医薬分業は門前薬局が儲かるだけ?(病院事業決算)

2003年09月29日

◯理事(井坂信彦)
来年からいわゆる医薬分業に取り組まれると。
この医薬分業という考え方は,これまで病院で出していた薬を,
処方せんだけ病院では出して,患者さんには
地元の地域の薬局で薬を受け取ってもらうんだと。

その近所の薬局が,その患者さんのかかりつけの薬局となって,
例えば市民病院で処方せんをもらった場合でも,
別の接骨院で処方せんをもらった場合でも,
いろんなところからお薬をもらった場合でも,薬局は必ず近所の1つに絞って,
薬がダブったり,多過ぎたり,飲み合わせが悪かったりというのを防ぐ,
そういうコンセプトのもとに医薬分業ということであるべきだと,
私は思うわけですけれども。

ところが,実態をいろいろなところでお聞きしたり,私自身も,
先日コンタクトレンズの目薬を目医者さんにもらいに行ったときに,
そこが今回から医薬分業をしておられまして,それまでは窓口でぽんともらえた目薬が,
別の薬局に行かないともらえなくなったと。

3分ぐらい歩いたビルの8階に,地図まで渡されて,
ここでもらってくださいということで,多少不便になったなという
思いをしたわけですけれども。

いわゆる門前薬局と言われる,せっかく医薬分業をしたのに,
地元の自分の家の近くのかかりつけ薬局などというところで
薬をもらうのではなくて,その医療機関の,
もう半ば指定したに近いような近所の薬局,
地理的に近いようなところでお薬をもらう人が,
実はまだまだ多いのではないかという懸念を持っております。

そこで,中央市民病院で医薬分業をしたときに,いわゆる門前薬局,
あるいはマン・ツー・マン薬局と言われるところ。

面分業と点分業という話もありますけれども,
患者さんが広く市内の自分の家のそばの、かかりつけ薬局で薬をもらうのではなくて,
市民病院の近くの地理的に便利なところで薬をもらう患者さんが,
そこに集中してしまうのではないかと。

その,いわゆる面分業のできない,
門前に行ってしまう患者さんの割合をどれぐらいになると見ておられるのか,
お聞きしたいと思います。

◯井口保健福祉局参与 
ご指摘のとおり,患者さんがそれぞれかかりつけ薬局を持って
医薬分業をすることが,やはり理想だというふうに私は思っています。
こういうことをすることによりまして,薬の二重処方でありますとか,
あるいは飲み忘れを防ぐとか,あるいは場合によっては薬歴管理を
きちっとしてもらうことによりまして,むだな薬を飲んでいないかとか,
あるいは副作用がどうだとかいったようなことを
きちっと管理できるということが大事でありますし,
それができてこそ医薬分業のメリットがあるわけですから,
当然,そうあるべきだというふうに思っております。
 
我々も医薬分業を実施するに当たりましては,
神戸市の薬剤師会の協力をぜひ仰ぎたいと思っておりますし,
実施の際には,院内に院外処方せんの相談コーナーを兼ねました
ファクスコーナーを,薬剤師会の協力のもとにぜひ置きたいというふうに思っています。
このコーナーを設置することによりまして,かかりつけ薬局を,
例えば持っていない患者さんが来られた場合に,
ご近所の保険薬局を紹介することもできますし,
かかりつけ薬局を持ってくださいというふうなことを
指導するといったことも可能になりますから,そういうことでは非常に
医薬分業の推進に役立つのではないかというふうに思っています。
 
それで,患者さんが医師から受け取りました処方せんを,
まず地域のかかりつけ薬局にファクスで送信いたしまして,
あらかじめ予約をしておきますと,お帰りの節にその薬局へ寄っていただいて
薬を受け取ることができるといったようなことで,
非常に利便性も図れるのではないかというふうに思っております。

ただ,門前薬局が一切要らないかというと,それもやはり少し疑問がありまして,
例えば,初診患者さんが初めてこられまして,かかりつけ薬局を
全然登録していないとか,近所の薬局は知らないといったような方で,
その日のうちに薬が要るという場合もありますから,そういう方に関しては,
やはり門前の薬局で薬を受け取るといったことも,
一定,役割を果たすのではないかというふうに思ってます。
 
ご指摘の,点分業といいますか,
門前薬局で一体どれぐらい薬をもらっているのだというご指摘なんですが,
実は余り統計的な数字を持っておりません。

我々が門前薬局を実施する際に,いろいろ参考にという意味で
各地の病院を見てまいりまして,そこでのヒアリングの結果なんですけれども,
見学に行きました病院では,20ないし30%が門前で
薬を受け取っているのではないかというふうなご意見でございました。
恐らくそういう数字になるのではないかというふうに思っております。
いずれにいたしましても,医薬分業が患者サービスにつながるような実施の仕方を,
ぜひ検討していきたいということで,そういう意味では
薬剤師会の協力をぜひ仰ぎたいというふうに思っております。

◯理事(井坂信彦)
門前薬局の問題についてなんですけれども,実際,
市民病院側で調べたデータで20%から30%ぐらいしか
門前薬局に行く人はいないんだという数字なんですけれども,
これは私の方が調べた数字とは,また随分違う数字だなと思ってお聞きしたわけです。
あるいは,私の生活実感とも,また随分違うなと思ったんですけれども。
例えば,ある大手の医薬品メーカーのとったアンケートなんですけれども,
例えばいろんな医療機関があって,お医者さん側にアンケートをとって,
あなたの病院で出している薬,処方せんは,一体患者さんはどれぐらいの割合で,
いわゆる門前薬局で薬を受け取っていると思いますかと言ったら,
大体88.6%のお医者さんは,うちで出している処方せんは,
1件かせいぜい2~3件の特定の薬局で患者さんは薬を受け取っているだろうと。

面分業ができていると思っているお医者さんは11.4%という数字です。
このデータがすべてではないんですけれども,
随分いただいた数字と正反対だなと思うのと,あと,薬局側のデータで,
処方せん集中度という言葉があって,薬局にいろんな病院から処方せんが来る中で,
特定の医療機関からの処方せんが7割以上を占めているか,
それともそうでないかの比率で,7割以上,いわゆるもうほとんど1カ所の
医療機関からの処方せんばっかり扱っている薬局が56.4%。

そうでない面分業が比較的できていると思われる薬局が42.8%ということですので,
市民病院さんがこの1年間で調べはった,リサーチされた病院がどういう病院なのか
私はまだお聞きしていないですけれども,果たして本当に来年市民病院で
医薬分業をやったときに,門前薬局ばっかりに集中するということにならないのかどうか。

ファクスの取り組みは非常にいい取り組みだと思うんですけれども,
門前薬局がもし万が一はやってしまうようであれば,
お話があったように患者サービスが第一だとおっしゃるのであれば,
患者さんにとっては,門前でもらうぐらいやったら院内でもらった方が
よっぽど便利に違いないんですよね。

その点について,例えば部分的に医薬分業をやるという考え方もあるでしょうし,
もし門前の方が便利だというお客さんが多いのであれば,
それは院内処方も残すという方法もあるのかと思うんですが,
その点についてお聞きしたいと思います。

◯井口保健福祉局参与 
統計がそれぞれ違っているようですけれども,我々は比較的大きな病院で,
大都市にある病院を調べたものですから,結果的に,
例えば市内に薬局が結構あってという前提かもわかりませんけれども,
門前薬局への集中率が2割から3割だったというふうに統計は出ております。
 
ただ,いずれにしましても門前薬局にほとんど集中してしまうと,
医薬分業のメリットがかなり薄れるのは事実でありますから,
できるだけ面的に分業できるような体制をとれるような
工夫もしてまいりたいと思いますし,薬剤師会ともよく話をしたいと思います。

中央市民病院はああいうところにございますから,
門前薬局はできにくいというような物理的な事情もありますので,
我々は門前にほとんど集中することはまずないのではないかと思っておりますけれども,
いずれにしても検討はしてまいりたいと思っています。

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いさか議事録

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