる情報の提供者に最高 300万円の懸賞金をかけた例などがあります。
ただ,国内では,自治体や警察そのものが懸賞金をかけることはなく,
事件の被害者がポケットマネーで懸賞金をかけるか,
警察のOB組織が未解決の重大事件に対して懸賞金をかけるという形になっています。
そこで,質問なのですが,ひったくり犯罪を減らすために,
犯人逮捕に直接つながる情報提供に対して懸賞金を創設することはできないでしょうか。
神戸市が自治体として懸賞金制度を創設するという形には特にこだわらず,
県警などと働きかける,あるいは懸賞金制度のための別団体をつくる,
軽犯罪防止NPOのような形など,柔軟に考えることができます。
この点について,お考えをお聞かせいただきたいと思います。
◯理事(内山祐周君)
ひったくり犯罪防止対策等につきまして,ご答弁申し上げます。
議員ご指摘のとおり,さきの議会で市長も答弁いたしましたように,
犯罪の抑止それから検挙というようなことにつきまして,
最終的に取り締まりの権限を有しておるのは警察でございます。
ただ,本市におきましては,警察に取り組みを任せるということではなく,
他都市に先駆けて,平成10年に
神戸市民の安全の推進に関する条例というものを制定いたしまして,
市民・事業者それから市がそれぞれ役割を分担し,
協働して,災害・犯罪及び事故に強いまちづくりを進めてございます。
昨今,全国的に犯罪件数が増加をし,
防犯対策に関心が高まっているということですが,防犯につきましては,
地域住民が地域そのものを守っていこうという視点が重要であります。
地域住民が日常的な安全確保に取り組み,市がそれを支援していくということが,
犯罪に強いまちづくりにつながるんではないかというふうに考えております。
そこで,ご指摘のひったくり等の街頭犯罪の増加についてでございますけれども,
実は非常に憂慮してございます。
犯罪を抑止するためには,市民から警察への情報提供,
あるいは逆に警察から市民への適切な情報提供ということが重要であると
いうふうにも考えております。
例えば神戸市が発行しております各区民版の広報紙におきましては,
市が主体的に働きかけまして,県警からの情報それから注意喚起の内容,
問い合わせ先等を掲載しております。
それ以外に,年末にかけてひったくりなどの犯罪が増加することから,
12月から電光掲示板つき自動販売機による地域での防犯対策の推進ということも
働きかけております。
また,防犯協会に対して資金面での援助をすることにより,
ひったくり防止ネットを作成し,ひったくり防止を呼びかける
キャンペーンなどを行っていただいております。
市としては,情報提供のほかにも,地域住民みずからが犯罪に強いまちづくりをして
いただけるように,地域コミュニティの育成のために支援をしてきております。
そのために,青少年健全育成のためのスマイル・ハートあいさつ運動や,
地域が主体的につくるコミュニティ安全マップの作成を支援しているところでございます。
今後も,市では安全で安心なまちづくりの一環として,
県警それから地域住民と連携・協力をしながら,ひったくり犯罪等の防止に
努めていきたいというふうに考えております。
それで,議員ご指摘の懸賞金制度の問題でございますけど,
余り資料等がございませんでしたので,議員ご指摘ありました宮城県の
ホームページから引っ張って,そこの議論をいろいろ見ております。
それで,これは民法の懸賞広告の規定に基づいて,
個人や民間団体が原則的に行っておるというような議論もございます。
1つのご提案でございますけど,それ以外にこの宮城県の議論の中身
あるいは財源の問題,運用,それから効果等を考えますと,制度の創設については,
非常に現状では困難ではないかというふうに考えております。
以上でございます。
◯2番(井坂信彦君)
事前に宮城県議会のこともお伝えしてあったんですけれども,
先ほどひったくり犯罪の検挙のデータを申し上げましたけれども,
例えば昨年の検挙件数 296件に対して,検挙した犯人はわずか45人で,
つまり1人の犯人が平均 6.6件のひったくり犯罪を白状したということになろうかと
思います。
大体2人1組で行われますから,1組の犯人を捕まえたら,
平均13件のひったくりが防げるのではないか。
効果についてなんですけれども,いろいろな団体が実際懸賞金を設けているということであるとか,
決して最初から切り捨てるような問題ではないというふうに思いますし,
ひったくりで今捕まってない犯人,残り大体計算すると 150人ぐらいだというふうに
思いますけれども,そこに1人幾らの懸賞金を設定すればということを考えていくと,
そこまで多額の経費がかかる問題でもないのではないかというふうに考えております。
どうか前例がないというだけでまともに検討もしないという食わず嫌いは
やめていただいて,柔軟な態度で制度創設に向けて
可能性を探っていただきたいと思います。
これは申し上げるだけにしておきます。