藤井絢子・滋賀県環境生協理事長

2004年05月08日

続いての講義は、藤井絢子・滋賀県環境生協理事長の「菜の花プロジェクト」。
菜の花からディーゼル油を採り、地域の活性化を試みる運動が滋賀県から全国90地域に広まりました。

以下、私のメモです。

040508藤井絢子「菜の花プロジェクト」

1989年に環境専門の生協を立ち上げた
EU諸国の環境再生の動きなども学んできたが、日本の現状は変わっていない
中央政治のおかしさを指摘するだけの力を地方が持たなければならない
「住民運動こそが地方自治の本義」という考え方で琵琶湖の赤潮問題に取り組んだ
かつての公害問題は「企業が悪い・放置した行政が悪い」と分かりやい構図
琵琶湖には400本以上の川が流れ込み、周辺の生活すべてが影響を与えている

「せっけん運動」は「対案を提案しよう」という運動だった
行政は含リン合成洗剤を引き取り、石鹸には補助金をつけ、硬水地域には軟水器を設置
武村知事と石鹸・洗剤工業会が大闘争を繰り広げた
廃食油を石鹸の原料にするために、生協が6万世帯の回収システムをつくった
最盛期には廃食油が足りなくて油脂工業会に買いに走ったほど
80年の「びわ湖条例」施行のとき、無リン合成洗剤「ニュービーズ」の大宣伝に負けた
89年の環境生協設立時には、廃食油が大量に余るようになっていた

ドイツで、食料生産調整のためにエネルギー作物をつくるという発想を学んだ
日本ではディーゼルの評判が悪いが、EUはディーゼル率を高めようとしている
ディーゼル車は化石燃料がなくても植物燃料で走るのでサスティナブル(持続可能)
1997年の京都会議では「CO2削減のために原発を20基つくる」という政府案
竜王町では家庭と学校から年6千リットルずつ廃食油を回収してディーゼル燃料に
デイサービスの車が廃食油を集めてガソリンスタンドに渡している例もある
愛東町は「バイオマス・フロンティア日本」に選定された

ドイツのバイオディーゼル村では、農家が食料・飼料・エネルギーを生産している
滋賀県が牛100頭のバイオガスプラントを1億5千万円で造ったが、ドイツでは1500万円
バイオガスは高く買い上げてもらい、バイオディーゼルは税制優遇で安く買える
「わが村生き生きコンクール」で採用されると1億円の補助金をEUから得て実現できる

住宅が散在している滋賀県で大都市と同じ下水道システムではお金の無駄
都会は下水道、農村は農業集落排水、滋賀県では個人下水道
魚の生存限界値であるBOD=5ppmを水質基準に据えた(国基準は20ppm)
個人浄化槽できれいにした水をトイレや車洗いに使う
公共下水道にすると、自分が何を流しているかに関心を持てなくなる
災害時に備えて、水とエネルギーを1週間分は確保しておきたい

淡路島の五色町と東浦町に菜の花プラントが導入され、井戸知事も関心を持っている
制度づくりを待っていては100年経っても変わらないので、不完全でもまず実施する
滋賀県50自治体のうち9自治体で地域エネルギービジョンが策定されている
地域にどのようなエネルギーのタネがあるのか、それをどう利用するのか
岩手県の増田知事はペレットストーブを率先して売っている
食料とエネルギーの自給率をどのように上げてゆくのか
菜種油の自給率は0.03%

近江八幡の「エコ村」は塩漬け土地を宅地開発するだけで、大変問題がある
「環境にやさしい異空間」をつくるのではなく、今住んでいるところをエコ化すべき
都市部のバイオマスは生ゴミ、これをどうエネルギー化するかを考える
コンポストに補助金をつけて広めても、できた肥料が活用されていない
個人宅の発酵ではなく地域の高度発酵システムをつくり、地域の農業と結びつける

住民の取り組みを「面白いね」と後押しする役割を行政と議会に求めたい

質疑応答

Q,優遇税制や買取制度もない中で菜の花プロジェクトは経済的に成り立つのか?

A,滋賀県の新旭町で経済的に成り立つか検証を始めたところ
  学校給食のお米を地元のこだわり米に切り替えたところ、家庭でも購入が増えた
  大豆と麦の転作奨励金が終わり、転作作物を地域で選んで指定できるようになった
  滋賀県が10aあたり3万円の補助金も出している
  10aあたり250キロの菜の花が収穫できると7万円ぐらいになる
  愛東町は生ゴミや農業廃棄物の堆肥化でひとりあたりゴミ排出量が少ない
  遺伝子非組み換えの綿を栽培し、紅花染めの産着を商品開発している
  国会の「菜の花議員連盟」でバイオディーゼル税制とエネルギー作物
  90地域のネットワークで国を振り向かせて制度設計

Q,バイオディーゼルの価格や税制は?

A,軽油引取税31円を加えて85円/リットルで販売している
  鹿島・伊万里・JR貨物の鉄道や、病院のオンサイト自家発電などにも広まる
  公用車やパッカー車などバイオディーゼル100%使用なら軽油引取税がかからない
  トラクターや船など、道路を使わなければ課税されない

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コメント

  1. 内藤 勲
    2005年12月26日 19:21

    尚の花から植物油を搾取して利用してその廃油を回収してバイオディーゼル燃料に再利用することですが、植物油はひまわり油、大豆油、椿油など種類がありますがどれもバイオデーゼル燃料に再利用できるのでしょうか?






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