市川市の市民活動1%支援制度

2005年07月13日

「税金の1%を好きなNPOの支援にまわせる!」という制度で有名な市川市を訪問。
何しろ前例のない制度ですから、補助金額の決め方から申請ハガキの書式まで、
ありとあらゆることをゼロから工夫しなければいけなかったようです。

結果的にはNPOに税金の1%をまわすことを選んだ人は納税者の3%でしたが、
制度を毎年続けることによって参加する人が増えてきたとき、
「公共サービスを受けるためのお金を、市役所に渡すのかNPOに渡すのか?」という
納税者にとって本当の民主的な選択が始まるかも知れません。

以下、私のメモです。

050713市川市の1%支援制度

人口46万人、個人市民税納税者22万人、個人市民税納税額300億円
NPO支援センターは開設しているが、NPOの登録管理は行っていない
市で把握している市民団体は270団体、うちNPOは81法人
NHKで放送されたハンガリーのパーセンテージ法がきっかけとなり、平成16年1月から検討
市民生活部と財政部と企画部の部長クラスで相談

東京に隣接した市川市は「千葉都民」と呼ばれる通勤者が多い
納税者の8割が給与から源泉徴収されており、税への関心が低い
納税者意識を高め、市民活動を活性化させることによって、市政に参画してほしい

平成16年度には公募型の市民活動補助金制度(上限10万円)を始めて33団体の応募があった
補助金目当ての団体を防ぐため、「1年以上継続的に活動していること」という条件にした
ハンガリーのパーセント法は団体助成なので、事務所運営費などにも補助金を出せる
市川市の制度は事業費助成であり、事業経費の半分までを補助する
学識経験者4名と市民3名からなる審査会
市民活動支援のための基金も同時に立ち上げた
申請最終日に40団体の駆け込み申請があり、合計83団体、申請事業費6734万円になった
審査会によって最終的には81団体、補助金交付申請額2694万円に落ち着いた

1%支援制度と申請団体の広報には、考えつくあらゆる手段を実施した
選挙公報のような形で各団体の主張を並べて市の広報誌に掲載した
会場を借りて1団体5分のプレゼンテーションと、30秒ずつのケーブルテレビ・ラジオ放送
市民の声にもとづいて当初予定していなかった駅頭PRも市内5駅で行った
公立の小中すべての子どもに「保護者の方へ」という形でチラシを渡した
広報にかけたお金は4月9日特集号の520万円と、この半年の職員人件費

市の広報誌の最終ページに、切り取り式の返信用ハガキを印刷した
支援したい団体を1つ選ぶか、市民活動支援基金に積み立てるか選択できる
納税通知書番号と指定番号・個人番号を記入してもらうことで、本人確認を行った
免許証や保険証のコピーを同封することで本人確認に代える方式も認めた
納税通知書をもう一度見てもらうという意味もある

6266人が届出をしたが、通知書番号の記載が無いなど無効を除いて5557人の届出を受け付けた
団体選択5049人・1242万7815円(最大414人・82万5908円、最小5人・1万503円)
当初の交付申請額を上回った24団体のうち18団体は事業規模を拡大した
どの団体が何人に支持され、何円の補助金予定額を獲得したのか、市の広報誌でリストを公表
団体選択をしなかった508人の税金の1%と、申請額を上回った団体の余った補助金は基金に積み立て

事業報告は領収書もつけてネット上で報告するよう条例でも定められている
各団体の広報誌などをまとめたり、職員がイベントに参加するなど、中間報告も必要


今後の課題

制度を市民に定着させるためのPR方法
簡単で参加しやすい届出方法
納税者以外の市民(主婦など)も参加できるような制度変更
市民活動について多くの市民に理解・参加してもらえるような施策

基金をつくったのは、将来的に市民の寄付でNPOを支援する方向にシフトする狙い
納税者が税金の使途を決めるという、直接民主制にもつながる試み
役所と市民の信頼関係がなければ絶対に成り立たない制度

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