払った税金の2倍のお金を使う私たち
2004年07月27日
議会で「大都市税財政制度確立委員会」の勉強会。
いま「三位一体改革」と呼ばれる、国と地方のお金の配分見直しが行われていますが、
国と地方を合わせて見れば、私たちは国と地方に総額79兆円の税金を毎年払いながら、
国と地方の役所は毎年総額151兆円のお金を使っているという恐ろしい事実があります。
払った税金の2倍のお金が毎年使われていて、不足分は将来へ残る借金でまかなわれているのです。
当然、国と地方のお金の配分見直しだけでなく、使うお金の総額を厳しく削減することになりますが、
地方が「もうこれ以上支出の削減はできません」と泣き出す頃、増税の話が出てくるわけです。
先週の竹中大臣のお話と併せて考えると、この国の財政問題の将来が見えてきます。
以下、私のメモです。
040727大都市税財政委員会
地方財政の現状と課題
地方財政計画で全国共通でくくる時は、一般会計と特別会計を合わせた「普通会計」
地方財政の総額64兆5000億円は国内総支出の13%
地方財政の財源不足額14兆円(通常収支不足10兆円、恒久減税による減収4兆円)
地方債依存度は平成16年に16.7%、交付税特別会計借入金を加えれば18%
地方財政の借入金残高は平成16年度末で204兆円、GDP比40%
国家財政の現状
公債残高483兆円、公債依存度は44.6%
平成16年度に発行した交際は36.6兆円、うち赤字国債が30兆円
税収は平成2年の60兆円をピークに下がり続け、平成16年度には41.7兆円
歳出は昭和60年に比べて社会保障費が2倍、地方交付税が1.7倍、防衛費が1.5倍
国と地方を合わせれば、租税総額79兆円に対して歳出総額は151兆円で2倍使っている
国と地方合計で長期債務残高は719兆円
地方財政計画
地方交付税法7条により内閣は翌年殿地方団体の歳入歳出総額見込みを公表する
国の予算編成で明らかになった地方への補助金額をもとに地方の標準的経費を見積もる
国税41.7兆円のうち所得税・法人税・消費税・酒税・たばこ税が交付税対象
法定5税の決められた割合が地方交付税として支出され、その額は16.5兆円のうち11兆円
法定5税が減少している分、交付税特会借り入れと臨時財政対策債などで補填
神戸市も今年度240億円の臨時財政対策債を発行
神戸市の現状
財政力指数は0.672で政令市下から4番目、経常収支比率は103.3%でワースト1
起債制限比率は24.7%で全国ワースト1
広義の三位一体改革
地方分権のために補助金の廃止・交付税の改革・税源移譲による質的転換
国・地方の財政健全化のために行税制改革による量的縮減
質的転換では地方の自由度が高まるが、量的縮減により地方は苦しくなる
平成15年の補助金改革
公共事業の補助金3281億円が削減されたが税源移譲はゼロ
うち市道補助分と高速道路直轄方式分で自動車重量譲与税930億円が移譲
義務教育国庫負担金(共済負担金)2344億円が一般財源化、所得譲与税2051億円が移譲
平成16年の補助金改革
公立保育所運営費補助金2440億円が一般財源化、所得譲与税2198億円が移譲
義務教育国庫負担金(退職・児童手当)2309億円が一般財源化、2309億円が移譲予定
公共事業の補助金4527億円が削減され、うち1330億円のまちづくり交付金だけ財源措置
その他の補助金も1000億円削減されるが税源移譲はゼロ
骨太方針2004に至る経緯
麻生総務大臣が4月26日に意見提出
「平成18年度までの税源移譲の規模(3兆円)と内容を先行決定すべき」
「17年度以降の一般財源総額は前年度と同程度の水準にすべき」
「所得税から個人住民税への移譲と個人住民税の10%比例税率化を先行決定すべき」
同時に谷垣議員が意見提出
「骨太方針2003で決めたことを守り、国と地方のスリム化を一層進めるべき」
「公共事業の補助金を税源移譲するのではなく、公共事業そのものを縮減すべき」
「地方歳出を徹底的に見直し、それにより交付税の総額を抑制すべき」
「税源移譲の総額を先行決定せず、廃止する補助金のうち必要な部分に限るべき」
両者の意見を踏まえた6月4日の「骨太方針2004」
「平成18年までの三位一体の全体像を今年秋に示す」
「税源移譲の規模は3兆円とするが、補助金削減の具体案は地方が取りまとめる」
「国と地方行政のスリム化を推進し、併せて国の関与・規制の見直しを行う」
地方側による補助金削減案
補助金20兆円のうち社会保障11.7兆円の補助金削減には地方は手をつけたくない
残る2.9兆円の文教費と4.8兆円の公共事業費のどちらの補助金を削減するか
公共事業補助金の財源は建設国債なので減らしても税源移譲につながらない
一方の義務教育国庫負担金の削減には反対意見が多い
8月20日まで知事会・市長会でどこを削減するかの議論が続く
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