「ボイス・アブソーバー」竹中平蔵大臣

2004年07月24日

Jul23_1610_1.jpg昨日行われた全国若手市議の会総会で、竹中平蔵大臣が講演。
さすが現職の大臣、会場からのどんな質問にもシンプルで分かりやすい答弁。
一方こちらは主催者側でしたので、総会の質問攻めでいっぱいいっぱい。
大臣の講演をゆっくり噛みしめる余裕も無く。

以下、私のメモです。

040723竹中平蔵大臣

ピットの言葉「政治屋は次の選挙を考えるが、政治家は次の時代を考える」
ドラッガーの言葉「唯一なくならずに発展し続ける資源は、人間の能力だ」

「いま景気が良いか悪いか?」と尋ねれば、皆の答えはまちまち
今の日本経済は2つの点で改善された
1点目は、銀行の不良債権が計画どおり解消に向かっている
3年前と違い、「金融危機が起こる」という論調の新聞はない

2点目は、経済の構造が変わったこと
日本はこの十数年間の追加予算だけで100兆円以上のお金を使った
東京のすべての建物を建て直しても70兆円しかかからないと言われる
政府の追加予算に頼らずに民間主導で経済を回復することができた

地域間格差が起こっているのは、政府が一律に行う公共事業に頼っていないから
自立する力のある地域とそうでない地域で格差が生じている
景気がもう少し良くなっても、遅れた地域の景気も回復するわけではない
民間の自助努力を政府が助ける政策を続けてゆくしかない

小泉内閣が地域切捨てをしているのではなく、地域に力がないのが理由
マスコミが言う以前から地域再生本部をつくって取り組んできた
三位一体の改革による補助金削減・税源委譲・交付税改革
3年前に大臣になったとき、三位一体の改革ができるとは誰も思わなかった
補助金の削減は役所の仕事が減るので、すべての省庁の抵抗を受ける
税源委譲では財務省が抵抗、交付税改革では総務省の改革が当然起こる
小泉首相が4兆円の補助金削減を唱えて、経済財政諮問会議などで話が進んだ

今年度の地方予算が交付税削減で苦しかったのは三位一体と関係ない
地方財政の総額が減らされたのだから、地方財政計画が強引だったということ
前年に比べて1.8%減という数字が地方にとっては苦しかったのだろう
しかし物価も下がる中、民間企業で予算の1.8%減など珍しくない時代

金融庁は地域の金融機関に対して「不良債権を減らせ」とは言っていない
先の国会で「地域金融強化法」をつくった

地方の役所の仕事は本当に地方公務員がやらなければならないのか?
アウトソーシングによってコストが削減されて、多くの場合サービスが向上する
愛知県の高浜市はアウトソーシングによって雇用を3割増やした
中央では官民共同入札、いわゆる「市場化テスト」を始めている
市場化テストで民間の方が安く入札したのなら、それはアウトソーシングの対象

地域の基礎的な産業をしっかりと立て直していく
建設会社が農業に進出すれば一石二鳥
特区で農業に株式会社が進出できるようになった
山梨県ではワイン会社がブドウ畑を持てるようになった

地域に新しい産業を興して行かなければならない
有力な地域産業のひとつに観光産業がある
地域の大学で観光学部を設置している所は1600大学のうち20数校しかない
オーストラリアでは3分の2の大学に観光学部がある
吹雪を見せて観光資源にしている宿もあるように、工夫次第で何でも観光に結びつく
和歌山大学でも国立大学初の観光学部を作ったらよい

大阪は40分以内に姫路城・法隆寺・奈良・京都と4箇所の世界遺産に行ける都市
長野の小布施
私たちがニューヨークに行くのは、一日ニューヨーカーになりたくて行く
観光とは名所旧跡の集合体ではなく、地域のライフスタイルにどれだけ憧れてもらうか

これからの経済は「景気が良くなるまで待とう」ではいけない
日本の経済はこの半年間7%の成長率、これ以上の成長は無理
国でお仕着せのプログラムを作って地域に広める形では上手くいかない
地方で工夫して「こういうことをやりたい」と言ってもらえば支援する
私は地域の声を吸い上げる「ボイスアブソーバー」になりたい
地域に根ざした地方議員のアイディアと悩みに政府がきちんと応えるのが日本再生の道

2年前は主要国の不良債権比率が8.9%だった
金融再生プログラムで来年3月までに4%台にする目標は今年中に達成できそう
不良債権は負の遺産であり、元来の収益力など日本の銀行はまだまだ遅れている
来年4月以降はもっと野心的に銀行の強化に取り組む

郵政民営化で郵便局が無くなるわけではないが、今のままではやはり問題がある
郵政問題は金融問題であり、民間の金融市場の中にソフトランディングさせたい
国民の資産の4分の1が郵便局にある
この特殊な国営金融機関に国民は税金と言う形で見えない負担を続けている

北海道には「道州制特区」という特権を与えている
国から北海道への分権だけでなく、道から市町村への分権を進めてはどうか
道内分権を進めることによって、各市町村の民間活力が出てくる
内閣府の中に道州制特区の懇談会を予定している

セーフティーネットは必要だが、市町村に対するセーフティーネットは成立するか?
個人に対するセーフティーネットが存在することが大切
「自治体は倒産しない」という発想が税金の無駄遣いを生んでいる
不交付団体には全くインセンティブがないが、交付税改革で報われるようにしたい

派遣従業員にアウトソーシングすると個人に責任が行ってしまう
もっと大きな業務単位でアウトソーシングすべき

政策のトレンドを変えることは非常に難しい
「不良債権を放置するな」という当たり前の方針転換にも激しい抵抗があった
経過期間を取ることや説明責任を果たすことで緩和するしかない

今は国の最新の動きがすべてホームページに掲載されるので、それを読んでほしい

4兆円規模の三位一体改革の姿はこの秋に示す
大平内閣以来の「2030年会議」を開催した
水平調整と垂直調整などの大きなビジョンを、地方公聴会なども含めて描いてゆきたい

海岸線を活用していないのは勿体無い
ウォーターフロントを本気でやったのは東京墨田川
漁業補償などの問題は、特区を貪欲に使ってクリアしてほしい

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コメント

  1. いさか
    2004年08月03日 00:46

    塩見さんトラックバックありがとうございます。
    確かに、祭りは地域再生の起爆剤になりますよね。
    私も、いわゆるドブ板選挙はしませんが、地域のお祭りには欠かさず参加しています。
    議員特有の、顔出しだけして来賓席に座って一日数件の祭りをハシゴ、というスタイルではなく、
    ひとつの祭りに準備から後片付けまで、一日中関わります。

    生まれが江戸っ子なので、純粋に祭りと喧嘩が好きなのだと思います。






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