「情報削減」という戦略

2004年10月08日

月に一度の若手社会人勉強会に参加。
発表者は化粧品会社の営業担当、タイトルは「In Store Marchandising」。

最も印象に残った話は、「情報削減」というコンセプト。
お客様にとって選びやすく買いやすい売り場をつくるために、
あえて提供する情報を絞り込み、棚の陳列に意味づけをしているとのことでした。

役所の情報提供の悪い点は、すべての情報をまんべんなく提供しようとすることです。
ターゲットを絞って、提供する情報を絞らない限り、
保険の約款と一緒で、「全て書いてあるけど、誰も読まない」ということになります。
この辺りが「伝わって、買っていただいてナンボ」の民間企業と、
「とりあえずアリバイ的に情報提供しておけばええ」という役所の姿勢の違いです。

以下、私のメモです。

041008 化粧品のISM(In Store Marchandising)

お客さんが買いやすい、楽しい売り場をつくることによって、売り場の生産性を上げる
店頭における消費者の実態把握を基本とし、年2回(春と秋)の棚割りを工夫する

日本における男性化粧品のシェアは欧米に比べて圧倒的に高い
男性化粧品シェアはアメリカ市場5.6%、ヨーロッパ市場6.1%、日本市場9.1%
アメリカはシェービング関連が7割に対し、日本はヘアケアが6割を占める

全国の商店数は1991年に159万店から2000年には140万店まで減少
販売額は横ばい、従業員数は690万人から800万人まで増えている
小売業のノウハウが高度化、POSなどの投資が必要になり、小規模参入が難しくなった
化粧品会社の得意先は、コンビニからドラッグストアにシフト

ドラッグストアは日用品を常時低価格で販売し、地域密着で女性の集客に成功
医薬品の専売で利益を確保できるため、化粧品や日用品を安く提供できる
最近では冷凍食品や飲料・酒類やスナックまで販売している
ディスカウントストアの「汚い・安い」イメージから、化粧品を置いて脱却

来店前から買う商品を決めている「計画購買」はわずか11%
お店に行ってから決められるようになったのは、ワンストップ・セルフサービスだから
逆に、生活者が自分で情報収集し、自分で判断するという負担は増えた
つまり、生活者に指示される売り場づくりは、「情報削減」と「情報創造」がカギ
情報削減は、選びやすく買いやすいために情報を絞り込み、棚割りを工夫する
情報創造は、期待を感じさせるために、お客様の知らない情報や提案をプロモーション

売上高=利用客数×買上頻度×商品単価×買上個数
4つの要素を20%ずつアップさせることができれば、売上高は2.07倍になる
小売業の基本は何と言っても基本商品、「買いたい物が買いたい時に買える」が大切

「グルーピング」お客様がどういう基準で商品を探すのか?
商品の使用場面で分類するが、使用場所ではない
買いやすさを高めるカテゴリー分類と、楽しさを高めるブランド分類をミックス
ブランド分類をすると、シリーズ同時購買が促進されて買上個数がアップする
カテゴリー分類をすると、比較購買が促進されて客単価に影響を与える

「ゾーニング」分類した商品をどのように陳列するか?
横方向への水平陳列は60cm~90cmまで、垂直陳列も2~3段程度が適当
上下左右でブランド&カテゴリーを関連つけて、上記の範囲で陳列する
上下段は計画購買の商品を置き、中段には新製品やキャンペーン商品を置く

「フェイシング」同じ商品をいくつ横に並べるか?
売れ筋商品はフェイスを増やし、在庫確保による品切れ防止
販売量を増やしたい商品もフェイスを増やし、視認率アップを狙う
基本的には売上高に応じてフェイスを決定するが、売上個数も注意する必要がある

「品揃え」誰をターゲットに、どの商品を置くか?
まずは現在利用して頂いているお客様に失望を与えず、支持される売り場を目指す
長期的には、店側が来てほしいお客様に提案・発信し、新しい客層を開発する
品揃えの深さ(同一カテゴリー内のアイテム数):商圏が広がり、来客数が増える
品揃えが広さ(取り扱いカテゴリーの多さ):来店頻度が上がり、購買意欲が高まる

「データ分析」品揃えと売り場づくりの基礎
「たくさん売れた」から「商品Aは○○の条件のもとで何個売れた」に変わる
POSデータだけではなく、生活者・消費者自身に関するデータも重要

他社のNo.1商品をあえて中央に置いて、その横に自社製品を置く戦略もある
他社を排除して、結果的に売り場全体の魅力が低下しては逆効果
シェアが多い会社はリーダー戦略(横綱相撲)が取れる
シェアが低い会社なら、「他社の押しのけて自社の売り場を確保」という戦略になる

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