韓国の2030世代

2005年02月06日

日韓市民スクエア代表の孫明修さんによる、2002年韓国大統領選挙の内幕。
この選挙は、「2030世代」と呼ばれる20代30代がインターネットの力を活用して
盧武鉉大統領を当選に導いたと一般的に言われています。
しかし、役所と交渉して大学構内に不在者投票所を新設したり、
投票のため住民票のある実家に帰るための「合コンバスツアー」を企画したり、
「若者の求める政策」を大統領候補にぶつけたり・・・という本質的なアクションも見逃せません。

以下、私のメモです。

050205韓国の「2030 Vote Festival」

80年代までの民主化運動世代を中心に、韓国のNGOは90年代に急成長を遂げた
98年のIMF危機のもとで、失業克服全国民運動を展開
法律家・研究者を結集した政策能力の高いNGOもいくつか誕生した

2000年の総選挙で大成功した「落選運動」
汚職議員、議会に出席しない議員をリストアップし、公認しないよう政党に働きかけた
政党がそれに応じなかったため、有権者向けの落選運動に切り替え
NGOとしては初の生放送TV記者会見を実施
韓国テクノの女王「イ・ジヒョン」がテーマソング「パックォ」をリリース
「パックォ(変えろ)」はこの年の流行語となる

2002年の統一地方選挙で街頭キャンペーンのブームを作った「レッドデビルズ」
ワールドカップのおかげで家族の対話が増え、政治についても話題に上った
米軍装甲車が女子中学生を轢き殺した事件を市民がインターネットで暴いた
怒った市民150万人が路上に繰り出し、それをNGOが見事にまとめた

続く大統領選挙において活躍した「2030 Vote Festival」
「落選運動」を成功させた年配の活動家とは一線を画して独自の運動を展開
大学内に不在者投票所を設置するために署名を集め、当局との交渉を3校で成功させた
その結果、不在者投票に占める学生の割合は3%から86%に激増した
大学OBに「投票に行こう」記名バナーを出してもらい、広告料はカンパ収入に
合コンを無数に開催し、「私とつきあったら~します」という個人公約を流行らせる
俳優のクォン・ヘヒョが大学内で「投票に行きますか?」と突撃インタビュー

与党議員が「左翼に操られている学生は、投票に行かず遊んでてほしい」と発言
「政治家に馬鹿にされてはいけない」と若者の政策要求案を発表
・教育民営化の撤回と教育費公的負担の拡大
・派遣労働の急増に対して、社会保障・雇用政策の根本的な見直し
・クレジットカード発給基準の強化と手数料30%引き下げ
・女子大生の新規就職に対する特別対策
・兵役拒否者に対する合理的な代替労務の提供
上記政策に対するそれぞれの大統領候補の考え方を公表

2005年総選挙では「買収を密告した市民には買収額の50倍の報奨金を出す」という法律
密告により買収が明らかになり、それが大々的に報道され、クリーンな選挙になった

質疑応答

Q,今後の運動展開は?

A,2000年の落選運動は、「悪い議員を落とす」というネガティブな運動だった
  2002年の統一地方選挙はNGOの仲間を何人か議員に当選させた
  2006年の統一地方選挙に向けて「みどりの政治」関連の研究者を組織している

Q,どうすれば若者を組織化できるのか?

A,イベント時だけ集まる若者たちは組織化できないため、既存政党には捉えられない
  ノムヒョン大統領は12時の速報では負けていたが、若者のチェーンメールで逆転
  その後、ノムヒョン大統領がイラク派兵を決めたとき、逆に若者は怒った
  一時的でも自分たちが関わった大統領だから、その後も関心を持つことができる

Q,韓国の地方議員は無給だと聞いたが?

A,韓国の議員もレベルアップのため長期的には有給になると思う
  NGO出身の議員は月15万円の調査費だけでフルタイムの仕事をしている
  その他の地方議員は土建屋の副業でやっている程度で、そこに付け入る隙がある

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