税務調査の上手な受け方

2004年12月23日

友人の税理士のセミナーに参加、タイトルは「税務調査の上手な受け方」。
合法的脱税(いわゆる節税)の実態を説明してくださった後、
税務調査を避ける究極の方法は「税理士の証明書をつけて申告をすること」。
税務署の捜査員が調べる前に、税理士がすべてをチェックして太鼓判を押す形が、
これからの税理士の業務スタイルになるそうです。

以下、私のメモです。

041223税務調査の上手な受け方

日本の税金

日本の法人税は実効税率40.86%
アメリカはさらに5~6%安く、シンガポールなどは日本の半分
「検察から告発され裁判で有罪になったもの」が法的な脱税
脱税額1億円以上の悪質なものは、国税局調査査察部や検察が出てきて告発される
悪質ではない課税漏れは、追徴課税10%増の過少申告加算税
「収入を隠蔽したり経費を仮装したもの」は追徴課税35%増の重加算税
クラブ飲食費を「研究費」として損金計上するのは、見解の相違で脱税には当たらない
そのほか延滞税として14.6%がかかり、重加算税と合わせて49.6%となってしまう


脱税の3本柱

収入の除外(小売店のレジやネット通販などで売り上げを少なく申告する)
経費の仮装(架空人件費や架空仕入れ、政治献金)
在庫の除外(在庫が売れたことにして仕入れ代金を先に確定させる)


見つかりにくい脱税

現金商売で不特定多数の顧客がおり、領収書の要らない商売
領収書のない慶弔費を交際費とすれば、中小企業なら9割まで経費にできる


修正申告と更正

修正申告は納税者が自ら非を認めて自発的に修正する
更正は税務署が一方的に金額を決めるので、納税者は不服申し立てができる
納税者からの抗議は出世の妨げになるので、調査官もいやがる


税務調査の実態

税務調査官には強力な「質問検査権」があり、納税者に黙秘権は認められていない
預貯金や土地建物、高級車などを事前に調べて脱税が発覚するケースもある
特に銀行は脱税情報の宝庫
取引先情報(売り上げ、外注費、仕入額)をあらかじめ集めておくのは「反面調査」


白色申告

白色申告は脱税の温床になりかねない
帳簿がないので証拠書類が残らず、かえって税務署はあまり厳しく調査できない
青色申告をすれば特典があるが、税理士の経費などがかかってしまう


タックスヘブン
香港などにペーパーカンパニーでない(ある程度営業実態のある)本社を置く

タックスシェルター
経営者に多額の逓増定期保険をかけ、赤字年度に解約返戻金で取り戻す

フレンチベネフィット
社員の給与を一部現物や社宅などで支給して、税や社会保障費を節約する


税務調査を免れる方法

申告をしない、所在地・代表者の居所をあいまいにする、赤字申告する
申告時に税務代理権限証書に「決算業務チェックリスト」を押印添付する
税理士が細部までチェック済みであれば、税務署がさらに調べようとはしない
経理のレベルを上げることで、結果的に会社のレベルも上がってゆく


その他、税務ウラ話

税務署職員は追徴課税の額が出世に響く
不公平税制の最たるものは医者と農家
申告納税制度なので、裏を返せば申告しない法人はチェックしにくい
法人登記をしていても、税務署はそこまでチェックしない
ネット業者や風俗などは登記も申告もしないケースが多い
代表者の所在が分からないと税務調査も課税もできない
コンビニは「本部がきちんと管理しているだろう」ということで調査が入りにくい
京都の呉服商「ヤメトクレヤス事件」
税務調査で2階の家屋部分までガサ入れをした結果、税務署員が違法という判決になった

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コメント

  1. m-breeze
    2004年12月24日 09:53

    いつもコメントにたいして,必ず的確に かつ 積極的に相手をしてくださり,ときにユーモアもたっぷり交えて,ほんとうにヒューマンなお返事をしてくださり有難うございます。
    税という話題なのでまたまたコメントいたします(果たして財政が分かるのか>自分 汗)
    身近な徴税の問題といえば,合法的な課税回避も含めると,やっぱり自営のかたとサラリーマンの所得税の捕捉の不公平にかかわる問題がありますね。近頃は三位一体改革で税をめぐる地方税制のあり方も大変革の兆し。直間比率のほうはだんだん間接税重視みたいですね。しっかし費用効果っていうか費用便益っていうか…そんな簡単に片付くものではありませんが,親世代からの分を含めて,どうも払っただけの市民サービスを受けてないような気がするんですよね。なにかそういう「(暮らしの という意味の)QOL」を図る指標ってあるんでしょうかね(注:これって別に批判してるんじゃないですよ。)
    カウンタってすんごい まわりますね。もっとみなさん井坂さんが目を回すくらいコメントをカキコしましょうよ!(笑)

  2. いさか
    2004年12月25日 00:27

    m-breezeさんコメントありがとうございます。
    昨日もその税理士さんに、「自営業とサラリーマンの徴税不公平」について尋ねたのですが、
    税理士さんいわく「自営業からまともに税を取ったら、ほとんど潰れてしまう」
    というお答えでした。
    一方のサラリーマンも、多くは税率が低かったり0%だったりしますからねえ。

    「払っただけの市民サービスを受けていない」とおっしゃる感覚は素晴らしいです。
    納税者が皆、そのような厳しいお客様になれば、
    役所も議会も今のようなヌルい仕事は出来なくなります。

  3. 藤本 要
    2004年12月28日 15:14

    「自営業者からまともに税金を取ったら、ほとんど潰れてしまう」という答えはその通りである。零細な自営業者に税法を正しく適用して所得税、住民税を負担させ国民健康保険・介護保険・国民年金を支払えば生活できなくなり、生活保護所帯より低い生活状態になる。これを放置しているのが財務省・総務省の官僚であり、政治屋と称する国会議員・地方議員の先生方である。いずれ日本は官僚と政治屋どもに食いつぶされるでしょう。

  4. いさか
    2004年12月28日 23:52

    藤本さんコメントありがとうございます。

    宿主たる国民を食いつぶしてしまうと、結局は寄生虫も生きてゆけません。
    「生かさず殺さず」が腕の見せ所なんでしょう。

  5. 藤本 要
    2005年02月15日 15:56

    「生かさず殺さず」との表現は、政治家の発言としては乱暴ですね。この表現は一握りの武家集団がほぼ9割を占める農民等を支配する江戸時代「百姓は・・・・」であって、時の為政者としての政治姿勢を表現したものと記憶する。福祉の名におけるバラマキ援助と官僚等のタカリ構造を排除するための政治家に期待する。

  6. いさか
    2005年02月15日 23:26

    表現がキツ過ぎたでしょうか。
    藤本さんの前のコメント「日本は官僚と政治屋に食いつぶされる」に反応して、
    「彼ら寄生虫は宿主たる国民を生かさず殺さず・・・」と書きました。
    何も生み出さない一握りの武士階級が大多数の農民から搾取していた
    江戸時代と何ら変わらない構図だと思っています。

  7. かわうそ
    2006年03月31日 21:26

    私はお宅の有権者ではないものなのですが、
    この文はとてもよくまとまっていているので
    感謝の意から足跡を残しておきます。






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