土地開発公社の「含み損」

2005年06月01日

県内の無党派議員が毎月集まる勉強会、今回のテーマは「土地開発公社」。

土地開発公社とは、土地の値段が右肩上がりだったバブル前に、
役所が使う土地を値上がり前に買っておくという目的で各市につくられた子会社のようなものです。
ところが今や土地はバブル崩壊で購入時より値段が下がり、
役所も財政難で当初予定していた事業ができずに土地開発公社から土地を買い戻すことができません。

多額の含み損(購入価格と実際に売れる価格の差)を抱えながら、
市に買い戻してもらえずに購入時の借金の利子を払い続ける土地開発公社。
神戸市も現在、447億円の土地を抱え、そのうち135億円が5年以上持ち続けている土地です。

神戸の場合さらにひどいのが、埋立地や山奥の産業団地を開発する「新都市整備・港湾事業会計」。
7000億円の借金を、ほとんど土地売却で返してゆかなければなりません。

以下、私のメモです。

050601土地開発公社の含み損問題

土地開発公社は、土地が値上がりして取得が難しかった時期に法律化された
「公有地の拡大の推進に関する法律」
土地の値上がりが激しかったため、利子を払ってでも先に取得したほうが得だった
議会には「債務負担行為」として上がってくるだけで、チェックが緩かった

しかしバブル崩壊後、土地が値下がりして取得価格を下回った
簿価と時価の差が拡大し、莫大な含み損を抱えることとなる
利子も取得価格として簿価に追加されるので、簿価は膨らみ資産があるように見える
同時に市財政も厳しくなったため、肝心の事業計画が先送りになり、市に引き取ってもらえない
このような財務状態でも、議会には年一度の報告のみでチェックや抑制が効かない

国は最近になって「5年以上保有の土地簿価総額÷標準財政規模」などの経営健全化指標をつくった
また賃貸を認めるようになったが、これは土地開発公社のそもそもの趣旨を否定するもの

何よりもまず情報公開、議会の報告に個別の土地が明示されていなければ資料請求か実地視察すべき
長期と短期(利子補給)の借り入れに分けて、利子がどれだけ発生しているか調べる
売却価格が固定されるまでは、利子は取得原価に上乗せされるので見えにくい
現在は0.1%という異常な低金利だが、通常の3%~5%に利率が戻ったときの備えはしているか?
金融機関の協調融資ではなく入札にするなど、金利を下げる工夫をしているか?

次にすべきことは、経営健全化計画の策定(先行例:川崎市など)
土地を取得した目的の事業が本当に実現できるのか、真剣な議論が必要
市財政の中長期計画にその事業が入っていなければ、実現する見込みは少ないと考える
実現不可能な事業のために無駄な利子を払い続けるぐらいなら、利用目的の変更を考える
最悪の場合、公園としてでも市が引き取ったほうが、無駄な利子払いを止められる
可能であれば、宅地として市民への売却も検討
都市整備公社が駐車場にして、利益を市の会計に寄付する形で利子分だけでもまかなう方法

損切りをした場合、市会計から土地開発公社への公費投入が必要となってくる
実態と責任を明らかにしたうえで必要な金額を投入し、市の財政計画にも反映させる
あるいは土地開発公社を市の基金運用先として、ペイオフ対策で公費貸付をすることも

土地開発公社の組織体制そのものにも厳しいメスを入れる
公務員に向いていない仕事であれば、民間パワーの導入などを検討すべき
横浜市の中田市長のように強力なトップセールスが可能かどうか?

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