予算を余らせると得をする浜松市

2004年10月19日

委員会視察の1日目は浜松市の「予算インセンティブ制度」。
「毎年3月になると道路工事などで予算を使い切ろうとするのはおかしい」と、
現市長が平成14年度から導入した制度です。
簡単に言いますと、予算を工夫して余らせたり、収入を増やした部署は、
翌年の予算で少し多めに「ごほうび(インセンティブ)」をもらえる仕組みです。

実は神戸市にも同様の仕組みがあるのですが、
予算規模3800億円の浜松市がこの制度で年間11億円も節約しているのに対して、
予算規模2兆円の神戸市はなぜか4億円しか節約できていません。
制度の違いか、組織風土や職員意識の違いか・・・

以下、私のメモです。

041019浜松市の予算インセンティブ制度

12市町村で合併して、浜松市60万人+残り18万人で人口78万人になる
平成19年4月に政令指定都市を目指している

平成11年に市長が就任し、中期財政計画を策定した
平成16年度末の市債残高2000億円以下と、公債費比率15%以下への誘導が目標
オートレースや水道など公営企業に経営健全化計画を出させ、繰り出し基準を見直し
ごみ収集、保育園、市営住宅管理、駐車場などを民営化・民間委託
外郭団体が節約した予算を不要額として回収しない「請負契約」に変更
予算重視から決算重視に切り替え、成果指標を導入

予算インセンティブ制度で、予算を浮かせた努力に対して翌年度報奨金を与える
市長の方針である「最小経費・最大満足」を実現する
「予算は限度額であり、使い切ってよい額ではない」という意識を徹底する
経費節減だけでなく、創意工夫による収入増についても評価対象とする
各部署の報告に対して財政部長が「インセンティブ評価基準」に基づき評価・付与する
節減額の1/4が付与されるが、長期的な節減が見込める工夫には1/2、先進的なら全額
収入増の場合1/2が付与されるが、施設使用料や観覧料の収入増は全額付与される

結果的に予算が余ったという場合も評価・付与の対象にしている
年度初めの予算要求を多い目にして、結果的に余れば良いという考え方になりがち
このような「不用額」による翌年の予算要求枠拡大については査定・調整の対象
「不用額」のインセンティブをどう取り扱うかが今後の課題

平成15年度分に各部署から経費節減や収入増の報告があったのは282件・15億円分
財政部が評価したのは287件・11億円分で、インセンティブ付与額は3億7700万円

経費節減・収入増の工夫例

夏服着用義務を免除して備品購入費を節減・・・インセンティブ517万円
ボランティア団体を設立して事業委託料を節減・・・インセンティブ438万円
動物園に補充すべき動物を、他の動物園と交渉して無料で入手・・・211万円
施設利用の年齢制限を撤廃した結果、利用者が増加・・・インセンティブ74万円


質疑応答

Q,11億円の節減・増収額は神戸や横浜より大きいが、何か工夫しているのか?

A,特に工夫はしていないが、11億円のうち6億4千万円は「不用額」タイプの節減

Q,横浜市のように複数年度に渡ってインセンティブを渡す仕組みはどうか?

A,横浜市の場合は複数年度予算を目指しているため、そのようにしていると思う
  浜松市のインセンティブ制度をどのように予算制度とリンクさせるかは今後の課題

Q,予算の枠配分制度に近いが、今後予算制度そのものを変える予定はあるか?

A,浜松市では枠配分制度よりも包括的予算制度の方向で考えている

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