市民病院は現地改修すべき

2004年09月28日

本日の病院事業決算委員会では、下記の3項目について質問しました。

1、市民病院は400億円もかかる新築移転ではなく、170億円程度の現地改修で我慢すべきでないか?
2、病院の前の薬局で薬をもらう人が多いのでは、医薬分業の理念が達成されていないのではないか?
3、医療機能評価機構の評価報告書で指摘された改善項目を、きちんと進捗管理して改善すべきだ。

特に市民病院移転の話は、「今そんな贅沢な病院を建ててる場合か?」というぐらい、
神戸市役所本体が借金と赤字に苦しみ、補助金やサービスをどんどんカットしています。
市長の「何に税金をつぎ込むか」という価値観が、ズレているように感じます。

以下、本日の議論についての簡単なメモです。

040928病院決算委員会の質疑要旨


1、中央市民病院の移転について

井坂:6月に出された「新病院基本計画案」に現地改修のシミュレーションもあった。
    移転新築に近い工事費がかかるうえに、工事期間が4年もかかるとのこと。
    この結果だけ聞けば新築の方が良いとなるが、シミュレーションの前提が問題。
    神戸市の現地改修案のシミュレーションは、全ての床面積を改修する案。
    全面改修ではなく部分改修のシミュレーションは行わなかったのか?
    エレベーターやホール、廊下などは改修せずに済むのではないか?
   
役所:井坂議員の言う部分改修のイメージが分からない。
    市民病院は配管設備が老朽化し、すぐにでも手を打たなければ危険な状況。
    高度な機能がコンパクトに詰め込まれた構造であり、部分改修などありえない。
    6,000㎡ほどの増築も必要になる。
   
井坂:「ありえない」の一言で可能性を切り捨てないでほしい。
    病院建築の専門家に相談したところ、改修面積半分、費用170億円で済むと言う。
    使える部分を残しながら大幅な機能転換をする手法を検討しなかったのか?
    また、医療機器や備品の購入費も、現地回収なら新築より安く済むのでは?
   
役所:現状の病院は4本の大きな柱が建物を貫いており、自由なレイアウトができない。
    市民満足度調査などのニーズを満たすためには、新築移転しかない。
   
井坂:「新病院基本計画案」はひとつの理想像として良く分かる。
    しかし今の病院事業会計や神戸市役所は、病院の新築などやっている場合か?
    保健福祉局では次々に補助金が廃止されて、私もその多くは反対しなかった。
    「お金のある範囲で政策を選ばなければならない」と考えているからだ。
    なぜ市民病院だけ、400億円もかけて100点満点のものを造ろうとするのか?
    これは政策選択の問題でもあるので、最終日に市長と再び議論したい。


2、門前薬局(※注)の解消について

井坂:6月より市民病院でも医薬分業(薬を病院の外で処方する方式)が始まった。
    患者が自宅近くのかかりつけ薬局で薬歴管理してもらう形が医薬分業の理想。
    しかし中央市民病院では50%、西市民病院では70%が門前薬局を利用している。
    昨年の委員会で議論した時は、「門前薬局利用者は30%の見込み」と答弁した。
    事前の見込みと大きく異なり、門前薬局の利用者が多い実態をどう考えるか?
   
役所:まだ医薬分業の実施から3ヶ月しか経っていないので、先行きは不透明。
    昨年「30%」と答弁した根拠は、他都市の大規模病院にヒアリングした結果。
    門前薬局の位置、患者のニーズ、住宅地に薬局がないなどの理由が考えられる。
   
井坂:医薬分業の最も重要な目的が実現されていないことになる。
    「住宅地に薬局がない」という理由なら、かかりつけ薬局の大前提が崩れる。
    患者のニーズが門前薬局にあるのなら、医薬分業せずに院内処方の方が便利。
    門前薬局利用率が30%の病院に教えを請い、門前薬局を解消すべきではないか?
   
役所:門前薬局利用率30%が理想かどうか分からないが、努力してゆきたい。

井坂:医薬分業の理想像は門前薬局利用率0%、高い理想を掲げて頑張ってほしい。


(注)「医薬分業」とは、これまで病院で薬を処方していたのを処方箋だけにして、
    市内の薬局どこでも薬が受け取れるように仕組みを変えることです。
    患者ひとりひとりが自宅近くに「かかりつけ薬局」を持つことによって、
    複数の病院から薬をもらっても、受け取りはいつも同じ近所の薬局になり、
    薬の重複や悪い組み合わせを防ぐ「薬歴管理」ができるようになります。
   
    ところが実際には、病院のすぐ目の前にある「門前薬局」を利用する人が多く、
    医薬分業の理念が実現されていないばかりか、
    患者にとっては処方箋料金が余分にかかり、薬局に足を運ぶのも面倒で、
    昔のように病院内で薬が処方された方が良かった・・・というのが現状です。
   
    「門前薬局」から「かかりつけ薬局」へ、どのように患者を政策誘導するか、
    公立病院が医薬分業に取り組む意義はここにあると考えています。


3、日本医療機能評価機構の評価結果について

井坂:昨年3月に中央市民病院が受けた、日本医療機能評価機構の監査報告書を見た。
    組織運営から患者サービスまで、具体的に60項目の改善点が指摘されている。
    この60項目の改善点について、きちんとプログラムをつくって改善しているか?
   
役所:評価結果は現場で検討し、予算が必要なものは予算要求もしてゆきたい。
    評価を受けた時点で、現場には自覚が生まれるという良い面もある。
   
井坂:現場の自覚に任せるのでなく、経営管理課で改善項目の進捗を管理してほしい。

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