役所の中の懲りない面々

2005年03月16日

本日は予算委員会の最終日です。
無党派5人グループを代表して私が市長との直接対決に臨み、下記3点の質問をしました。

1、予算編成を各部局に分権化し、職員の自発的なやる気を引き出してはどうか?
2、大失敗をした地下鉄海岸線の立案・決定プロセスを検証すべきではないか?
3、子どもたちが省エネして浮いた予算を学校にボーナスとして配分してはどうか?

地下鉄海岸線については、私も開通直後から需要予測や政策決定ミスの検証を求めてきましたが、
この度は専門家による外部監査でも「検証しなければ過ちを繰り返す」と指摘されました。
神戸市が委託した監査で、ここまではっきりと批判されるのは前代未聞のことです。

高速鉄道事業についての包括外部監査(PDFファイル)
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/66/kansa/gaibu-kekka/16nendo/kousoku-gaiyou.pdf

市長は答弁で「判断は当時としては正しかった」と言い切り、
与党議員も「過去のことを言うよりも、今後どう挽回するかが大事や」とヤジる始末。
最後に市長は「沿線のまちづくりは終わったわけではない。失敗と決めつけるのは早い」と言いましたが、
アナタ、乗客が需要予測どおりに増加するまで、責任持って市長を続けるんですか?
挽回に何十年かかるか分からない負の遺産を残して、市長も議員も悠々自適の余生を過ごすくせに。

以下、本日の議論についての簡単なメモです。

050316予算総括質疑


1、予算編成の分権化について

井坂:市長が予算編成権を各部局に分権しないとする理由は下記の3点。
     ①部局を超えて横断的に施策間の連携を図る調整機能が弱まる
     ②三位一体や地方財政計画の影響額を織り込む前に配分しなければいけない
     ③多額の借金に苦しむ神戸市では、市長が一元的に査定して規律を保つべき
    部局を超えた横断的な仕事が多いなら、施策ごとに枠配分をすればよい。
    枠配分をした後に国の都合で歳入総額が減らされたら、それに応じて枠を削るだけ。
    年末に枠を削る可能性があるなら、あらかじめ部局ごとに事業の優先順位をつけておく。
    財政計画と枠の総額さえしっかりしていれば、財政規律が乱れることもない。
    あらためて聞くが、予算編成をさらに分権化しないのか?

役所:調整機能が弱まったり、国の財政計画変更に対応できないという問題がある。

井坂:今の答弁は、前回の答弁書をそのまま読んでいるだけではないか。
    そのような問題点は、すでに予算を分権化している自治体で解決ずみ。
    分権化すれば各局が主体的に効果的な仕事をし、市民サービスが向上すると思うが?

役所:今の神戸市は財政状況が苦しいので、市長が責任を持って決めていかなければならない。
    区の予算については、区長と地元住民の話し合った結果に任せている。

井坂:区でやっている予算分権を、さらに役所全体に広げてはどうか?
    各部局長に任せると信用できないというならともかく・・・
    本当に能力のある人材を登用して、そこに権限と責任を与え、
    やる気と主体性を引き出して、組織全体としてトータルの成果を最大まで高める。
    トップの仕事とはそういうものであり、事業レベルの査定をすることではない。

役所:部局長は優秀な人材であり信頼しているが、予算制度は現状がベストだと思っている。

井坂:西武グループの堤さんの半生を綴ったテレビを見た。
    典型的なワンマンで、ホテルの売店の棚の位置まで口出ししていたが、あれでは人材は育たない。
    職員を育てるという気持ちで、思い切った予算分権をしてほしい。


2、地下鉄海岸線の立案決定プロセスの検証について

井坂:包括外部監査で、地下鉄海岸線が痛烈に批判されている。
    「なぜGOサイン出したのか?なぜ見直しできなかったのか?」検証せよとのこと。
    海岸線の政策立案・決定当時の判断について、誰がどう検証するつもりか?

役所:時代のニーズや状況に応じて政策は決定される。
    バブル崩壊や震災などの外部要因もあり、今の状況だけを見てどうこう言うべきでない。

井坂:また逃げの答弁になっているが、結局は検証・反省をしないということか?

役所:地下鉄海岸線にGOサインを出したのは、当時として正しい判断だったと思う。

井坂:何をもって「正しかった」と言えるのか?
    現在の惨憺たる結果から素直に遡れば、当時の判断は「間違っていた」としか言いようがない。
    手続きの正当性は保たれていたとしても、致命的な判断ミスがあったから、
    現状のように挽回不可能な低迷を招いているのではないか?
    海岸線だけでなく、アジュール舞子、K-JET、複合産業団地、神戸空港と失敗が繰り返される。
    「行政の継続性」という言葉があるが、同じ過ちを繰り返すのが継続性ではないはず。
    人や時代が変わっても、組織内部にノウハウや反省を蓄積してゆくのが真の継続性ではないか?

役所:海岸線沿線のまちづくりは終わった訳ではなく、今後も続いてゆく。
    今の時点で失敗と決めつけるべきではない。


3、省エネのインセンティブを活用した環境教育について

井坂:「環境を守れば経済的にも得をする仕組み」として、今日は「50-50プログラム」を提案したい。
    ドイツで始まり日本でも取り組まれている環境教育プログラムで、
    生徒が学校の水道光熱費を工夫して節約すると、その金額の半分が学校予算に上乗せされる。
    現状の予算リサイクル制度で、学校の省エネに対してインセンティブを与えることは可能か?

役所:省エネで浮いた予算を学校単位でボーナス配分することは可能だと考えている。

井坂:財務サイドのそのような答弁を受けて、教育長は取り組む気があるか?

役所:良い考え方だと思うが、省エネ効果の測定方法など、いくつか技術的な課題があると思う。

井坂:具体的な課題については今後とも相談させてもらうので、ぜひ取り組んでほしい。

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  1. 政治・行政に求められる「結果責任」の取り方
    高槻発「吉田康人の『ザ・トラックバック』」
    2005年03月28日 15:35

    神戸市議会議員・井坂信彦さん(無所属。兵庫県神戸市灘区選出)のホームページから▼  「関西若手地方議員決起の会」の同志、神戸市議会議員・井坂信彦さんのホームページは非常に充実していて私達、地方自治に携わる者の間でも結構な評判です。最近では、3月16日付のログに


コメント

  1. ほえ
    2005年03月17日 20:33

    こんな答弁がある日を予め教えてくれれば議会を見学しに行きたいなー。
    来期よろしく。

  2. 本河
    2005年03月18日 00:09

    さっそく「50-50プログラム」を取り上げていただき、ありがとうございます。
    さすが5人会派となると実行力が違いますね。

    それにしても包括外部監査の内容および質疑の模様は、笑えますね。
    笑うべきところではないですが。
    でも、福岡市のサイトで「外部監査」で検索しても、こういう類のファイルはヒットしません。
    このような神戸市にとって不名誉なファイルも情報公開しているあたりは、ちょっと褒めてあげたい気分です。
    福岡市も見習って欲しい…。

  3. いさか
    2005年03月18日 01:44

    ほえさんコメントありがとうございます。
    答弁内容は事前に分からないですからね~。
    開き直りそうな気もしていたので、「開き直ったケース用」の再質問・再々質問と
    シナリオどおりにこちらは突っ込めましたが。

  4. いさか
    2005年03月18日 01:46

    本河さんコメントありがとうございます。
    福岡市も包括外部監査のページありましたよ。
    http://www.city.fukuoka.jp/contents/7d2de101401/7d2de10140121.htm
    神戸市の地下鉄海岸線のような痛烈なのは無いと思いますが。
    というか、それぐらい海岸線の失敗が酷いということなのです。
    普通、外部監査であそこまで書かれることはありません。

  5. 鹿の下のまなぴー。
    2005年03月18日 12:18

    新規の都市開発では、地下鉄や新交通システムなどのヘビーなインフラを整備するケースが多いですが、
    地下鉄海岸線の沿線は、基本的に既成市街地であり、今後大きな交通需要の変動があるとも思えん。
    神戸市には、
    ・スタジアム建設のためには、地下鉄が必要なので整備した訳ではないですよね?
    ・地下鉄整備のためには、スタジアムが必要なので建設した訳ではないですよね?
    と嫌味を言いたいです。

    地下鉄に比べ定時性・輸送能力に劣りますが、
    初期投資・ランニングコストの低い交通インフラの導入が妥当だったのではと感じます。
    私(建設不動産関係)の仕事柄、社内にはLRT(路面電車)や軌道併用型バス、連接バス等の海外事例の資料が散乱しています。
    写真を見ると、どれもとてもオシャレな感じがします。
    既成市街地の更新は10年~20年スパンですので、もっと軽いインフラの方が、融通が効くと思います。
    今頃遅いですが。。

    同じようなお話を、大阪市の大正区でも聞いたことがあります。
    鶴見緑地線が大正区の鶴浜まで延伸して、鶴鶴線になる計画なのですが、
    大正区はどうなるんやろ。。。

    海岸線の現状を参考にして欲しいですね。

  6. 本河@福岡市民
    2005年03月19日 00:46

    おお、福岡市のサイトにもちゃんとありましたね。
    手抜きしてしまいました。ちゃんと調べないといけませんね。

    福岡市にも「七隈線」という、
    今年の2月3日に開通した路線があるのですが、
    最初の1カ月の乗客数が、見込みの約半分という状況。
    まあ、今回の路線は、当時(1994年の概算要求時)の運輸省が
    路線の一部にしか予算をつけなかったという事情があり、
    郊外のほうではなくて都心部のほうが後回しにされた(中途半端なまま)ので、
    今後この路線がどうなっていくのか、また、どう政策評価されていくのか、
    興味深々です。

  7. fuji
    2005年03月19日 18:25

    答弁お疲れ様でした。(遅いですが)
    16日は傍聴に行こうと思って休みを取ったのに、
    インフルエンザで寝込んでしまいました・・。
    折角の機会だったのに、勿体無いことをしました。

    それにしても、役所というのは本当に失敗を認めようと
    しないんですね。「今の時点で失敗と決めつけるべきで
    はない」というのは、責任者がまだ在職中だから・・?
    とか考えてしまうのは、深読みし過ぎでしょうか。

    今後も、鋭い突っ込みを期待しています。

  8. いさか
    2005年03月21日 04:56

    まなぴーさん、本河さん、コメントありがとうございます。
    日本の公共事業の問題点は、需要予測が甘すぎることです。
    まず「公共事業をやる」という大前提があって、それを正当化するために
    需要予測の数値をでっち上げているように感じられます。
    税金という「他人のお金」であることと、後で直接責任を取らされないという2点が、
    背後にある根本的な原因だと思います。

  9. いさか
    2005年03月21日 05:02

    fujiさんコメントありがとうございます。
    決定当時の市長はすでに退職していますよ。
    私がこのような質問をするのは、今の市長に責任を取らせたいのではなく、
    二度と同じような失敗を繰り返さない体制をつくってほしいからです。
    過去のことよりも、今後のことを考えて質問しています。

  10. いさか
    2005年03月29日 00:40

    トラックバックありがとうございます。
    ご指摘のとおり、役所改革の本丸は職員厚遇問題ではなく、3セク・外郭団体の問題ですね。






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