下水道事業は「水循環事業」
2004年09月22日
本日は決算委員会の初日、私は下水道事業について下記の3点を質問・提案しました。
1、上下水道・土木事業を統合し、雨水の利用など「水の循環」という切り口で政策をまとめてはどうか?
2、民間委託は賛成だが、職人技の継承や委託後の競争状態のキープなどは気に留めておくべきだ。
3、灘浜にすでに汚水幹線があるのに、山手に平行して汚水幹線を計画しているのは何のためか?
私は事前に質問内容を役所側に伝える慣例を拒否しているので、議論はそこそこ緊張感があります。
ただ単に厳しい言葉で役所側を攻めるのではなく、一緒に考えてもらえるような質問を心がけています。
以下、本日の議論についての簡単なメモです。
040923下水道決算委員会の質疑要旨
1、「水の循環」という切り口での政策統合について
井坂:京都市・名古屋市・堺市などは上下水道事業を統合している。
広報啓発・窓口業務・水質管理・総務事務などソフト部門の統合が狙える。
住民にとっても、同じ「水」を扱う業務なので分かりやすい。
上下水道事業の業務統合・組織統合について、どう考えているか?
役所:神戸市の場合はもともと下水道事業は土木局とつながりが深かった。
水道は契約行為だが、下水道は公権力の行使・・・という違いもある。
井坂:神戸市の下水道事業が土木とつながりが深いのは、悪いことではない。
公園での雨水貯留や、道路での雨水浸透など、土木と下水道の接点も多い。
そろそろ「水の循環」という切り口で政策をまとめる時期なのではないか?
雨水利用を主軸に据えた、水循環の総合的なビジョンを定めてはどうか?
役所:神戸市では平成10年に「水環境の保全・創造計画」を定めている。
井坂:それは「水辺をきれいにしましょう」という計画であって、答弁がずれている。
雨水を貯留・浸透・蒸発させることによって水循環をコントロールしたい。
それによって夏の気温上昇や集中豪雨、洪水・浸水などの都市災害が防げる。
下水道事業と水道局・建設局でワーキングチームを作れないか?
役所:雨水の浸透に適した地域を調べているところ。
水道・建設だけでなく、環境や都市計画とも連携して、雨水利用を進めたい。
井坂:下水道の普及率が100%近くなり、これからは維持管理と施設更新の時代。
下水管の中の水だけを扱う、民間委託だらけの事業となってしまうのか?
それとも連携して水循環を管理する大きな事業に発展するのか?
ぜひ大きなほうのビジョンを描いて、頑張っていただきたい。
2、民間委託の際に気をつけるべき点について
井坂:私は基本的に、民間にできることは委託してコストを下げるべきと考えている。
だが、下水道事業の中には、経験と勘が頼りの「職人技」的な業務がある。
委託を進める中にも、市が一定の「職人」を抱えて要所に置くべきではないか?
役所:たしかにポンプ業務などは、勘と経験と地形の把握が大切だと思う。
井坂:事業所単位でガラッと民間委託すると、ノウハウが役所に残らないのでは?
役所:要所には「職人」を置いて、マニュアルだけでなく後継者の育成をしてゆく。
井坂:一方で、すでに昔から民間委託をしている業務は、きちんと競争環境にあるか?
役所:3年に一度の見積もり合わせと、毎年の価格交渉をきちんと行っている。
井坂:その結果、委託業者が入れ替わったりということが実際に起こっているか?
役所:結果的には長年同じ業者が委託先となっている例がほとんど。
より広く業者を公募するなど、きちんと競争環境を作ってゆきたい。
井坂:民間委託は目的ではなく、コスト削減のための手段に過ぎない。
ただ委託すれば良いのではなく、競争性と代替性(取替えが効くこと)が大切。
代替性と同時に、職人的ノウハウは役所内で持ち続けなければならない。
緊急時に「役所内に誰も分かる人がいない」という事の無いようにして欲しい。
3、東灘山手汚水幹線について
井坂:都賀川から元町まで、山手幹線沿いに7.6kmの汚水幹線が計画されている。
すでに浜側に灘浜汚水幹線が完成しているのに、なぜ並行して造るのか?
役所:平成10年の都市計画決定に含まれた事業。
まずは東灘から垂水まで、浜側の汚水幹線をすべて完成させるのが先。
その後の山手汚水幹線は、財政状況もあり、いつ着工するか分からない。
井坂:「都市計画で決まったから」では、事業の必要性を説明したことにならない。
なぜ、この地区だけ120億円もかけて複線化しなければならないのか?
役所:説明しにくいが・・・汚水の水位上昇時に水を逃がす、緩衝地帯の役割がある。
井坂:必要性があるとは思えないが、この問題はこれからも追及したい。
(注)当局の答えは、実際にはこの10倍ぐらい長いです。
私が議論の傍らその場で取ったメモなので、正確さは保証できません。
議論の一言一句については、3ヵ月後に議会HPに掲載される議事録をご覧下さい。
口ごもったりドタバタしたり・・・というニュアンスは、傍聴でご経験下さい。
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コメント
- ある1人の市役所職員
2004年09月23日 17:27こんにちは。
ウチの役所では、下水道関係の業務は、2年前まで1つの局でしたが、昨年度(15年度)、建設関係の部局(道路や緑、公園などを所掌)と統合されました。
私は、その中にいなかったので、詳しい経緯は不明ですが、神戸市と同様に建設関係とのつながりが強かったため、現在のような組織になったのかなぁと推測しています。下水道事業については、全国的にも扱いが分かれており、大雑把に言えば以下のようになるかと思います。
(1)企業会計、水の観点から上下水道局として組織
(2)環境の切り口から、環境関係の部局の中に組織
(3)まだまだ下水道管の整備が必要なため単独の組織
個人的には、上下水道局がベストではないかと考えていますが。まぁ、組織ばかりを論じて、「縦割り行政」にならないようにしないといけませんが(苦笑)。
下水道に限らず、市の仕事をする際には、組織を越えて話をしないと、従来型の役所仕事しかできず、他の地域から埋没していってしまいすからねぇ。また、民間委託に関しては、確かに何でもかんでも民間に任せてしまい、市職員のスキルが上がらない弊害については、あまり論じられていないことかもしれませんが、大切なことだと思います。
※極論ですが、委託した企業のことを真に受けて、言われるがままのシステム構築を行った結果、膨大な予算になってしまうってこともあるかなぁと。下水道に話を戻すと、下水道処理の際に出てくる廃棄物の有効利用や処理の方法(よりきれいにして川や海に返す方法)を論じることもできるかなぁと。
追記:以前、企業誘致などを担当していたときは、下水道使用料を減免or安くするからウチに来ませんか?なんて言っていましたが、立場が変わると、大口顧客である企業の下水道使用料を減免するなんて!って言ってますから、自分自身のことですが、節操がなねぇなぁって思ってます。
- いさか
2004年09月23日 17:56コメントありがとうございます。
追記を拝見して、普段から気になっていることをひとつ。企業会計はコスト意識を持てるのが良い点ですが、
「どんどん人口増やして、じゃんじゃん水を使ってもらって、ガッポガッポ水道料金で儲けよう」
・・・みたいな発想から抜け切れないのが悪い点だと思います。
「雨水利用なんて水道利用量が減るから、とんでもない!」という発想です。