ローカルマニフェストとローカルパーティー
2005年11月06日
東京の明治大学で行われたパネルディスカッションに出演。
国の財政が行き詰まり、地方がその尻拭いをしなければならなくなる時代に、
役所・住民・そして議会はどのように自らを変えてゆくべきなのでしょうか?
以下、北川正恭・元三重県知事の基調講演メモです。
051106ローカルマニフェストとローカルパーティー
いま国が行っている地方改革は中途半端、住民からの改革を起こさなければならない
「北京の蝶々」という複雑系の例え話があるが、政治も経済も今や複雑系
北京で小さな蝶々が羽ばたくと、それが拡大連鎖してヨーロッパでハリケーンを起こす
小さな揺らぎ、小さな一歩が予想を超える大きな結果を起こすのが複雑系の特徴
「人間は常識や経験の範囲でしか考えない」という「バカの壁」がベストセラーになった
小さな気付きによって常識の枠を外すだけでなく、行動を起こし蝶々として飛び立とう
プラザ合意以降、円高により製造業がアジアに逃げ、日本の産業が空洞化した
ベルリンの壁もソビエト連邦も、情報革命により住民が真実を知り、あっさりと崩壊した
資本主義側はニューパブリックマネジメントにより行政の経営改革を始めた
日本は政治スキャンダルが続く中で、政治改革すなわち選挙制度改革に手をつけ始めた
中選挙区制度の天才児・田中角栄は、議会の半分を与党で占め、その半分を田中派で占めた
中選挙区の選挙は3~5名を選ぶので、自民党から複数の派閥候補が出てくることになる
同じ政策の候補者が複数出るということは、政策選挙が出来ないということ
業界と政治家の庇護ー依存関係、パターナリズムを確立したのが田中角栄
この政治文化を変えるために、小選挙区制度やマニフェストを導入した
地方分権を推進する一括法の裏で、財政が成り立たない自治体の合併が進められた
地方の経営失敗の責任を国や県に求めるのは簡単だが、結局は自治体が責任を取らされる
地方が責任ある経営をできるような制度が必要だと気付き、マニフェストを提唱した
家のお金が足りないときに「隣の家から取って来い」という人はいない
しかし、地方のお金が足りないときは「国の予算を取って来い」というのが当たり前だった
土産を持って上京する惨めな陳情政治から、誇りある自治へと立ち位置を変えたい
マニフェストが公職選挙法違反で配れないということは、選挙で政策は二の次ということ
「政策を語る暇があれば、名前を連呼し、盆踊りを巡り、握手をして来い」という選挙
選挙制度を変えると、現行制度で勝ち抜いてきた古参議員は全滅する
知事と握手しているポスターを貼っているような議員は落選させるべき
最初から知事を批判しないと宣言しているような議員は、全く存在価値がない
江刺市では議員が1000人近い住民を巻き込んで議員提案条例を制定した
反対する議員も多かったが、主権者である住民が監視していたので全会一致で成立した
議員提出条例を気付きの道具として制定にチャレンジしてほしい
流山市の最大会派は住民と協働しながらローカルマニフェストを作った
役所の側だけでなく、政治の側での協働も始めてはどうか
小泉ブームで自民党が大勝し、マニフェストに載っていない消費税増税が議論されている
しかし国民には、これを批判する権利は全く無い
政治家や公務員を批判することは天に唾する行為であり、衆愚政治につながる
その間に国の借金は770兆円、地方の借金は200兆円に膨れ上がってしまった
陳情競争ではなく善政競争でベストプラクティスを広めあえば、この国は必ず良くなる
マニフェスト十分条件ではなく必要条件であり、現状の政治制度の矛盾に気付くための道具
人を変えることが改革ではなく、自分を変えることが改革
他人に責任を転嫁するのではなく、ひとりひとり自らが蝶々として飛び立とう
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