自治基本条例の課題

2004年08月01日

昨日に続き、自治体法務の勉強会に参加。
「自治体の憲法」とも言われる自治基本条例をつくる市町村が増えていますが、
それですぐに街が目に見えて良くなるわけではありません。
条例をつくるプロセスで市職員と住民がその理念を共有し、自分たちの行動を変えてゆくことと、
理念を実現する具体的な仕組みをいくつか同時並行でつくることが必要なのだと思いました。

以下、私のメモです。

040731自治基本条例の到達点と今後の課題

10年前にブームになった環境基本条例と同じ轍を踏まないためにはどうするか
最高法規性、議会との関係、実効性など論点は多い


豊中市のケース

豊中はまだ自治基本条例ができていない
条例制定の適齢期を過ぎてしまってあせっている状態ではないか
市長公約により庁内検討グループが立ち上がり、計5回の検討会議を開催
第6回目に市民委員を公募したが、応じた市民は2名だけだった
条例の中身よりも制定過程の問題をクリアする段階

条例制定の過程で見えてきた問題点
行政に権限を与えるのではなく行政を縛る自治基本条例を、職員はなぜ作るのか
公募市民が2名しか集まらなかったときに、行政だけで作業を進めなかったことは評価
総合計画の中に明記されている「協働とパートナーシップ」の屋上屋にならないか
多様な分野に関心を持っている「一芸型市民」は、市政全般にはピンと来ない

自治基本条例を制定する過程の協働をどう仕掛けるか
参加の仕組みができても、負担が集中する市民に「参加疲れ」が生じないか
市民参加には時間つまり職員コストがかかり、財政改革路線と衝突する
自治基本条例は全庁的な取り組みなので、各部署参加の事務局で進めるべき

自治基本条例に反する条例が過去に制定されていれば、改正義務が生じるのかどうか


岸和田市のケース

第2次総合計画の中で「市民自治都市を目指す」ということが言われていた
自治基本条例の必要性が行政にも市民にも議会にも分からない
2年前に企画課が中心になって検討を始め、すぐに市民委員27名が合流
今年の12月議会に提出する予定

会議に出席できなくても意見を言える「通信委員」制度
当初は月1回の開催が、市民の意向で月2回開催になり、うち1回は市民だけで討論
市民委員は「行政の説明を聞くよりも、自分の意見を話したい」というニーズが強い
法律や条令を市民が自発的に勉強するようになり、市民の自治力が高まった

市民主体の策定委員会でつくった条文原案を職員や議員に「逆パブリックコメント」
今年3月に完成した条文原案に対して庁内から20ページのコメントが寄せられた
それらを踏まえて7月に完成した条例素案を庁内・市民・議会に公開し、再度パブコメ
市民が中心になって作ったので、議会に関する規定や議員の責務についても記述
ニセコ町のような見直し条項を入れるか、多摩市のように監視組織を設けるか


ニセコ町のケース

まちづくり基本条例は職員を縛るが、同時に職員の仕事を進めやすくもする
「情報共有でまちづくりが始まる」というのが逢坂町長の理念
条例は一度制定されると改正されずに形骸化してゆく
ニセコ町では4年に一度の見直し条項で時代適応性を保っている

まちづくり基本条例が施行されてから、実際に何か変わったのか
職員の意識はここ3年で、市民参加の可否を条例に照らして判断するようになった
ただし判断基準が職員によって温度差があり、条例を補足するものが必要と感じる
「条例があるから職員はちゃんとやってくれる」と住民にもよく認知されている

現在進んでいる合併の中で、まちづくり条例が相手自治体のネックになっている
全国的には評価されているまちづくり条例も、北海道ではパフォーマンス視されている
住民に配る予算書は、周辺自治体にもすべて導入された

条例では「子どもたちの政治参加の権利」を定めている
教員組合が政治の介入を嫌うため、子どもに対する政治教育はなかなか進まない
実際に子どもたちの声を政策形成に反映される仕組みについてはこれから

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  1. #87 もう、先へはすすめない
    まち・もり・ひと
    2004年11月13日 09:05

     何かに対する興味というものは、時間とともに、そして経験や知識とともに増大していくこともあれば、何かのきっかけで急速に失せることもあります。後者は「興醒め」というものでしょうか。  二本松市が検討している「市政運営基本条例」について、私もひとりの委員とし


コメント

  1. いさか
    2004年11月14日 00:26

    トラックバックありがとうございます、神戸市会議員の井坂信彦と申します。
    自治基本条例の類は、やはりボトムアップで住民側から盛り上がってくるのが理想でしょうね。
    役所主導でやると、某市のように公募委員が集まらなかったり、
    二本松市のように他市のコピーで済ませたりとなってしまいます。

    条例づくりの際に他市の先行例を参考にすることはよくあることなので、
    正直に「たたき台として宝塚の条文を持ってきました」
    と言って始めてくれれば良かったのでしょうが・・・

    とは言え、そこまで市政を憂う人がいるのですから、
    二本松市の自治はまだまだ可能性があると思いますよ。
    今回は市政運営条例としてスケールダウンしてしまうようですが、
    諦めずにじっくりと自治基本条例づくりに再挑戦してください。






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