新川達郎・同志社大学大学院教授
2004年04月25日
続いての講座は、同志社大学大学院教授の新川達郎先生の「ガバナンスと議会改革」。
新しい時代に合った議会にするには、どこをどう変えたら良いか?というお話。
以下、私のメモです。
040424新川達郎「ガバナンスと議会改革」
ガバメント(政府による統治)からガバナンス(地域による協治)への変化
議会がガバナンスの中に位置づけられず、遅れてしまっている
行政だけ・民間企業だけ・住民だけで担える仕事は少なく、パートナーシップが必要
個人や集団がそれぞれ自立していることが大前提
自立が無ければ、従来どおり「お上に擦り寄る市民たち」の構図となる
ガバナンスという新しい流れに対して議会がどのように対処してゆくのか
議会制度は議員自身が変えることができる
制度を変えなくても運用で変えられる部分がある
議会組織も法律に違反しない限りは議員自身が自由に作れる
論点1:議会改革で何を変えるのか?
議会の議論を活性化させるには、会派内や非公式の懇談もすべて公開すべき
議員提出議案が世間に注目されないのも、議案作成プロセスが非公開だから
一問一答方式や質問回数・質問時間の制限を考え直す
1年中一人の議員にしゃべらせ続けるわけにはいかないが、そんなに続かないだろう
論点2:これからの議員に求められる資質をどう備えるか?
「選挙で当選した」という事実だけでは議員の資格として不十分で、専門性が必要
議員の勉強は自己責任とは言え、議会として組織的に取り組むべき重要課題
特に政策課題に関する専門知識ではなく、法令や財務など議会審議に関する基礎知識
論点3:議会全体として多様な住民をどのように代表してゆくのか?
なぜ議会には市民参加条例や議会活動基本条例がないのか疑問
行政の市民参画に議会が反発するのは、議会側に住民参加の視点が欠けているから
早急に議会改革のプランが必要、5年もかければ「地方議会を無くせ」の声に負ける
志木市の「シティーマネージャー」制度は議会と行政の一体化
さらに市民参画が進めば、議会とシティーマネージャー自体が名誉職的になるかも
議員個人が議会改革するのではなく、議会単位で動かなければ効果がない
議会改革議員連盟ではなく、改革議会連合ができれば面白い
質疑応答
Q,ガバナンス全体に対して議会が関与せず、役所チェックに特化すべきではないか?
A,ガバナンス自体が行政の下請けになっていた場合に指摘できるのは議会
NPOの活動を評価するNPOなど、別のチェック役も当然必要
さらに基本はサービスを受ける市民がきちんと選択してゆくこと
チェック機能は警察的な役割ではなく、政策の成果に対する評価という役割
そうなると行政評価や外部監査と役割が重なってくるが・・・
Q,各地の議会のベンチマークとベストプラクティス研究が効果的ではないか?
A,議員の通信簿をつける市民活動はあるが、議会ごとの評価は聞いたことが無い
Q,議員の歳費や政務調査費はいくらが適正だと思うか?
A,議員歳費や政務調査費の適正額は、古くて新しい課題
地域の名士がボランティア的に議員を務めていた時代は終わった
無報酬では議員のなり手が限られてしまうだろう
地域の重要な管理職だと考えれば、上場企業の役員並に2000万円あっても良い
Q,先進的な議会改革の事例は?
A,千代田区議会は情報公開審査の付属機関を設けた(法律で明確に禁止されていない)
Q,議員定数の適正値はあるのか?
A,議員定数は、昔の大地主が全員参加できる数として定められたと言われている
何も客観的な根拠がないので、適正値についての議論も行われていない
数名削減するだけの「議会批判逃れ」ではない本質的な定数削減を望む
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