高知県の行政経営品質向上システム
2004年08月26日
神戸市も最近取り組み始めた、経営品質の向上プログラム。
商品やサービスの良し悪しよりも、それを生み出す組織経営の良し悪しに着目する新しい考え方です。
すでに5年前から取り組んでいる高知県の担当者から、上手くいった点と失敗した点を学び、
神戸市の役所の経営品質向上につなげられれば、との思いで行ってきました。
この新しい考え方を理解した職員としない職員の間で、やる気や業績が二極化してしまう問題や、
日々の業務の中でこの新しい考え方を忘れずに絶えず実践する仕組みの必要性を感じました。
以下、私のメモです。
040824高知県の行政経営品質向上システム
高知県では行政経営品質向上に平成11年から5年間取り組んだ
最初は考え方を教える一方だったが、「一緒に考えよう」という方がうまくいく
地域を経営するという観点が必要で、住民にどう動いてもらえるかがカギ
これまでの行政システムは、公平・拡大・安定を目指すシステムだった
自由に使えるお金が減った今、多様なニーズに優先順位をつける新しいシステムが必要
「結果による満足」から「参加プロセスによる満足」にシフト
県行政の体質改善だけでなく県民とのパートナーシップ改革も同時に行う
県民提案だけではなく、一緒に予算案をつくり事業を実行
自治基本条例も行政主導でつくっては趣旨に反するので、一時休止
地域住民100人に話を聞く中で、地域活動支援誌&サイト「ぷらっと高知」が創刊された
行政の体質改善については「行政経営品質向上システム」に取り組んでいる
経営品質は商品の品質ではなく、それを生み出す組織運営の品質
クラウンを評価するのではなく、いつも良い車を生み出すトヨタの組織を評価する
お腹が空いている人に魚を与える「事実前提」ではなく、釣りを教える「価値前提」
1995年に創設された日本経営品質賞は、審査から競争力向上支援プログラムに進化
高知県の経営品質向上システム
課・事務所単位で実施し、セルフアセスメントを重視する
1、自分たちの組織の志=目標は何か、その実現に向けて果たすべき役割は何か?
2、自分たちの組織の最重要の顧客は誰か、その顧客は何を要求・期待しているか?
3、自分たちの組織と顧客を包む環境変化をどう捉えているか?
4、自分たちの組織の志の達成に向けて最大の課題は何か、その解決策は何か?
平成12年からアセッサー養成研修を行い、のべ84名が応募・参加
修了者のうち意欲のある職員を行政経営品質向上システム推進チームへ
セルフアセスメント研修は4年間でのべ2000人が参加
セルフアセスメントは全庁200職場で平成11年から実施
「企業の取り組みで行政に合わない」「取り組む時間がない」という批判的意見
「客観的に組織を点検できた」「議論することができた」という積極的意見
外部審査を受審した17部署は1000点満点中200~300点、日本経営品質賞「C+」
「顧客」「使命」という言葉に対する違和感が薄らいだ
顧客の自立をベースに置かないでセルフアセスメントを行うと、要求が肥大化する一方
推進チーム自体が積極的な学びの場になっていることは収穫
質疑応答
Q,経営品質の良し悪しを部署や管理職の評価につなげる仕組みはあるか?
A,「評価」という観点で経営品質を捉えている限り、組織の経営は向上しない
「経営の考え方」を提供するツールであり、各部署が成長するためのツール
「トライ&トライ」というイベントで、良い取り組みを庁内で表彰する
Q,やる気のある職員しか経営品質を理解しなければ、職員の二極化が進むのでは?
A,職員の二極化は仕方ないと考えている
団塊世代が退職後の若い世代が、まず理解してくれれば良い
Q,この新しいシステムで得た気づきを忘れないための日々の取り組みは?
A,4月に組織の目的や顧客についてディスカッションし、秋にアセスメントを行う
定期的に経営品質のことを意識させるような取り組みはできていない
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