保育所民営化について、私の考え

2005年05月27日

灘区の中原保育所をはじめとする3園の民間移管問題について、
毎日のようにメールや書き込みをいただき、ありがとうございます。

私は保育所に限らず、役所のすべての仕事について民営化を検討すべきだと考えています。
(すべて民営化するのではなく、可能性を真剣に検討するということです)
理由は財政問題であり、「いま市役所にお金が足りないから」ではなくて
「将来の子どもたちに莫大な借金を残しているから」です。

一方で、子育ての難しさ、親御さんの心配な気持ちなどはよく分かります。
大切なのは運営主体が神戸市か社会福祉法人かの違いではなく、
「子どもにとって実際どうなのか?」ということだと思います。
今の保育状態と将来の借金、ともに子どもに降りかかるものですから、
両方をバランスよく解決してゆくのが私の目指すところです。

ですから「民営化阻止!」という運動にはご一緒できませんが、
「子どもの環境変化を極力おさえる」ということについては力を尽くします。

以下、ある保護者の方にお送りしたメールです。
長文ですが真剣に書いたものですので、ぜひご覧ください。

お世話になっております、神戸市灘区の井坂信彦です。
5月22日は自分が主催のシンポジウムでしたのでお伺いできませんでしたが、
また保護者会なり説明会の日程がお決まりでしたら、お知らせ下さい。
保護者会のホームページや掲示板はいつも拝見しています。

すでにご存知かも知れませんが、私は保育所に限らず
あらゆる役所の仕事について民営化を検討すべきだと考えています。
これから団塊世代(今の55歳)が大量に高齢者になってゆき、
彼らの生活を支える税金を払うのは私たちと子どもの世代です。
現在も赤字で借金まみれの神戸市役所ですから、
あらゆる場面で税金を節約しなければ追いつかないと考え、
神戸空港のような無駄な事業にも反対していますし、
市職員・議員の給料や人数も減らせと言っていますし、
一日1万円の議会出席手当ても受け取りを拒否していますし、
市バスも民営化を提案し、この春から実施されています。

たくさん税金を使って、全ての保育所を公立にできれば、
それはきっと素晴らしいことだと思います。
しかし市の税金はすべて私たちの財布から出たお金であり、
市の借金はすべて子どもたちの財布から将来出て行くお金です。

「お金と子どもを天秤にかけるな」と言われますが、
私は我が子に日々そのようなことをしています。
高くて安全な食品ばかりを子どもに与えるわけでもなく、
最高級のベビーシートを車に備え付けるわけでもなく、
車通りの少ない地域に引越しをするわけでもなく、
財布と相談しながらサービスを選択しています。
携帯電話やパソコンや自動車を手放せば、
子どもに費やせるお金が増えるのは分かっていますが、
いろいろな理由で、そこまではしていません。
使えるお金の範囲内で、子どもの安全を最大限考えます。

中原保育所の保護者の皆様が、民営化に反対されるのは当然です。
ですから私は、皆様の運動を尊重しますし、ご意見も伺います。
「市の借金問題より我が子の安全」というのは、親の自然な気持ちです。
「民営化反対」という運動にはご一緒できませんが、
保育所の運営主体が神戸市であれ社会福祉法人であれ、
子どもの安全を最大限確保するお力にはなりたいと思います。

先週、「10年後の消費税は19%必要」という計算結果が国で出ました。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/art-20050516221609-RZEPFFRWTV.nwc
2050年には日本の人口は1億人にまで減り、
そのうち35%は高齢者になるという人口推計も出ています。
平均寿命が多少縮まろうが、私たちの世代が子どもを3人ずつ産もうが、
お年寄りのために使う税金が今より少なくなることは考えられません。
将来の税金不足は、私たちの想像以上に深刻です。
公共事業を減らし、天下りを無くし、公務員や議員を減らし、
あらゆるサービスを民営化し、補助金を減らしてもなお、
解決できるのかどうか私には分かりません。

なぜここまで深刻になってしまったかというと、
政治家たちが問題を先送りしてきたからです。
今回のような有権者に歓迎されない厳しい議論を避けて、
収入(税金)よりも多くの支出(役所のサービス)を続けてきたからです。
今も国ではそのような状態が続いています。

2050年、保育所の子どもたちは45~50歳。
最も多額の税金を納めなければならない、働き盛りの世代です。
2050年、私たちは70歳~80歳。
私たちより上の世代は、おそらくこの世に残っていません。
いま私たちが彼らの将来ことを考えられなくて、
一体誰が彼らの将来のことを考えてあげられるでしょうか?
私にはそちらの方が心配なのです。

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  1. 保育所参入を葬る
    三上直樹、かく語りき
    2005年05月31日 08:51

    23日は、昨年度および今年度の工事箇所を確認する「施設調査」がありました。 そ


コメント

  1. 昨日の保護者
    2005年05月29日 23:38

    民間移管についてのいさかさんのお考え拝見しました。一点、中原保育所保護者会の運動についてきちんとお伝えしたいと思いメールを打っています。私たちは、「民営化阻止」の運動ではありません。①18年4月という短期間での実施②今いる子供たちへの移管前移管後の補償が盛込まれていない点から、今の行政の実施案を一旦「白紙撤回」し、保護者を話し合いに入れた移管案を作ってほしいと運動しています。

  2. いさか
    2005年05月30日 23:24

    白紙撤回の後、保護者を交えて迅速で前向きな移管案が作れれば良いですが、
    議事録や掲示板を拝見する限り、「民営化阻止!」と思っておられる方は多いですよね??
    「94%の保護者が反対の意思表示をしています」とホームページ表紙に書いてありますし。

    私は今回の保育所民営化について、悩んだ末に上記の意見をホームページに掲載しました。
    普通、政治家は有権者を敵に回すような記事を掲載したがらないものですが、
    民営化問題については、いつか正面から議論しなければならないと考えていました。
    票をもらうために政策で有権者に媚びるような議員にはなりたくないと思っています。

    民営化を先送りにして赤字を垂れ流し続けるのが、子どもたちにとって良いのかどうか?
    そのことを踏まえて、前向きな解決策を共に探ることができれば幸いです。

  3. いさか
    2005年05月30日 23:27

    しかし・・・

    私が保護者を敵に回して独り突っ張っている横で、
    「空港ターミナルビルの設計ミスで10億円上乗せ」というニュースが流れると、
    ほんまにアホらしくなってきますね。
    保護者の皆様のお怒りはごもっともです、よく分かります。

    だからと言って、「空港で税金ジャンジャン使うてるんやから、保育所でもジャンジャン使わせ!」
    という発想では、役所の借金は増える一方ですが・・・

  4. 通りすがりの・・・父親
    2005年06月03日 18:59

    この問題は非常に難しいですよね。
    私自身も中原ではありませんが、灘の保育所に預けている親として、今回の問題は非常に関心があり、井坂さんにも御意見をお伺いさせていただきました。
    井坂さんは税金不足の対策として、あらゆるサービスを民営化と言われていますが、その考えの極論は株式会社神戸市を作ることですか?もしくは、株式会社日本を作ることですか?
    役所でなければできない。と言うサービスもあると私は思いますが?
    もちろん。小・中学校は義務教育であるため「公立」と言うものが存在しており、「公立」のサービスに不満のある親が「私立」に進学させているわけですよね?
    今、民営化が考えられている保育園児の親の気持ちもある程度は考慮されるべきではないでしょうか?

  5. ・・・続き
    2005年06月03日 19:00

    私は詳しい事は何も知らないので偉そうな事は言えませんが・・・
    民営化されると理解したうえで入所させた親と、民営化など寝耳に水の親とは温度差が違うと思うのです。
    井坂さんは民営化されることが悪い事?
    民営化されるほうが神戸市の為。ひいては市民の為。
    とおっしゃられる理屈もわかります。
    わかりますが、あまりにも急な決定では、現サービスを受けられている方たちに対して非常に失礼なやり方を神戸市は実施したのでは?と思います。
    せめて、「○年後に民営化」とすべきではなかったのか?と思います。
    そうすることで、民営のサービスを受ける・受けないを選択する権利が保護者にも持てるわけですから。。。
    確かに何十年後かの子供たちの心配も必要だと思いますが、目の前の子供たちの事も考えてあげないとね。。。と思いました。

    長々とすんません。

  6. いさか
    2005年06月05日 23:37

    通りすがりのお父さん、コメントありがとうございます。
    「公立に入れたくて中原の近くに引越したのに・・・」という方もおられます。
    ひとりひとりの親の気持ちはよく分かりますので、
    皆さんが反対・撤回・延期の運動をされることを私は否定しません。

    しかし、例えば0歳児が卒園するまで民営化を延期するとなれば、
    中原保育所だけでなく、後に続く保育所民営化もすべて遅れます。
    その影響額は、放っておけばすべて子どもたちの負担としてツケが回されます。

    「50年後の子どもたち」のために「今の子どもたち」が損をするのではありません。
    「50年後の50歳」=「今の子どもたち」のために、財政問題を考えているのです。

  7. いさか
    2005年06月05日 23:45

    政治の仕組みを何か変えると、必ず損をする人が出てきます。
    その人たちの「損」をなるべく減らすために、私は知恵を出し、力を尽くします。
    しかし、「損をする人がいるから延期・中止」というのは、
    しかもそのツケが明らかに将来に回されるのが見えているというのは、
    私の最も嫌う「先送り政治」そのものです。

    色々と風当たりは強いですが、私は今回このような考えで問題に取り組んでいます。
    でも、こうしてオープンな場で話し合いができるのは有難いことです。

    追伸
    「役所の全ての仕事を民営化すべき」などとは思っていません。
    「民営化できないか、可能性を真剣に検討すべき」という意味で書きました。
    誤解される表現だったので、少し言葉を付け加えます。
    ご指摘ありがとうございました。

  8. 通りすがりのお父さん
    2005年06月07日 18:14

    そうですね。
    僕も「先送り」と言う言葉は嫌いですw
    「今」が大事ですよね。
    でも・・・親としては納得しがたいな~。と言う感情も理解していただいた上での井坂さんのコメントだと思います。
    僕らの今までの感覚は・・・
    「公立」=「質の良い低価格で受けられるサービス」
    と思っていたのですが、これからは、たとえ公立でも質の良いサービスを受けるためにはお金がかかると言う認識でないといけないのかもしれませんね。






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