2003年03月05日
◯分科員(井坂信彦)
市民救命士の戦略的な育成と配置について,お伺いいたします。
私は,毎回この市民救命士のことについては質問をさせていただいているわけですが,
非常に重要な制度だと,仕組みだと思っているから,毎回させていただいております。
神戸市の目標としては,とにかく今人数をふやしていくと。
そして一家に1台ではないですけど,一家に1人市民救命士がいるような状態を
目指していくんだという方針で進めておられるようですが,私の考え方は少し違います。
やみくもに人数をふやすということではなくて,
それをきちんとあるべきところに配置して,
そして活用できるように戦略的に考えていくべきではないかというふうに思っております。
北九州市の例ですけれども,まちかど救命士という制度で北九州市の場合は
ガソリンスタンドを活用しています。
ガソリンスタンドが市内に 224カ所あるそうですが,
その中で現在 112名の方がこういう救命士の講座を受けていらっしゃると。
ガソリンスタンドにはそういうシールが張ってあって,
まちの方にも徐々に認知されてきて,何かあったときにはガソリンスタンドに行けば,
そういう本当に初期の救急,応急手当,あるいは通報をしてもらえると,
そういうふうに戦略的に配置をしています。
あるいは救急車が遠くてすぐに着かないような地域に
重点的にそういう市民救命士を育成してみるですとか,
あるいは高齢者がたくさん住んでいらっしゃるところに市民救命士を育成するとか,
もう少し戦略的に市民救命士を育成して配置していくことが必要だと思いますが,
その点についてお伺いいたします。
◯辻井消防局警防部長
市民救命士の戦略的事業の展開ということでございますけれども,
ご承知のように,私ども平成5年以来から市民救命士という名称でもって
応急手当の普及を推進してきたわけでございまして,
現状,毎年2万人ぐらいを目標にやってきております。ですから,
昨年の12月末現在で17万 6,000人までいきましたので,
恐らく20万人は来年度中には養成できるのかなということで考えております。
その中で委員のご指摘のように,より効果的なといいますか,
よりそういう市民救命士を養成して活躍していただける,
より効果的な場所の人たちといいますかね,
遠隔地の救急車がなかなか到達が遅いところとか,
あるいは人の集まるところとかということで,
そういうところに戦略的に養成したらどうかというお話だったと思うんですけども,
もちろん私ども当初からそのつもりでといいますか,
そういう計画でやってきております。
例えば,事業所あたりにつきましては,いわゆる交通事業をされている方ですね,
各鉄道,それからバス,それから例えばホテル関係者,いわゆる集会なり,
そういうたくさん人が集まってくるところ,こういうところにもちろん
積極的に働きかけていますし,それから地域防災福祉コミュニティあたりとも
特におっしゃるように,やはり救急車の到達までに
時間かかるようなところにつきましては,おたくの場所はこういうところですから,
ぜひということでの声かけとかという形で,それをいろいろとやってきた中で,
この17万 6,000人ということがあるわけでございます。
ですから,今後ともそういうところの事業者に対しては
引き続き努力していただくということで,現状でも,ついせんだって,
神戸市の交通局の市バスの中で乗務員が,これは上級の資格ですけども,
けがの手当もCPRといいますか,応急といいますか,
救護というのができるような両方持った乗務員がおりますよというふうなことを
表示していくなり,あるいはことしの正月に市長みずからが,
やはり市民に先駆けてといいますか,率先して市の職員自体がそういうものを
確実に身につけるようにということのご指示もございましたんで,
今,積極的にその方向で動いています。
これまでも例えば先生,新しい学校の先生ですね,それから市の職員,
これは新規採用のときの研修に必ずこの講習は組み入れておりますんで,
そういう意味でもその努力の結果が今先ほど言いましたような
形になってきたかなと思います。
私自身は,まさに戦略というのは私もよくわからないんですが,
何が戦術で何が戦略かわからないんですが,長期的な戦略という面からいえば,
一番大事なのはやはり神戸市においては義務教育を終了した段階で,
全生徒がこの救命の処置ができると。命の大切さを十分に知った上でという,
そういう学校教育の中でこれをきっちりと位置づけしていけば,
そら時間はかかるかもしれませんが,
神戸市の中学校の卒業生は確実にそういう資格を持つと,
そういうことができると,これが一番長期戦略かなと。
昨年度から始めまして,今年度37校,来年度49校まで拡大しています。
いずれ80数校の全中学校にそういう課程といいますか,
いわゆる今,新しい総合学習という授業がございますので,
そこで取り入れていただくのが一番かなと,そういうふうに考えております。
◯分科員(井坂信彦)
先ほど局長がおっしゃった中で,サービス水準のことでやはり多様な地域があって,
なかなか画一的に数字で水準は設定できないのではないかと。
消防局の力だけではできない部分もあるとおっしゃったのは,
私もまさにそのとおりだというふうに思っておるわけです。
その消防局ができない部分を担うもう一方が,1つはこの市民救命士であると,
特に救急の分野では,やはり一番近くにいる
住民の方がきちんとそういうことができるというのは
非常に大事なことだと思っておりまして,おっしゃったように全生徒が,
行く行くは全市民が救命技術を持つという,
それはそれで非常にすばらしいことだと思うんですが,
6年の卒業のときに一度そういう講習を受けて資格を取ったからといって,
一生その技術を覚えているかというと,それはまた別の話だと思いますし,
専門的にきちんと反復練習を繰り返して,まさに消防の部分では消防団がいるように,
救急の部分で地元でまず第1に駆けつけて,初期消火ならぬ初期救急をやる,
そういう行く行くは救急団のような,そういうふうな組織化も視野に入れて,
私は育成すべきだというふうに考えているんです。
前に,市民救命士を取った人の家に
シールでも張ってわかるようにしたらどうですかという提案をしたときに,
プライバシーや責任の問題があってということで,できないと言われたんですけれども,
消防の分野では実際消防団という人が地域によく顔も名前も知られて,
火事があったらその人の家にすぐ呼びに行くと。
救急の分野で同じようなことがやはり必要なのではないかと。
救急車は絶対3分では着かないわけですから,
一方,人命は最初の2分であれば8割助かる,5分たつと2割しか助からないという,
非常に3分,2分というのが争う部分ですから,
もっと地域の力を組織的に育てられないかというふうに思っているわけです。
時間ですので,きょうはこれでやめますけれども,
また今後こういう視点で質問を続けていきたいと思っております。