神戸らしい住宅地の保護と育成(住宅局予算)

2003年02月25日

◯分科員(井坂信彦) 
神戸らしい住宅地の保護と育成についてお伺いいたします。
 
目の前には瀬戸内の海と,そして背後に六甲山の緑,
そしてまち中がもうみんな南向きの斜面であってと,
大阪へ30分,三宮へ15分と,別に神戸空港があるから
神戸に住みたいという人に私はまだお会いしておりませんけれども,
いろいろな意味で神戸,特に灘,東灘,山の手あたりは,全国でも,
もう恐らく日本一と言っていいぐらいすぐれた住宅地だと私も思っております。
 
ところが2年前,私,住宅水道委員会委員として所属しておりまして,
やはり毎回マンション建設に反対する陳情というのが出てまいります。
この陳情をどうにもしてあげられなかったという苦い思い出を持っております。
仮に西の芦屋,東の田園調布と,住宅地として有名なところに
7階建てのマンションがもうずらりと建ち並んでしまったら,
それはもはやまちの人,みんながイメージする芦屋であり,
田園調布ではないということになってしまうと。

同じように神戸の今ある本当に日本一と先ほど局長がおっしゃった住宅地,
このままほうっておいて,マンションがどんどん建ってしまったら,
これなぜマンションが建つかといいますと,
まさに住環境がいいからマンションが建つわけです。
それをこのまま放置してしまって,果たしてこの先どうなるのかなという
心配を私は持っております。先ほどの局長のご意見,神戸らしい住宅地,
これが神戸の売りなんだというふうに,これを売り出していくとおっしゃった
それを政策として実現するために,果たして今のように地区の住民が自分から動いて
地区の協定を結んでいく,それを待つような形だけでよいのかなという気がいたします。

具体的に局長のお考えをお伺いしたいと思います。

◯児島住宅局建築指導部長 
先生ご指摘のまちの景観等を残し,また生かしていくという手法等を積極的にという
ご趣旨でございますが,まず建物,共同住宅と戸建ての前に
マンション等ができるといったようなことにつきましては,
まず基本的には用途地域というのがベースにございまして,
一定線,第1種低層住宅専用地域のところは10メートル以上は
建たないというような格好での用途地域が12種類に決められております。

それがまずベースで大きな土地利用というのが定められているところでございますが,
それだけでは,きめ細かな対応ができないということで,
私どもが所管してます例えば建築協定の制度,これ市内にもう98地区ございますが。
とか都市計画法に基づく地区計画制度,これは現在66地区,神戸市内でございます。

そういった制度で現在の用途地域で定められた以上にきめ細かな建物の高さだとか,
用途だとか,場合によったらデザイン等も定めていくことができるという,
そういった制度がございまして,住宅局といたしましては,
その所管しております建築協定制度を支援していくということで,
地域の個性に応じた魅力あるまちづくりを推進してきているところでございます。
 
この建築協定は,地元の方が主体となって,お互いにまちの将来像を共有して,
お互いに一緒に話し合ってルールをつくっていくという,
それが特にこの建築協定制度なんかでは,
私ども特に大きな特徴になっているんじゃないかと思っております。
逆に言えば,そのために実際,実現するのが皆さんがこういったまちにしたいという
話し合いの中で共通の意識とか,将来のまちづくり像をお互いに共有していくという
過程が実際困難で,なかなか既存の住宅地の中でそういった協定が結ばれるというのは,
確かに難しい状況にはございます。

ただ,今の98地区,神戸市内に建築協定があると言いましたが,
そのうちの3分の2は,事前にもう開発業者がルールを決めて,
それつきで売る分ですが,残りの3分の1,逆に言えば残りの3分の1は,
例えば戸建て住宅地として分譲されたところで,皆さんが話し合って,
これがもう悪くならないように,お互いに協定を決めましょうとか,
開発業者が事前に決めた分ですが,もう10年を過ぎて,
もうその協定が終わってしまって,それをまた再度皆さん方がお互いに話し合われて,
今後やっぱりこのまちをどうしていこうかとか,そういったような形で,
その残りの3分の1は住民の方々が話し合って決めていった
住民発議型と言われるような建築協定でございます。
 
私どもは,やっぱりこういった皆さんが一緒になって話し合って,
お互いのまちをどうしていこうかというようなことをお互いに話し合い,
お互いに将来のまちのイメージを共有して,つくっていくというのが,
ほんまにそのまちとして,やったらいいんじゃないかというふうに
私どもは認識しておりまして,ただ,先生ご指摘のように,
ただ,こういった協定ができるのを待つだけでは,
なかなか現実には難しいという状況がございますので,
私ども今までも地域に入って行ってPR等もやってまいりましたが,
こういった制度をさらに積極的にPRすることをはじめ,また協定づくりの支援とか,
地域が主体となったこういったまちづくりができるように区役所と一緒になって
地域に入って,さらに積極的にこういった制度につきましては,
神戸のまちのためには進めていきたいと思っているところでございます。

◯分科員(井坂信彦)
それから,神戸らしい住宅地について,もちろんベースは用途地域でどういう建物,
どういうまち並みになるかということになるわけですけれども,
やはりおっしゃったように,ずっと待っているだけでは始まらないと。

いろいろ調べまして,例えば東京,これも東京なんですけれども,
江東区というところでは,最近マンションが余りにも建ち過ぎるので,
もうマンションそのものを規制しようということで,去年の4月から
マンション規制が始まっております。これは別に景観という意味合いだけでなくて,
人口が余りにも急激にふえ過ぎて,学校建設が追いつかないという
もう1つの理由もあるわけですけれども,
いずれにせよ,自治体がマンションそのものを規制するということは可能だということ。
 
もう1つ,これはインターンの学生さんが調べてくれたんですが,
葉山町,神奈川県の三浦半島にある葉山町です。
先ほど電話で聞きましたけれども,こちらも町内の全域に高度規制をかけたと。
もともと高級別荘地,まさに六甲の山の辺と同じような流れがあるわけですけれども,
その町が,もう大体12メートルから近隣商業地域で最高15メートルという,
もう市街化区域全域に高さ制限をかけたと。

これ町の人は反対しなかったんですかと,
あるいはマンション業者から何か怒られなかったですかと聞いたんですけれども,
もう町に住んでいる人自体も,葉山町はそういうまちだと,
低い低層の住宅,静かな住宅,そういうまちなんだと,
そこが魅力で自分たちは住んでいるんですということで,
町の人からもクレームなしと,マンション業者もおとなしく撤退して,
今は一戸建ての業者がどんどん入ってきているということです。

私権の制限に当たるんじゃないかとか,
いろいろ当初は問題を想定していたそうなんですけれども,
結局,特に問題は起こらず,葉山町としては,もうこういうまちでいくんだと,
葉山町はこういうまちとして売り出していくんだとはっきり方向を定めているわけです。

そういった,もう一歩踏み込んだまちの,
まさにさっき局長がおっしゃった神戸の売りは,神戸の住宅は,
これが売りなんですといったことについてご見解をお伺いしたいと思います。

◯西川住宅局長 
おっしゃっていることはよくわかるんですが,
要するに地域──神戸はそれだけ東から西の端まで,
神戸市といっても一色にいろんな住宅事情を塗り分けできるわけでございません。
東灘からそれぞれ地域,地域がございまして,東灘の中でも御影町とか,
魚崎とかいう地域があると思いますけども,
少なくともそういう地域の方たちが共通のまちに対する思い,
イメージ,そういうようなものを持っていただくと。

それがたまたま葉山町は町ということで規模が小さいから一致したんだと
僕は思っておるんですけども,そういうような形の,神戸でいえば御影,魚崎とか,
そういう地域での人たちが守りたいと思わなければ,
行政が今の用途地域がある中で押しつけというのは,
やっぱり今の時代ではないんではないだろうかと。
地域の人たちがまちを意識する中で,こうありたいということがまとまれば,
今の用途地域に上乗せの制度が幾つかありますので,
そういう中で先生おっしゃっていることが実現していくんじゃないんだろうかと
思ってございます。

やはり地域の方たちが,地域の方たちがそういうことを,
まちの意識を持つためのいろんな支援とかは
当然行政としてやっていくべきだと思ってございます。

◯分科員(井坂信彦) 
神戸市全体を高さ制限しろと言っているわけでは全然ないんですが,
まさにおっしゃったように,その地域,本当にこの地域はそういう
住宅地にするんだという地域を,もう住民主導でやるべきだというのは,
そういう部分もあるんですけれども,一方で神戸市,
再開発はばっと網をかけてやったり,その辺には私は矛盾を感じるわけです。

都市再生ですとか景気回復というかけ声のもとに,どちらかというと規制緩和,
マンションについては規制緩和という世の中の流れがあるわけですけれども,
もし神戸らしさとか地域の特色という場合であれば,
世の中の流れと反対のことをするというのが,まさに特色であるわけですから,
そういう地区をつくるということ、差別化するというのはそういうことです。

そういうことを実行していかなければいけない。
後になって気づいても,もう遅いというふうに思うわけです。

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